ニアフィールド・モニターRevealのパワード・タイプ

TANNOY Reveal Active

REVIEW by 高原裕介(シンクシンクインテグラル) 2000年3月1日

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スタジオの定番YAMAHA NS-10Mに象徴されるように、”音を作る”という作業において重要なニアフィールド・モニター。この数年だけでも各社から相当数の新製品が発表されていますが、その動向を見ているとパッシブ・タイプよりも、アンプ内蔵型、いわゆるパワード・タイプのものが主流になりつつあるようです。私もこのページで、昨年だけで2機種のパワード・スピーカーをチェックしたのですが、アンプを接続せずに使用できるという音質環境の安定と手軽さにはかなりのメリットを感じました。これからもたくさんの機種が発表されていくであろうパワード・スピーカー、今回はTANNOYのReveal Activeをチェックしてみました。本機は、好評を得ているパッシブ・タイプのRevealにアンプが内蔵された製品です。

フロント・パネルにMDF素材を採用し
不良共振や音の跳ね返りを排除

Reveal Activeの外観は、ブルーのフロント・パネルに、黒のユニット。ウーファーの下中央に電源のオン/オフを確認するブルーのLEDが付いています。ブルーと言ってもかなり深めの落ち着いたものなので、うるささは感じません。非常に落ち着いた印象ですね。このフロント・パネルは不良共震を排除するMDF素材が使われており、音の余分な跳ね返り等を低減するためのカーブがかかっています。外形寸法はNS-10Mと比較すると、幅と高さはほぼ一緒なので正面から見るとほぼ同じサイズに見えますが、奥行が6〜7cmほど長いので思ったよりも場所は取ります。

ユニットはウーファーが6.5インチのポリオレフィン・コーン、ツィーターが1インチのソフト・ドームで、共に防磁型になっています。出力は低域50W、高域50Wのバイアンプ。アンプ内蔵型の場合だと、この辺の接続の手間無しにバイアンプ駆動できるというのも楽ですよね。

リア・パネルには電源スイッチとXLR/TRS(フォーン)のインプットと、電源スイッチのみ。以前、別機種のチェックをした際にも書いたのですが、やはり電源スイッチは側面なり前面なり、手の届く位置に配置してほしいところです。スタジオに据え置きでミキサーの後ろに人が入るスペースの余裕が無い場合は、電源のオン/オフをするときにいちいちスピーカー本体を動かさなければなりませんから。特に本機はベストのリスニング・ポイントがかなりシビアなようなので、この辺は配慮してほしいかな、と思いました。ただ、ユニット部と電源部を近くに配置するのは音質面を考えるとやはり得策とは言えないので”電源スイッチは背面に”というのがセオリーになってしまうのでしょうが、何かしらの工夫があるとうれしいですね。ちょっとぜいたくでしょうか?(笑)。

全体的に落ち着いたサウンドで
気持ち良く聴くことができる

音源を再生してみて、パッと聴きの第一印象は”オーディオ向きのスピーカーだな”ということ。良くも悪くも受け取れてしまう意見だと思うのですが、NS-10M等のコーン紙ユニットに見られるような中域の張り具合がないので、アタック感が強調されて聴こえる固い、痛い感じのクセがまったくないんですね。バランスも良く全体に落ち着いた印象で聴こえ、高域/低域共に気持ち良く聴くことができます。

リファレンスのCDでのチェックだと80〜90Hz辺りの低域の”もわっ”としたところが出気味で、多少こもった音像になりますが、自宅でお酒を飲みながら好きなCDをゆっくりと聴くというような、いわゆるオーディオ目的での使用だと非常に気持ち良く聴くことのできるスピーカーですね。ツィーターとウーファーのつながりも良く、特に気になるようなピークもありません。奥行感などもよく見えて、何度も言うように気持ちの良い音です。しかし、実際にミックス・ダウンなどで音を作るという作業をする場合には”アラ探し”がちょっと辛く、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。ミックス・ダウン前のラフ・ミックスの音源の再生だと、そこが顕著に表れていました。

前述したように低域が多少強調される傾向にあり、音像が丸くなるので、実際に本機だけでモニターしてミックス・ダウンを行なうと、ハイ上がりのかなり派手な仕上がりになってしまうと思います。こういった問題に対応するために、このタイプのスピーカーにはトーン・コントロールやロー・カットなどのディップ・スイッチが付いていたりするのですが、Reveal Activeには採用されていません。音質向上のため回路を少なくしているのだろう、というところにこだわりは感じられますが、個人的な意見を言えばトーン・コントロールは付けてほしかったですね。

それからもう1つ。ゲイン・トリムが無いので、他のアンプとの音量調整ができません。連続可変のトリムが付いているとLRのバランスが微妙に変わってしまうということもありますが、アンプのゲインの量でそのスピーカーにとってのおいしいところが出てきたりなくなったり……というのは他の機種でもよく見られるので、やはりこれも付けてほしかったと思います。ユニット、エンクロージャー部分での鳴りは素晴しいので、逆にそこが残念に感じられました。

新品のスピーカーを聴くときは、当然のようにエージングはされていないのでその分を勘で差し引いて聴くのですが、Reveal Activeの場合はエージング前/エージング後の鳴りはあまり変わらないと思います。それゆえ、スタジオに導入後は即戦力として使えるでしょう。が、先にも書いたように個人差、部屋の差はありますが、本体以外の部分での調整(吸音材、インシュレーター、アンプ前のグラフィックEQなど)は必要になるかもしれませんね。

TANNOY

Reveal Active

140,000円(ペア)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】

SPECIFICATIONS

■キャビネット方式/バスレフ方式
■周波数特性/62Hz〜20kHz±3dB
■最大音圧レベル/114dB
■連続許容入力/50W
■入力インピーダンス/32kΩ平衡
■入力感度/0.775Vrms(0dBu)
■出力/低域用:50Wrms(4Ω)、高域用:50Wrms(4Ω)
■クロスオーバー周波数/3kHz
■外形寸法/210(W)×340(H)×260(D)mm
■重量/8.5kg

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