ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「リアリティ・エンハンサー」

ACOUSTIC REVIVE連載 by Chester Beatty、REMO-CON、檜谷瞬六 撮影:川村容一 2020年3月18日

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回は機材の空き端子(音声入出力)に装着することで、音質の改善を実現するというリアリティ・エンハンサーをクロス・レビューする。

第25回「リアリティ・エンハンサー」

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

リアリティ・エンハンサーは、入力端子用ショート・ピン・タイプのRES-RCAとRES-XLR、出力端子用ターミネーター・タイプのRET-RCAとRET-XLRをラインナップしています。ショート・ピン・タイプは外来ノイズの入力端子への混入を防止し、ターミネーター・タイプは機材内部回路の安定化をもたらします。

通常のショート・ピンやターミネーターと別次元の効果をもたらす理由は、その構造にあります。ボディはA2017S航空グレード・アルミ合金と、黄銅を削り出した異種金属同士の組み合わせによる制振構造。さらに天然水晶のレゾネーターを追加し、強力な制振効果を機材の端子板にもたらします。内部配線には、超電導に迫る導通率105%を実現した銀と銅のハイブリッド鍛(たん)造導体PC-TripleC/EXを備えることで、機材の内部配線の一部がPC-TripleC/EX化する形になり、機材自体の質が劇的に向上。

そのほか天然鉱石のブレンドや天然シルクなど、ACOUSTIC REVIVEの高音質化のためのノウハウがすべて詰め込まれています。アナログ端子/デジタル端子を問わず有効で、すべての空き端子に装着せずとも1個(アナログの場合は1組)取り付けるだけで絶大な効果を発揮します。

<Price>
●入力端子用ショート・ピン・タイプ
RES-RCA:38,000円/1個(写真左下)
RES-XLR:48,000円/1個(写真左上)
●出力端子用ターミネーター・タイプ
RET-RCA:38,000円/1個(写真右下)
RET-XLR:48,000円/1個(写真右上)

 

Cross Review

Engineer/Producer
Chester Beatty
CB

<Profile>テクノ・レーベルTRESORなどから自作を発表。現在はソニーなどの広告音楽を制作するラダ・プロダクションを共同経営し、JAREC理事のエンジニアとしても活躍。

ノイズ・チェッカーにも効果が現れ
中域の情報量や解像度が向上

ノイズ除去って、とっても面倒くさいですよね。特にノイズの発生源になっている機器を見付け出し、個別に対策しようものならお金と手間ばかりかかります。今回検証したリアリティ・エンハンサーには、そんな煩わしさは一切無し。オーディオI/Oの空いたS/P DIF端子(コアキシャル)やAES/EBU端子(XLR)に差すと、パッと天井が開けたような、開放感のある音像へと変わります。

もちろんアナログ機器にも有効です。残留ノイズがほとんど無いAMEK System 9098 EQを使い、モデムやルーター用のコンセントから電源を供給して、あえてノイズを帯びさせながら検証してみました。マイクで収音している際、空いているライン・インにリアリティ・エンハンサーを差すと、高域の角がとれて中域の情報量が増加。同時にEMIノイズ・チェッカーでノイズ量を計測すると、ノイズ量が明らかに減少しています。API 512Cでも試してみたところ、同様の結果となりました。もしマイクプリに使うなら、ハイハットやギター、女性ボーカルがお勧めです。

現代のスタジオはスマートフォンやパソコン、ルーターなど、驚くほどノイズを放出するものに囲まれています。本当は機材ごとに徹底した対策を施したいところですが、がっちり手間ひまがかかります。対してリアリティ・エンハンサーは空き端子に差すだけなので、お手軽にノイズ対策が可能。また、ノイズ対策は既に終わっているという方も、リアリティ・エンハンサーの導入で音の解像度を上げることができます。特にデジタル端子の場合は出力、アナログ端子だと入力に使うのが最適だと思います

 

 

DJ/Producer
REMO-CON
R

<Profile>自身のrtraxからの作品がBeatport総合チャート2位をマークしたり、iTunesダンス・チャート首位を獲得。System Fや浜崎あゆみらのリミックスなども手掛ける。

押さえつけられた感じが無くなり
アタックや定位が見えやすく

今回は、PIONEER DJのDJ機器でテストしてみました。DJM-750(ミキサー)のRCAピン出力とXLR入力の計2カ所に差し、CDJ-900NXSでCDやWAVファイルを再生。まず感じたのは、ダイナミック・レンジが広くなり、各楽器の音量の大小が把握しやすくなったこと。そして、今まで気付かないでいたリミッティングのような押さえつけ感が取り除かれたように聴こえました。故にアタック感が鋭くなり、トランジェント特性が向上したように思えます。

また、定位もよりはっきりと、立体的にとらえられるようになった印象。僕が得意とするエレクトロニック・ミュージック特有の左右に動き回るような音は、まるで眼前に飛び出してきた生き物のように感じられました。

さらに、生演奏のみの曲で試してみると、アコギなどは高域が細かい部分まで際立って聴こえ、引き締まったような感じ。計2カ所での使用ですが1つだけでも効果を感じましたし、製品の組み合わせなどによっても若干変わりそうなので、機会があればいろいろ探ってみたいと思います。

 

 

Engineer
檜谷瞬六
H

<Profile>prime sound studio form、studio MSRを経て、現在はフリーランスで活動するエンジニア。ジャズを中心にアコースティック録音の名手として知られる。

モニターへのメリットが顕著で
音のにじみが減り焦点が定まる

ミックス用システムの中でメインのオーディオI/O、2chのAD/DAコンバーター、サミング・ミキサーなどに使用。録音される音よりもモニターの方に好ましい変化が現れました。特にヘッドフォン・アンプのスルー・アウトなどにははっきりとした変化が。繊細な変化ですが、確かに音のにじみが少なくなり、音像の焦点がより定まる感じです。奥行きも感じられるようになるので、音の配置や音量での繊細なバランス調整、コンプなどでの音の前後位置の変化などについて、判断がしやすくなるように感じました。

ジャズやクラシックなど生音の音楽では、EQやコンプなどの“調味料”をいかに使わず、素材を生かすかが問われるので、微妙な変化や正しいバランスが感じ取れるモニター環境が非常に重要。外来ノイズはそうした明りょうさを奪ってしまうので、結果的に正解のバランスを見失って音を過剰に処理してしまうというケースはありがちです。もちろん対策はしてきていますが、今回、空き端子へのノイズ対策という考え方も非常に有効であると感じました

 

 

 

<製品概要>
リアリティ・エンハンサー
(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2020年4月号からの転載となります)

 

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