パワーのある低域とナチュラルな高域を持つモニター・スピーカー

EVENT Opal

REVIEW by 中村文俊(officeインビレッジ) 2009年3月1日

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音楽制作にとって一番大切なのは、何と言ってもモニター環境。最近では昔に比べて各社とも個性はありながらも、いわゆる音が分かりやすいものが増えてきている印象を受けます。しかし、モニター環境が悪いとどんなに高価な機材を使っても良い音は作れません。果たして今回紹介するEVENT Opalはどのような個性があるか、早速チェックしてみましょう。

音の調整に便利な
前面配置のつまみ類

まず、箱を開けて驚くのがその大きさです。203mmのウーファーなので当たり前なのですが、全体の作りがしっかりしているので、特にその風格に圧倒されます。重量も21.2kgとそれなりにあり、このウーファーの口径でも難なく特性を引き出してくれそうです。さすが2年も研究して開発したということもあって安っぽいイメージが無いのはうれしいところ。取っ手が上部にあり、持ち運びや箱から出すときも便利でした。

本機はパワード・スピーカーによくあるはずのフィルターなどのコントロール類が背面に無い……なんと前面下部の“OPAL”と書いてあるゴム・キャップを外すとコントロール類が現れます。LEVEL、部屋の設置場所によるローカット量を調整するSPACE、補正用EQのQ、FREQ(40〜280Hz)、DEPTH(−1〜−6dB)、200HzのLF SHELF、5kHzのHF SHELF、前面の自照式ロゴの明るさを調節できるDIMを用意。これは非常に便利!! 裏に回って調整してまた表で聴いて、変更があればまた裏に……ということもあるのですが、前面にあるとその面倒くささも皆無。音質の調整が非常にやりやすかったです。また、コントロール類がディップ・スイッチではなくつまみ式になっているのも分かりやすいです。

本機には付属品としてゴム製のインシュレーターが付属しており、通常はこれに乗せて使用します。また、背面にはつり下げて使用するときのマウント用ねじ穴があるので、サラウンドなどあらゆる設置場所に対応可能です。今までの同社のスピーカーとはちょっと違う気合いが感じられます。さて、その音の方はどんな感じか楽しみです。

大型スタジオにも対応できる
余裕のあるサウンド

まずコントロール類のセッティングをデフォルトのまま聴いてみました。おお……圧倒的な低域の迫力です。ラージ・スピーカーを近くで聴いているような感じ。ただ、低域は出過ぎだったので調整します。小さめの部屋だったので、SPACEを1/4にすると低域もぐっと抑えられ段々良い感じになってくれました。本機は低域にパワーがあり、コントロール類の設定も低域を中心としているのが特徴。変化も分かりやすく、いろんなスタジオで設定を追い込むことができました。

また、キックの重低音を出し気味で録音していたのですが、本機では低域が音量を上げるとひずみっぽくなったり、無理しているような音になってしまうようなことが全く無かったのでびっくり。リミッティングしていない生のドラムの音を、音量を上げても余裕で再生できるのは、特に大きいスタジオではうれしい限り。最近の価格を抑えたモニターは、自宅などの宅録環境を意識して作っているものが多いと感じますが、本機は大型レコーディング・スタジオでも十分に対応できるようにしたのでしょう。メーカー側のプロの現場で使ってほしいという意図が感じられます。普通のマンションでも使ってみましたが、レスポンスはそのままに低域まで感じることができました。

高域に関しては極端な派手さも無くナチュラルですが、レンジ的には見えやすい印象です。ちゃんと高域が出ていない音は出ていない感じに聴こえます。これは非常に重要で、最近のモニターは高域に特徴を持たせてパッと聴き派手に聴こえて気持ち良いのですが、ほかのスピーカーで聴くと意外と地味だなと感じている方も多いでしょう。本機ではその感じはありませんでした。

さらに、部屋によってどうしても低域がブーミーになるときは横向きに設置する方法も有効でした。この場合はバッフルを固定するネジを付属レンチで外してツィーターを90度回転して付け直せます。また、その際は、ツィーターを内側にすると良い結果が得られます。ちなみに、スイート・スポットが広かったことも付け加えておきます。

最後に、本機の特長は何と言っても大型スタジオでも余裕で鳴らせる低域のレスポンス。小さい空間でもラージ・スピーカーの感覚を味わうことができます。初めて聴くと低域が出過ぎて、あれ?と思う方も多いと思いますが、その辺はコントロール機能と設置の仕方でうまく調整すると逆にこの低域が気持ちよくなってきます。特に低域大好きな方にはもってこいです。ちなみに、スピーカーと聴く位置が離し気味の方がバランスがとりやすかったというのを付け加えておきましょう。

▲本体前面に配置されているつまみ類。左からLEVEL、SPACE、Q、FREQ、DEPTH、LF SHELF、HF SHELF、DIM

EVENT

Opal

139,800円/1本
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】

SPECIFICATIONS

■周波数特性/35Hz〜22kHz
■ツィーター/25mm
■ウーファー/203mm
■クロスオーバー周波数/1.6kHz
■アンプ出力/600W(LF)、140W(HF)
■外形寸法/295(W)×450(H)×273(D)mm
■重量/21.2kg(1本)

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