【サックス用語辞典】第38回 High F♯キィ

知っててよかった!サクブラ用語辞典 [サックス編] by 加度克紘 2014年8月18日

今回はサックスの構造上で一番上のトーン・ホールを開ける、HighF#キィについて解説しましょう。

サックスの通常音域で、記譜上の最高音はF#となります。

これは楽器の構造上で一番上のトーン・ホールが開いた状態で出る音がF#だからなのですが、そのトーン・ホールを開けるのがHigh F#キィなんです。

 

しかし、古い楽器や現行の一部のモデルには、このHigh F#キィがついていない(その分トーン・ホールが1つ少ない)ものもあります。

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▲High F#キィ有り(左)、High F#キィ無し(右)トーン・ホールの位置と個数が異なる

 

High F#キィはセルマー社ではMarkVIの後期ころから付き始めています。

現行モデルにはセルマーのリファレンス・シリーズの一部や、ヤマハの82ZシリーズでWOF (WithOut F#keyの略)表記のあるもの、ヤナギサワでも特注モデルとしてHigh F♯キィ無しモデルがあります。

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▲画像左がHigh F#キィあり、画像右がHigh F#キィ無し。キィの個数が異なるので替え指が必要になるなど、演奏のしやすさも異なる

 

High F♯キィ無しモデルは、最上部のトーン・ホールが無くなることで息の流れがスムーズになり、音色にも変化が表れます。ただし、High F♯の音を出す場合に、運指やピッチが難しくなるというデメリットもあります。

 

演奏するジャンルや曲によって相性が変わりますので一概にどちらがいいとは言えませんが、現在はHigh F#キィ有りのモデルが一般的です。

みなさんも機会があればHigh F#キィ無しのモデルを吹いてみると、違いが分かるでしょう。

加度克紘

広島県尾道市出身。高校入学と同時にテナーサックスを始める。1年後アルトに転向。その後、甲陽音楽学院で荒崎英一郎氏に師事。甲陽音楽学院卒業後、渡米。ボストンのバークリー音大に入学。Fred Lipsius、Dino Govoni、Bill Pierce、Jim Odgren各氏に師事。ジャズからポップス、R&B等幅広くこなす。現在は自己のグループを率いての演奏、作曲/編曲活動の他、ノア・ミュージックスクールでサックス講師としてサックスの指導も精力的に行う。
著書「一生使えるサックス基礎トレ本 サックス奏者のためのハノン」「サックスに学ぶおいしいギター・フレーズ99+2 ジャズ編 ギタリストが思いつけない音の組み立て方」「一生使えるアドリブ基礎トレ本 サックス編瞬発力と応用力を高めるデイリー・トレーニング集」「サックス・プレイヤーのための全知識」「100個のフレーズを吹くだけで飛躍的にサックスが上達する本」(すべて小社刊)

http://katsuhirokado.com

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