ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「USBケーブル」

ACOUSTIC REVIVE連載 by 山中剛、渡辺修一 撮影:川村容一 2019年9月30日

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今回クロス・レビューするのは、電源線と信号線を分けることにより、伝送劣化を劇的に低減するというUSBケーブルだ。

第14回「USBケーブル」

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

USBケーブルは1本のケーブルの中に信号線と電源線が混在しており、互いの干渉による伝送劣化が避けられません。ACOUSTIC REVIVEのUSBケーブルは、信号線と電源線を完全に分離した実用新案特許の構造により、伝送劣化をほぼ完全に無くすことに成功しました。

しかしデジタル伝送で、なぜ音質劣化が起こるのか? それは、デジタル信号といってもあくまで電気伝送であり、USBケーブルのように電源線から発生するノイズが信号ラインに乗ったり、シールド特性の甘いデジタル・ケーブルを使ったりすれば、外来ノイズがケーブルに飛び込み信号と一緒にオーディオI/Oなどへと運ばれ、ノイズが運ばれた先の機器の回路に悪影響を及ぼしてしまうからです。

ACOUSTIC REVIVEのUSBケーブルは、ケーブル自体も鍛造製法による世界初の音響専用導体PC-TripleC単線導体や比誘電率に優れたテフロン絶縁、静電気の発生を防ぐ天然シルク緩衝材、外来ノイズを強力に防ぐ銅箔シールド、制振特性に優れた航空グレード・アルミ合金削り出しUSB端子など、徹底した音質向上対策を施しています。またUSB Type A端子を2個使った製品は、電源と信号の分離を端子部分から徹底し、さらなる音質向上が可能です。

 

<Price>
●USB-1.0PL-TripleC(通常仕様):48,000円/1m
●USB-1.0SP-TripleC(USB Type A端子2個仕様/写真):58,000円/1m
※長さの特注可能(1mごとに+15,000円)
●R-AU1-PL(通常仕様):18,000円/1m
●R-AU1-SP(USB Type A端子2個仕様):22,000円/1m
※長さの特注可能(1mごとに+5,000円)
●USB-Tres:58,000円/1m
※長さの特注可能(50cmごとに+28,000円)
※USB-Tresは正式なUSB 3.0端子搭載の機器同士の場合のみリンクします。

 

Cross Review

Synth Operator/Composer/Engineer
山中剛
YAMA

<Profile>井上鑑の薫陶を受けシンセ・オペレーターとして活躍。三宅純、PAELLASらの音源制作、国内外のCMや映画の劇伴に作編曲家/エンジニアとしても多数参加。

中高域が豊かになり位相も正確に
スピード感や奥行きも向上

今回はAUDIENT ID14とSTEINBERG UR242、IK MULTIMEDIA Axe I/Oという3台のオーディオ・インターフェースを使ってチェックしました。各モデルに付属するUSBケーブルと比較してみたところ、ある程度の音質の変化は予想していましたが、その予想を上回る音質の向上に正直びっくりしました

モデルごとに変化の具合は多少違いますが、共通した特徴として高域と低域の両方向に周波数レンジが広がり、特に中高域の情報量が増した感じがします。位相もより正確になったようで、全体的に音像が明りょうになって前に出てきます。

音質変化がさらに顕著に現れたのが、USB端子からバス・パワー駆動させた場合です。今回チェックしたUSBケーブルは、信号ラインと電源ラインを完全に分離させ、それぞれに別個のUSB Type A端子を付けたUSB-1.0SP-TripleCという製品。そのため、USBと電源の2本のケーブルを変えるのと同等の効果があったようで、音のスピード感や奥行きに、ケーブルを変えただけとは思えないほどの違いが出ました。

また、興味深かったのが、エレキギター用のエフェクト・システムの中で使用したケースです。エフェクト・システムの中にUSB-1.0SP-TripleCを使ったAxe I/Oをルーティングし、入出力レベルとインピーダンスをマッチさせた上で、 DAW上のプラグイン・エフェクトをストンプ・ボックスと同じようにシリーズ接続して使ってみました。パッシブのシングル・コイル・ギターを使い、真空管アンプをクリーンとクランチの間くらいの設定にしてソフトウェア・モニタリングで確認したところ、今までで一番タッチの強弱による音色変化など、プレイの細かいニュアンスが損なわれないと感じられました

立体的で心地良い音を提供してくれる音楽リスニング用としても、ディテールを明りょうにしてシビアな判断をするモニター用としても、両方の要求に矛盾することなく使用できるケーブルだと思います。

 

 

Recording/Mixing Engineer
渡辺修一
WTANB

<Profile>フリーのエンジニア。矢井田瞳やももいろクローバーZ、GARNiDELiA、清竜人、たむらぱん、長澤知之、Syrup16gらの作品の録音やミックスを手掛けてきた。

低域や奥行きがよく見え音像が拡大
音量が大きくなるような感覚

ハイファイをうたうケーブルと言えば、少しハイ上がりで音が硬くなってしまうイメージが強かったのですが、USB-1.0SP-TripleCを実際に使ってみると、そのイメージとは全然違う結果が得られました。筆者は、音響機器に付属しているものではない単体発売のUSBケーブルを使ったことがあり、その際に付属ケーブルからあまり変化が無かったので、今回もそこまで変わらないだろうとたかをくくっていました。が、その先入観が払拭されましたね。

チェックはANTELOPE AUDIOやRME、GRACE DESIGNのオーディオ・インターフェースを使って行いました。総合的なインプレッションから言うと、3機種共に同じ印象の変化が得られ、付属のケーブルから替えた瞬間に音量が上がったのではないかと思うようなパワー感を覚えました。特に低域の印象が良いです。単に低いところが出ているだけではなく、どういうふうに鳴っているのかがきちんと見える。中高域もリバーブなどがよく聴こえるので、空間の細かいところまでコントロールできますね。

全体的に音の輪郭がハッキリとする感じで、奥行きなどもよく見え、音像が大きくなるように感じました。最初に音量が大きくなったように思ったのは、こうした音の変化によるものでしょう。全体のバランスやニュアンスなどを変えずに良くなるのが好印象です

ちなみに、GRACE DESIGNのインターフェースだけは端子形状が合わなかったので、手持ちの変換アダプターを使ってチェックしたのですが、それでも問題なし。さらに、コンピューターのUSB Type C端子にA端子への変換アダプターを付けて試してみても、音の変化への印象は変わりませんでした。とは言え、変換アダプターを使わずに直接つなぐ方が良いとは思います。

録り音の音質そのものへの変化は感じられませんでしたが、レコーディング時のモニター音が良くなるので、音を決める際の判断がやりやすくなり、結果が良くなります。ケーブルが単線で、少し硬めなのですが、気になったのはそこくらいですね。

 

 

<製品概要>
ACOUSTIC REVIVE USBケーブル

 

(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2019年10月号からの転載となります)

 

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