アナログ・シンセ界の小さな巨人 IK MULTIMEDIA Uno Synthの衝撃② サウンド・メイク編

IK MULTIMEDIA Uno Synthの衝撃 by 林田涼太 2018年9月20日

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◆ページ・リンク
Uno Synthの衝撃① 性能チェック編
Uno Synthの衝撃③ 開発者インタビュー編:エリク・ノーランダー
Uno Synthの衝撃④ アーティスト・インプレッション編:Chihei Hatakeyama、櫻木大吾(D.A.N.)、machìna

 

UNO Synthでサウンド・メイク!

まずは音作りの基本編
アシッドなシンセ・ベースを作る!

あの有名なアシッド・シンセ・ベースを作るなら、オシレーターは1つだけ使うとよいでしょう。WAVE 2の音量=LEVEL 2を0にして、波形は矩形波(パルス幅50%)を選択。FILTERのRESとDRIVEを上げ気味にします。Uno Synthのレゾナンスは発振しませんから、RESは極端に上げてしまっても大丈夫です。DRIVEと組み合わせることで絶妙なオーバー・ドライブ感が出せます。このコンビネーションが何とも良い感じで、Uno Synthの持ち味になっていますね。ENV AMTはプラス方向に少し上げておきますが、エンベロープでローパス・フィルターを動かすときはCUTOFFをセンターより左側、ちょっと閉じ気味にしておくのがコツ。またフィルター・エンベロープのDECAYとCUTOFFの位置が音色のキモになるので、シーケンサーで走らせている間にグリグリいじるとそれっぽくなります。

Tech_1

 

Tech_1B

 

アグレッシブなハイパス・フィルター
トリッキーで目立つリード・シンセ

レゾナンスが効くハイパス・フィルターがとても良いので、どうにかこれを使って面白い音を作れないかと考えてみました。レゾナンスを上げたハイパス・フィルターをかけて、音の太さをCUTOFFで調整。そしてFILTERのENV AMTをマイナス方向に設定します。そして、シーケンサーで16分音符を基本に時々4分音符くらいのレガートが混ざるようなフレーズを、オクターブを変えながら鳴らしてみてください。グライドを入れてもよいでしょう。そうすると、ちょっと長めのレガートで弾いた瞬間に、エンベロープのアタックとディケイに合わせて音色が変化。不思議なフィルターのスウィープ感が出てくるトリッキーなサウンドになります。音色調整のためだけにハイパスが付いているシンセでは実現できない、レゾナンスの効いたアグレッシブなアナログ・フィルターだからこそ出せる音です。TUNE 2を少しデチューンして厚みを出し、ディレイを深めにかけることでより広がりを生み出せるでしょう。

Tech_2

 

HOLD+アルペジエイターで
パーカッシブなノイズを演奏

アルペジエイターは複数の鍵盤を同時に押さえることで、それらの音を順番に決められたテンポで演奏しますが、HOLDを押すことで鍵盤から手を離してもアルペジオが持続します。この機能を使って、あまり調性に関係しないパーカッション的に使える音を作るという試みです。内蔵のホワイト・ノイズに、やや存在感の薄い三角波を控えめに混ぜ、LFOの波形をサンプル&ホールド(SnH)にしてピッチとフィルターを動かします。この状態では音程の違いによる変化があまり起きませんが、エディター・ソフトでKEY-TRACKを使えば、音程によってランダムにフィルターが開閉するようになりました。レゾナンスが音に大きく影響しますが、オシレーターの存在感をより出すことでピッチの変化を楽しむのもアリです。

Tech_3

 

シーケンスのステップごとに
パラメーター値を記憶させる

シーケンサーには通常のノート以外にも、ステップごとにパラメーター数値を記憶できる機能があります。これを使えばフレーズの特定の場所だけグライドしたり、ステップごとにフィルターが開閉したり、チューニングを変えるといったことさえできますので、音色の変化を含めたフレージングの作成に役立ちます。まずステップ・シーケンサー・モードで録音ボタンを押し、シーケンスのパターン作成モードにします。パターンがブランクの場合、左下のボタン1が点灯し、最初のステップの入力待ち状態になります。この状態で任意のノートを指定し、次に記憶させたいパラメーターのノブを動かします。これで中央上部のディスプレイに表示された数値がステップに記憶されました。入力待ちのステップにパラメーター情報が含まれているときは、左下のC♯に相当するボタンのランプが緑色に点灯して知らせてくれるようになっています。ノートをクリアすればパラメーター情報も消えてくれるので、納得できるまでフレーズを考えることが可能です。

Tech_4B
Text:林田涼太

 

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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年10月号より転載

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