【スタジオ・モニターYAMAHA HSシリーズ】エンジニア・レビュー第1回 杉山勇司

YAMAHA HSエンジニア・レビュー by サウンド&レコーディング・マガジン編集部/撮影 :八島崇 2017年3月30日

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NS-10Mから続くYAMAHAの伝統を受け継ぎ
さらに深化したパワード・スピーカー・シリーズ

“精確性”という設計理念を受け継ぎ製作しているYAMAHAのスタジオ・モニター。その中でもHSシリーズは、5インチのHS5、6.5インチのHS7、8インチのHS8、8インチのサブウーファーHS8Sというラインナップで展開中。今回から4回にわたり、第一線で活躍するエンジニアに登場いただき、その使用レポートをお届けしていく。1回目は、エンジニア/プロデューサーとして数多くのアーティストを手掛ける杉山勇司氏にHS7を試してもらった。杉山氏の感じたHSシリーズの印象とは……。
(本稿はサウンド&レコーディング・マガジン2013年8月号の記事に加筆・修正を加えたものです)

レコーディング現場に即対応

HS7は、高域に1インチのドーム・ツィーター、低域に6.5インチ・ウーファーを採用した2ウェイ・バスレフ・タイプのパワード・モニター。トータル95W出力のパワー・アンプを搭載しており、再生周波数帯域も43Hz〜30kHzと幅広い。HSシリーズのスピーカー・ユニットは新開発となっており、ドーム・ツィーターは音の立ち上がりがよく高域の再生可能周波数をさらに広げ、ウーファーは大型マグネットを採用し優れたレスポンスを実現している。さらに各モデルに最適化されたバイアンプ方式のパワー・アンプ部も搭載。今回杉山氏は、HS7をレコーディング・セッションのスタジオに持ち込み使用したということで、その第一印象について聞いてみた。

杉山: 僕は普段MSP5 StudioMSP7 Studioをメインに使っています。この組み合わせでとても満足しているのですが、やはりHSシリーズは気になっていました。NS-10Mを思わせる白いウーファーという見た目も気になりますしね。今回タイミング良く、スタジオでのレコーディングの際にHS7を試すことができました。まず最初に、その筐体の軽さからは想像できない、しっかりとした音に驚きました。上下共にフラットに伸び、パワー感も十分です。MSPシリーズより少しミッドレンジが張り出してくる感触があります。ボーカル・ダビングの際に、よりジャッジがしやすい印象でした。説得力のある音を、コントロール・ルーム全体に届けることができました。HS7の音は僕の後ろで聴いている制作スタッフにとても好評でしたよ。ドラムのダビングの際にも、ローエンドがしっかり判断でき、全体の音量を上げても濁ったりせず迫力ある音で再生してくれました。特にトップ・マイクのレベルを追い込みやすかったです。このスピーカーが大音量でもひずみ感が少ないおかげだと思います。同じくディストーション・ギターのダビングも、録りの段階でどこまでハイを上げるかなどの判断がしやすかったです。

 

▲リア・パネルのバスレフ用ダクトの右に、上からボリューム・ノブ、ライン入力(XLR、TRSフォーン)、ROOM CONTROLスイッチ、HIGH TRIMスイッチを備える

▲リア・パネルのバスレフ用ダクトの右に、上からボリューム・ノブ、ライン入力(XLR、TRSフォーン)、ROOM CONTROLスイッチ、HIGH TRIMスイッチを備える

すべての操作に付いてくる印象

杉山氏に、本機をミキシングのモニターとして使うことに関して聞いてみると、次のように答えてくれた。

杉山: 今回のセッションでは、HS7を使ってラフ・ミックスまでやってみました。先ほど話したミッドレンジのレスポンスだけでなく、ローエンド、ハイエンド共にレベルの変化をしっかりと表現してくれます。エンジニアが行うすべての操作についてくる感じです。ジャンルを選ばない表現力があると思います。単純にNS-10Mの後継機にとどまらない、新しいYAMAHAの音がしますね。個人的には、特に歌の帯域のレスポンスの良さにひかれました。これからダビング、ミックス共に新しい戦力になってくれそうです。

【プロフィール】 杉山勇司
Sugiyama

PAエンジニアからキャリアをスタート。その後ナーブ・カッツェ、ソフトバレエ、X JAPAN、Heavenstamp、河村隆一など、レコーディング・エンジニア、サウンド・プロデューサーとして多数のアーティストを手掛けている。著書に『レコーディング/ミキシングの全知識』(リットーミュージック)、CD作品に『Temptations of Logik Freaks』(ビクター)がある

YAMAHA HS7

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SPECIFICATIONS
■構成 高域:1インチ・ドーム、低域:6.5インチ・コーン
■出力 95W(高域35W+低域60W)
■周波数特性 43Hz〜30kHz (−10dB)
■クロスオーバー周波数 2kHz
■最大入力レベル +24dBu
■入力インピーダンス 10kΩ
■外形寸法 210(W)×332(H)×284(D)mm
■重量 8.2kg(1本)
■価格 オープン・プライス
(市場予想価格 25,000円前後:1本)

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【問合せ】
株式会社ヤマハミュージックジャパン
プロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL 0570-050-808  www.yamahaproaudio.com/japan/

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