TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによるPro Tools 12.5クラウド・コラボレーション・デモ動画を公開! @AVIDクリエイティブ・サミット2016

レポート by 市原 泰介(サウンド&レコーディング・マガジン編集部) 2016年6月16日

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AVIDはこの5月に2回にわたって大規模なイベントを開催した。一つは5月13日開催の“AVIDライブ・サウンド・サミット2016”。これはライブ・コンソールVenue|S6Lを中心としたイベントで、既にサンレコWebでレポート済みである(こちらをクリック)。そして、もう一つが5月26日、27日に開催された“AVIDクリエイティブ・サミット2016”だ。こちらはクリエーター向けのイベントで、26日はMA向けのセミナー、27日はミュージック・クリエーター向けのセミナーが行われた。ここでは27日に行われた“AVIDクラウド・コラボレーション・セミナーを中心にレポートをしていく。

魅力的なセミナーと展示コーナーで
Pro Tools環境の最先端を体感

会場となったのは東京・青山Future SEVEN。メイン会場でのセミナーは、12時の開演時点で早くもほとんどの席が埋まっており、イベントに対する関心の高さをうかがえた。第1部は “Pro Tools 12.5ミュージック・クリエイション・セミナー“と題し、RME、SOFTUBE、IZOTOPE、WAVES、NATIVE INSTRUMENTS、SLATE DIGITAL、PLUGIN ALLIANCEの製品の活用方法についてのプレゼンテーションが行われた。また、ロビーにはAVIDコネクティビティ・パートナーによる展示コーナーを設置。AVID製品のハンズオンほか、協賛メーカーがオーディオ・I/Oやプラグインなど多くの最新製品を展示しており、セミナーの合間に自由に立ち寄ることができた。

セミナー

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▲シンタックスジャパンのセミナーではRMEのマックス・ホルトマン氏をゲストに、20周年を迎えた同社の新製品4機種が紹介された

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▲タックシステムによるIZOTOPEのDJ向きクリエイティブ・ツールのデモ。DJ/アーティスト・No MilkがBreakTweaker、Stutter Editに加え、Vocalsynthを紹介

▲メディア・インテグレーションによるWAVESセミナー。レコーディング・エンジニア飛澤 正人がH-Seriesを使用したミックスの基本を伝授

▲NATIVE INSTRUMENTSセミナー。Sleepfreaks大鶴暢彦氏が、AAX非対応ソフト音源をKomplete Kontrolソフトウェア経由で立ち上げ、Pro Toolsで使用するデモを展開

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▲M.I.D.によるミキシング・テクニック・セミナー。講師に杉山勇司氏を迎えPLUGIN ALLIANCEプラグイン等を活用したテクニックが披露された

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▲セミナーが終了するごとに各メーカーの豪華賞品がもらえるプレゼント抽選会が設けられた

 

展示ブース

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▲AVIDブース。AVID Pro Tools用フィジカル・コントローラーPro Tools|Dock。iPadアプリPro Tools Control を組み合わせて使用する。EuCon対応のDAWでも使用可能

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▲M.I.D.ブース。PLUGIN ALLIANCE、SLATE DIGITAL、YELLOW MATTER ENTERTAINMENT、WAVEMACHINE LABSなどのプラグイン・エフェクトを中心とした展示。

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▲タックシステム・ブース。IZOTOPEやEVENTIDEプラグインのほか、Pro Toolsシステムに対応するモニター・コントローラーVMC-102なども見られた

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▲エムアイセブンジャパン・ブースにはSOFTUBE Console 1やModular、さらにRMEのオーディオI/Oが展示

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▲ハイ・リゾリューション・ブースではFOCUSRITE Red 4Preを中心としたPro Tools – Danteシステムが出展されていた

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▲FORMULA AUDIOブース。AUDIO EASEのコンボリュージョン・リバーブAltiverb 7とスピーカー・シミュレーション・プラグインSpeakerphone 2などをデモ

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▲メディア・インテグレーション・ブースではMCDSP / SONNOX / WAVES /NUGEN AUDIOなどのプラグインを中心に出展

 

業界の期待が高まるAVIDクラウド・コラボレーション

夕方からスタートした第2部では、待望のPro Tools 12.5クラウド・コラボレーションが話題の中心に。今までの共同作業はDropboxなどのファイル共有サービスを使用したり、USBメモリーなど物理的なメディアを使用してファイルを共有するというスタイルが一般的であった。しかしPro Tools 12.5に実装されたクラウド・コラボレーションは、そういったファイルを単位ごとに送るやり方ではなく、“楽曲のプロジェクトそのものをクラウド上で共有し、必要に応じてトラック単位でシェアできるところが大きな特長だ。

▲Pro Tools 12.5クラウド・コラボレーションのプロジェクト構造

▲Pro Tools 12.5クラウド・コラボレーションのプロジェクト構造

AVIDではここ約1年間、ソフト・シンセやエフェクトを使用したトラックを一時的にオーディオ化できるフリーズ機能や、それらをオーディオ化して別トラックにインポートするコミット機能をPro Toolsに実装してきた。これらはすでに他のDAWソフトには一般的に実装されていたものだが、Pro Toolsではこのクラウド・コラボレーションを見据えて作られていた。なぜなら、これらの機能を使用することで、コラボレートする相手が同じプラグイン・インストゥルメント/エフェクトを持っていない場合であってもプロジェクトの互換性を維持することができるからである。

トラック・フリーズ/コミット機能についての解説

トラック・フリーズ/コミット機能についての解説

AVIDクラウド・コラボレーションは、プロジェクト・オーナーに加え、同時に2名のコラボレ—ターがクラウド上で楽曲制作が可能で、コラボレ—ターの入れ替えは自由。Pro Tools 12.5ユーザーであれば、誰でも無料で合計500 MBのストレージが使用でき、最大3プロジェクトをクラウド上に保存することができる。なお、プロジェクトとクラウド容量の追加は有料となり、5プロジェクト/20 GBのストレージで月額1,200円、10プロジェクト/60GBのストレージで月額3,100円。この料金はプロジェクト・オーナーにだけが負担し、コラボレ—ターは費用がかからない。

クラウド・ストレージには信頼性の高いAmazon S3を使用。これとAVIDメディア・セントラル・プラットホームを組み合わせ強固で安全なクラウド環境を実現しているという。なお、ストレージに保存されるデータはロスレス圧縮され約70%も容量を制約できるそうだ。

 

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDによる
Pro Tools 12.5クラウド・コラボレーション実演

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写真左より音楽制作プロデューサー佐藤純之介氏、TECHNO BOYS PULCRAFT GREEN-FUND(松井洋平、石川智久、フジムラトヲル)、モデレーターのサウンド&レコーディング・マガジン編集人・國崎晋

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(以降TECHNOBOYS)は、サンレコなどが3月に開催したハイレゾリューション・フェスティバルにて、ライブ・コンソールAVID|S6Lを使った24ビット/96kHzのハイレゾ・ライブ・レコーディングの公開イベントを開催した。5月13日のAVIDライブ・サウンド・サミットでは、そのライブ・レコーディングの振り返るパネル・ディスカッションにも登壇している。今回もサウンド&レコーディング・マガジン編集人・國崎晋がモデレーターとして加わり、AVIDクラウド・コラボレーションの実演を行うことになった。TECHNOBOYSと佐藤氏は次のような設定で会場内の別々の場所に別れてセッティングした。

佐藤氏&石川
ステージ上をPro Tools|HDXを使用した佐藤氏のプライベート・スタジオとし、石川がシンセや電子ドラムをレコーディングをするという設定。

フジムラ
海外に出張中という設定で、別室から佐藤氏のプロジェクトに参加。ベースのレコーディングやリズム・パターンの編集などを行う。

松井
MacBook Proを外に持ち出し、Wi-Fi環境がある場所でどこでも作業ができる状態。サウンド・ライブラリーからリズムやSEなどを加える役割。

コラボのベースとなるのは楽曲はTECHNOBOYS代表曲「Visible Invisible」。今回特別に用意されたベーシックなトラックのプロジェクトに、TECHNOBOYSの面々がAVIDクラウド・コラボレーションで、新しいトラックを次々追加。ゴージャスなサウンドに仕上げていった。また、途中、アーティスト・チャット・ウィンドウでコミュニケーションを取り、そのメンバー同士のやりとりに会場が笑いに包まれる場面もあった。

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TECHNOBOYSが次々と追加したトラックにプラグインやEQ、フェーダ—を使用し佐藤氏がきれいにまとめていく。たまにメンバーが追加したトラックにダメ出しをし、会場を笑わせた

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コラボレ—ターが共有トラックをアップすると、“トラックのダウンロード・アイコン”が緑色に点灯する。クリックするとダウンロードが可能

 

プロジェクト・オーナーとなりミックスやオペレーションを担当する佐藤氏

 

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SEQUENTIAL Prophet-5やULT SOUND DS-4でパッドやシンセ・ドラムを追加する石川

 

fujimura

フジムラは別室でPro Tools|Duetを使い、、シンセ・ベース・パートをエレキ・ベース音へ差し替えたりリズム・パターンを追加したりした

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客席に座り、サウンド・ライブラリーを音を加工してグリッチ・ノイズのフレーズを作成する松井。APPLE MacBook Proを使って音の加工や編集も担当した

今回のデモをほぼノーカットにて映像収録したものが下記である。とても濃くユーモアあふれる内容となっているのでぜひご覧いただき、AVIDクラウド・コラボレーションの魅力について実感してもらえれば幸いだ。

 

TECHNOBOYSは以前からファイル・サーバーを使ったファイルのやりとりで音楽制作を行ってきたが、フジムラは“AVIDクラウド・コラボレーションを使えば、トラック単位で共有できるので明らかに作業がスピードアップしたなと体感できる”とコメント。また、佐藤氏は最後に”今回のセミナーではリアルタイムで同時に作業を行ったが、全員が同じ時間を共有する必要はない。それぞれの都合にあわせて完成に向かえるということはクリエイティブかなと思います”と語っていた。

 

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