クボナオキ 後編〜GENELEC The Ones Load Test

GENELEC The Ones Load Test by サウンド&レコーディング・マガジン編集部 撮影:小原啓樹(*を除く) 2020年2月27日

kuboBmain

 40年の歴史を誇るGENELECは、2006年にリスニング環境の問題を補正する技術、SAM(Smart Active Monitoring)を提唱した。そのSAMを内蔵したモデルでも特に人気なのは、同軸構造による点音源を実現した3ウェイ・スピーカーのThe Onesシリーズだ。この連載では、The Onesを関心のあるクリエイターに一定期間預け、その実力を試してもらう。前回、SILENT SIRENや26時のマスカレイドなどの楽曲を手掛けるプロデューサー、クボナオキの新スタジオに8341Aを預けてから1カ月。果たしてクボはどのように8341Aと向き合ったのだろうか?

作曲段階の0を1にするタイミングから
8341Aの音像で聴けるのは大きいですね

 

今回のテスト・モデル

8341A
オープン・プライス
(ダーク・グレー:市場予想価格393,000円前後/1基、ブラック/ホワイト:市場予想価格415,000円前後/1基)
8341ap-k03
同軸ツィーター+ミッドレンジ・ドライバーに、2基の楕円形ウーファーを加えた3ウェイ・ポイントソース構成のThe Onesシリーズの人気モデル。38 Hz〜37kHz(−6dB)というサイズを超えたワイド・レンジと最大音圧110dBのパワフルさで、クリエイターからエンジニアまで人気を得ている。
 
 

立体感ある出音にアコースティックが映える

 1カ月間、8341Aと向き合ったクボ。取材班が感想を求めると、開口一番「楽しかったです。貴重な経験をいただけて」との声が。前回、自分の好みのEQ設定にできる点について言及してくれたクボだが、この8341Aに関してはGLMの自動補正の状態のまま使用していたという。

 「チューニングの研究をしていこうと思ったんですけど、最初にGLMが出した調整でOKでしたし、それよりもひたすら曲を作るのが楽しかったんです

 ちょうど8341Aの試用期間に、作曲の案件がたくさんあったというクボ。8341Aでモニタリングすることで、作る曲にも変化が出てきたと語る。

 「僕はもともとテンポの速い、勢いのある尖ったタイプの曲が多かった。自分にとって気持ちの良いところが、モニターを含めてそこにあったと思うんです。でもこの1カ月、スローな曲やアコースティックなアレンジが増えました。8341Aの立体感がある出音だとそういうアレンジが映えてくるんですよね。上下に広げられるような、ゆったりとしたテンポの曲も作りたくなった。関係者も“こういう感じの曲ができたんだ!”と好感触ですし、僕自身、音楽の作り方を見直す機会になりました」

良い機材は曲作りの根本と演奏を変える

 プロデューサーとして10年のキャリアを持つクボは、もちろん良いモニター環境で作業することの重要性を経験的に知っている。とはいえ、自身のスタジオでそうしたモニター環境が実現できていることは、また違った意味を持つと語る。

 「作曲段階の0を1にするタイミングから8341Aの音像で聴けるのは大きいです。これまでは、ここで作ったものを外のスタジオで完全な状態へ持っていく作業をしてきた。でも最初の段階から納得できる音で聴けることで、根本的に曲作りが変わったことを感じます。良い楽器に触発されるのと同じように、8341Aでモニターすることで良いフレーズが生まれるということはあると思いました

 作曲だけでなく、演奏にも良い効果があったとクボは付け加える。

 「盛り上がって、立ってギターを弾いたりしましたね。ライブをしているような感覚で、録ったフレーズもノッていることが多いんじゃないかなと。曲作りの根本と演奏が変わります。良い機材って大事だなとあらためて思いました。メロディや作詞に関しては個々のセンスですが、先輩方がおっしゃるように良い音は良い機材から出る。8341Aとキャッチボールできているような感覚が楽しかったです」

 

クボナオキ

KuboPortraitGenelec SILENT SIRENの全楽曲のサウンド・プロデュースおよび作編曲を担当するほか、小倉唯、石原夏織、Poppin’ Party、26時のマスカレイド、私立恵比寿中学などへの楽曲提供も行う。昨今では映画の劇伴、舞台の音楽監督、ライブ演出なども幅広く手掛けている

 

■GENELEC製品に関する問合せ:ジェネレックジャパン www.genelec.jp

 

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