『Rare Herbs』 Bobby Love

塚本謙のFunk裏Recommend Disc by 塚本謙 2013年11月7日

Funky Funky New Orleans!: ボビー・ラヴ編

今回の”裏”Recommend Disc

51AWZSXC7VL

『Rare Herbs』 Bobby Love

 

『レア・ハーブス』ボビー・ラヴ

 

Funky Delicacies (2005)

 

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アラン・トゥーサンのシー・セイント・スタジオで初めてレコーディングしたときのことだ。アランは 事前に言ってたんだ。スタジオではおまえが大臣だ。やりたいことを思うがままにやればいい。けどこれだけは忘れんな。たくさんのことを全部上手くやろうとしちゃダメだ。それよりかは数曲でいいから最高に仕上げろってな。でも初レコーディングにすっかり舞い上がっちまったオレはヘマをしでかした。しゃかりきになって10曲くらい録音した結果、いいものもある、悪いものもあるって内容になって、完璧な数曲を作るってことに集中できなかったのさ。”

さすがツーさん、イイこというよね。それで結局ツーさんの監修でリリースするという予定は無くなって、マスターテープを持ち帰ったボビー・ラヴは自分のレーベルであるUptown Rulers D.T.レーベルからシングルを出すことにしたそうです。「Funky Birthday」という78年のシングルがそれ。“フォンキ〜バースデ”を繰り返すコーラスとホーン・セクションに煽られてボビーが12星座の名前を連呼するこのパーティ向けファンク、そんなに悪くないと思うけどな。中盤のボビーのフルート・ソロも祭り囃子の笛的な土着的ファンキィさがにじんで最高です。フルートのサウンドって意外とファンクにマッチすると思う。

ボビー・ラヴことボビー・マクラフリンはフルート、キーボード、ヴォーカルとマルチに楽器を操るニューオーリンズのミュージシャン。かのルイ・アームストロングとは親戚関係だそう。地元でサイドマンとして修行を積んだのち70年代中盤には自分のバンドを持って活動。一時期はLAに移住して大スター歌手ジョニー・テイラーのバンド・マスターをしていた時期もあったそうだけど、NOに戻って再び自分のバンドやレーベルUptown Rulers D.T.を運営するようになりました(ちなみにD.T.というのはDowntownの略。AKBの先輩みたいなもんですね)。そのレーベルから出された数枚のシングルに、70年代後半にシー・セイントで録音された未発表音源、いわば没アイテムを加えたコンピが今日の一枚。

冒頭の「Funky Birthday」以下、プレ・ディスコ期のファンクらしいナンバーが並びます。「Freaky」はブギーっぽいビートが軽快なチキチキ系。中盤のフルート・ソロvs.ドラムのバトル、続く太いトロンボーン・ソロがナイス。文字通りラテン・ディスコ的な「D.T. Disco」でもヴォーカルに絡みつく妖しいフルートが。極めつけは巻き舌で吹く、ウーと唸りながら吹く、ガナリながら吹く、もはやカスレ音しか聴こえない、もしかしてあなた風の妖精?というお行儀悪いダーティ・フルート奏法の数々が開陳されるファンク「We Really Need It Today」。抱腹絶倒です。

塚本謙

CDリイシュー企画「Return Of Jazz Funk」主宰。モダン・ジャズ〜ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴまでこよなく愛するレコード・コレクター。学生時代はベイシー・マナーのフルバンでサックス担当。



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