「MACKIE. MC-150 / MC-250」製品レビュー:50mmの大型トランスデューサーを搭載したヘッドフォン・シリーズ

MACKIE. MC-150 / MC-250

REVIEW by 西川文章 2019年3月26日

MC-150

インイア・モニターであるMPシリーズに続き、MACKIE.の新しいヘッドフォン・シリーズがリリースされました。それが、今回紹介する密閉型ヘッドフォンのMC-150とMC-250です。

制作やリスニングに使えるMC-150
よりプロ用途に向いた設計のMC-250

両モデル共に高精度50mmトランスデューサーを搭載し、スタジオ・モニタリングなどでの使用はもちろん、リスニング用ヘッドフォンとして移動中にも臨場感のある音を再生可能。また、人間工学に基づいてデザインされたイア・パッド、ヘッド・バンドが採用され、長時間のリスニングでもストレス無く装着できる設計です。

MC-150はDJやミュージシャンのモニタリングやポータブル・オーディオ用途向けとして、MC-250はより正確なリスニングが必要なプロフェッショナル用途としてレコーディング、ライブでのミキシング向きに設計されています。低価格ながらプロフェッショナルなサウンドを実現し、コスト・パフォーマンスに優れた製品です。

見た目は、同社のスピーカーなどに共通するいわゆるMACKIE.らしいデザインです。MC-150、MC-250共に一見したところ違いはなさそうなのですが、細かく見てみるとMC-250はヘッド・ピースのロゴの部分が四角にくぼんだデザインになっており、見分けがつくようになっています。ケーブルは着脱式で、ヘッドフォン側はバヨネット式コネクターなのでひねって簡単に着脱可能。3mのストレート・タイプのケーブルが付属し、キャリー・バックも付属しているのがありがたいですね。持ち運びに別途ケースを用意しなくて大丈夫です。

実際に着けてみたところ、装着感はとても良いです。イア・パッドが程良く耳を包み込んでいて、高い遮音性ながら、圧迫感はそれほどありません。イア・パッドのクッション性が優れていて、締め付けられて耳が痛いといったことも無いです。これなら長時間の作業でもストレスが少なく済みそうですね。また密閉性も高いので、大音量の中で正確なモニタリングの必要なライブPAでも十分使えるでしょう。装着感に関してはMC-150、MC-250共にほぼ同じでした。

 

音の定位感や分離感が良く
リバーブを含めた奥行きもしっかりと再現

では気になる音質をチェックしていきます。できるだけいろいろな種類のソースで聴き比べてみましょう。最初にダフト・パンクのアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』をMC-150で試聴。音が出た瞬間、低域の存在感に驚きました。キックとベースがしっかり前に出ていて、重厚なサウンドです。高域成分もちゃんと出ていますが、何といっても低域の質感が良いと感じました。DJやエレクトロニック系のミュージシャンなど、低域重視の方にはお薦めです。

MC-250でも試聴しました。タイトで切れの良いサウンドで、低域から高域までフラットにバランス良く出ている印象です。高域の解像度が非常に高く、シンバルやハイハットの細かいニュアンスもしっかり再生されています。リファレンス・モニターとしても十分な音質だと感じました。

次にピアノ曲、ドビュッシーの「月の光」を試聴。MC-150はとても心地良く、良い意味で“聴き流せる”サウンドだと感じました。ピアノの高域のタッチもキツく感じず、移動中や少し落ち着きたい休憩中など、BGMとして音楽を聴くのにとても相性が良いと思います。このまま眠ってしまいたい衝動にかられました。それに対してMC-250のサウンドは演奏のタッチや強弱がち密に聴こえてきて、一つ一つの音が立ち上がり、演奏の間に意識が研ぎ澄まされ、集中と緊張が高まっていく……音楽に没頭していくような感覚になります。音源を正確に再生しているからこそ、こういう感覚になるのでしょう。繊細な音楽も非常に高いレベルで再現していると感じました。再生するヘッドフォンによって音楽の印象はこんなにも変わるんだということをあらためて認識させられます。

もう1曲、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバム『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』を試聴。古い作品なので、普通のリスニング環境で現代の曲と比べると、低域が少し物足りない感じがするはずですが、MC-150で聴くと全くそういった印象は無く、ちょうど良い低域の質感で再生されます。このアルバムは音像定位も特殊で、ホーン・セクションとドラムが左に、ギターやシンセなどのメロディが右に、ボーカルとベースがセンターに位置しているのですが、その音の定位感や分離感がとても良い印象でした。MC-250は、より左右の音像の広がりが増し、リバーブを含めた奥行きまでしっかりと再現。全帯域においてバランスが良く、やはり再現性が高いと感じます。曲の編集ポイントまで気になってしまいますね。

かれこれ3時間ほどMCシリーズのヘッドフォンを着けながら原稿を書いていましたが、耳が痛くなるなどのストレスは感じませんでした。サウンドのクオリティが非常に高く、装着性に優れたコスト・パフォーマンスの素晴らしいヘッドフォン・シリーズだと思います。
 

▲付属のキャリー・バッグ。MC-250、MC-150ともに折りたたみ可能なデザインになっているので、コンパクトに持ち運びが可能だ

▲付属のキャリー・バッグ。MC-250、MC-150ともに折りたたみ可能なデザインになっているので、コンパクトに持ち運びが可能だ

▲3mストレート・ケーブルとフォーン変換アダプターも同梱されている

▲3mストレート・ケーブルとフォーン変換アダプターも同梱されている


 
サウンド&レコーディング・マガジン 2019年4月号より)
 

MACKIE.

MC-150 / MC-250

オープン・プライス(MC-150:市場予想価格8,300円前後、MC-250:市場予想価格11,800円前後)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
●MC-150 ▪形式:密閉ダイナミック型 ▪トランスデューサー:50mm径 ▪感度:93dB ▪周波数特性:15Hz~20kHz ▪インピーダンス:33Ω ▪重量:265g ●MC-250 ▪形式:密閉ダイナミック型 ▪トランスデューサー:50mm径 ▪感度:100dB ▪周波数特性:10Hz~20kHz ▪インピーダンス:38Ω ▪重量:265g

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