ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「ショート・ピン&ターミネーター」

ACOUSTIC REVIVE連載 by DJ HIRAGURI、DJ Watarai、SUGIURUMN 撮影:川村容一 2019年10月31日

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今月は、機器の空き端子からノイズが侵入するのを防ぐショート・ピン(RCAピンもしくはXLRの入力端子用)とUSB/LAN端子用のターミネーターをピックアップ。第一線で活躍する3名のDJにチェックしていただいた。

第16回「ショート・ピン&ターミネーター」

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

DJミキサーやCDターンテーブルの空き入力端子は外来ノイズの侵入源となっており、侵入したノイズは内部回路に悪影響を与え、SN比の悪化やひずみの増大など著しく音質を劣化させます。ですが、RCAピン用のショート・ピンSIP-8QとXLR用のBSIP-2Qを空き入力端子に装着することで外来ノイズの侵入が無くなり、SN比やひずみ率を大きく向上させることが可能に。またこれらは2017S航空グレード・アルミ合金+黄銅+天然スモーキー・クォーツの3種類の異種素材を組み合わせた制振構造のため、端子板や基盤の制振効果による音質向上効果も発揮します。単一素材の一般的なショート・ピンは共振を起こすため、付帯音や雑味が増えるなど逆効果になることがありますので注意が必要です。

最近はパソコンだけでなく、DJミキサーやCDターンテーブル、エレピなどの電子楽器にUSBやLANの端子を搭載した機種が増えています。これらの端子も外来ノイズの侵入源となる上、内部のUSB/LAN回路からノイズが放出され大きく音質を劣化させます。USBターミネーターRUT-1LANターミネーターRLT-1は、ノイズ侵入を防ぎつつUSB/LAN回路からのノイズ放出を抑え、2017S航空グレード・アルミ合金削り出しボディや天然スモーキー・クォーツによる制振効果もあり絶大な音質向上効果を発揮します。

 

<Price>
●SIP-8Q(RCAピン入力端子用ショート・ピン/写真左上):15,800円(8個1組)
●BSIP-2Q(XLR入力端子用ショート・ピン)/写真右上):10,800円(2個1組)
●RLT-1(LANターミネーター/写真左下):18,000円
●RUT-1(USBターミネーター/写真右下):18,000円

 

Cross Review

DJ/Remixer
DJ HIRAGURI
HGSA

<Profile>プロとしてのDJ歴30年。ハウスやダンス・クラシックスを得意とする。KSR、EMI、ユニバーサルからミックスCDをリリースするほか、リミックスなども手掛ける。

アナログ領域のノイズが軽減され
低域が前に出て音量もアップ

ACOUSTIC REVIVEのショート・ピンとターミネーターは、少し前にその存在を知り興味津々でした。今回はDJミキサーにショート・ピンを装着し、ターミネーター類を付けたパソコンにオーディオI/O経由でレコードの音を録るなどしてチェック。結論から言いますと、現在の楽曲制作環境とDJプレイをワンランク上に押し上げてくれる、とても優れたアイテムです。デジタル領域でとてつもない威力を発揮したのは言うまでもありませんが、特に驚いたのがA/Dにおける効果。アナログ領域のノイズが軽減されることで空間にかなりの余裕が生まれたのか、低域の音圧が前面に出て、音量が上がりました。また、全体の輪郭がよりシャープになった印象もあります。

長年DJとして“いかにして良い音で音楽を再生するか”を命題に、DJミキサーやケーブル、レコード針にこだわってきましたが、今日のDJにとってはパソコンも必要不可欠な存在。それを安定動作させるということが、どれだけ音質向上につながるかということを強く実感しました。

 

 

DJ/Producer
DJ Watarai
WTRISA

<Profile>1990年代より国内ヒップホップ・シーンで活躍するDJ/プロデューサー。MuroやNitro Microphone Underground、MISIA、AIらにトラックを提供してきた。

低域から高域まで伸びやかになり
音圧が上がるように感じる

RCAピンとXLRの入力端子用ショート・ピンをSTAXのドライバー・ユニット(ヘッドフォン・アンプ)、SRM-007TAに装着して試しました。ヘッドフォンはSTAX SR-507です。最初に感じたのは、全体的に音の粒が細かくなり、低域から高域までとても伸びやかになったこと。STAXのヘッドフォンは静電型のオープン・エアなので基本的にきめ細かく、とてもフラットなバランスが特徴です。それがさらにきめ細かな音質になったことで、モニター・ヘッドフォンとしての性能がさらにアップした印象を受けました。

次に、DJで使っているAPPLE MacBook AirにUSBターミネーターを装着し、DJ用コントローラーVESTAX VCI-380でプレイした内容を録音。装着前に録ったものと聴き比べてみたところ、STAXのときと同様に解像度が上がり、低域から高域までとても伸びやかになりました。さらにVCI-380にRCAピンとXLRのショート・ピンを装着したところ、さらに解像度が上がり、全体的に音圧も上がったように感じました

 

 

DJ/Producer
SUGIURUMN
S

<Profile>これまでに8枚のアルバムを発表し、シングルも世界各国のレーベルよりリリース。BASS WORKS RECORDINGSを主宰しつつ、国内外でDJ活動を展開する。

UREI 1620特有の音質を保ちつつ
全体的に音が引き締まる印象

空き端子からノイズが混入するだって? そんなことあるわけないじゃない。と、私は思っていました。オカルティックな製品なんじゃないの〜?と、私は思っていたのです。実際に、機材の穴という穴を埋め尽くすまでは……。

まずは、UREI 1620(ミキサー)+DOPE REAL 3300(アイソレーター)+TECHNICS SL-1200MK4(ターンテーブル)から成るアナログDJセットで試してみました。モニターはMUSIKELECTRONIC GEITHAIN RL904で、試聴したのはこれまで死ぬほど聴いたX-PRESS 2「MUZIKIZUM(PART ONE)」です。1620背面のRCAピン入出力計30個、XLR入力1個、3300のRCAピン入力2個にショート・ピンをぶっ挿し1620のマスターを上げていくと……え! マジで良いんですけど! 無音部分でも気付くほど、大幅にノイズが減りました。また高域にかなりの伸びが出て、低域はぐっと締まった感じです。音にうるさい友人のギタリストにも立ち会ってもらったところ、私と同意見でした。1620特有の丸みのある質感はそのままに、全体的に引き締まった感じがします。初めて電源機器をグレード・アップさせたときのような感覚を覚えました

次にDJシステムでテスト。NATIVE INSTRUMENTS Traktor Kontrol S4 MK2のRCAピン入出力計6個を埋めました。これも変わりましたね。低域が顕著で、先と同様に引き締まって聴こえました。PIONEER DJ DJM-900NXSなどでも試してみたい。このショート・ピン、スタジオ用のオーディオI/Oにも有効なのではないでしょうか。余裕がある人には、ぜひともお薦めしたいです。

 

<製品概要>
ACOUSTIC REVIVE ショート・ピン(RCAピン/XLR用)
ACOUSTIC REVIVE USBターミネーター
ACOUSTIC REVIVE LANターミネーター

 

(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2019年11月号からの転載となります)

 

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