『Just Having A Party』 The Fabulous Fantoms

塚本謙のFunk裏Recommend Disc by 塚本謙 2013年10月17日

Funky Funky New Orleans!: ザ・ファビュラス・ファントムズ編

今回の”裏”Recommend Disc

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『Just Having A Party』 The Fabulous Fantoms

『ジャスト・ハビング・ア・パーティー』ザ・ファビュラス・ファントムズ

Funky Delicacies (2001)

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“とびきりスロウな曲で始めるんだ。踊ろうと思って来た客は音がデカいだのもっとちゃんとやれだの不平をいう。けど30分もしたらみんなバンドに夢中さ。みんな酔っぱらって帰ろうともしなかった。こんな曲じゃ踊れないって言ってた年寄りでさえ何を演っても踊るようになった。クラブでの問題はバンドメンバーも酒が飲めたこと。何人かのメンバーはぐでんぐでんに酔っぱらって演奏不能になっちまって、しょっちゅうその穴を埋めるために楽器を取っ替え引っ替えしながら演奏しないといけなかった。まあ客の方がもっと酔っぱらってたから誰も気にしなかったけどね”。

さて先週に続いてお届けする1970年代ニューオーリンズの地下アイドルならぬ地下ファンク・バンド・シリーズ、今週は“嵐を呼ぶバンド”と呼ばれたファビュラス・ファントムズ。クール&ザ・ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、ザ・ミーターズに匹敵する成功を収める可能性があったものの、不運の重なりと機会の無さから陽の目を見ることが無かった、とライナーノートいわく。“嵐を呼ぶ”の理由は、ナイトクラブにおける彼らの演奏があまりにノリノリ(死語)で、客に鞭打って踊らせるようなグルーヴであり、それがしばしば異常な興奮状態とかケンカを誘発したからだそうです。一度はガンファイトで死人を出したとか。まさに殺人的な陶酔ファンク

結成当時はまだ高校生だったというウィリアム・ノーフリン(key)を中心に1968年結成。4リズム、4ホーン、2ヴォーカルの10人組でスタートするも、その後メンバーが複数名徴兵されるとか、分裂してファミリー・アンダーグラウンドというバンドに分家するとか、幾度かのバンド崩壊の危機を乗り越えて79年まで存続。ナイトクラブでの人気を糧に何枚かのシングルをリリースするもそっちはあんまりうまくいかず、大手レーベルからも何度か声がかかるもあと一歩のところでリリースが実現しなかった、という彼ら。なけなしの貯金とカードの前借りで自主制作したのに結局正規発売もできなかったという1978年のアルバム『Just Having A Party』を中心に、初期のシングルも収録した集大成がこちらのCD。音質はチョイワル(死語)だけど、嵐を呼んでいたのが頷けるヤング・ファンク揃いですよ。

NO的なシンコペーションを強く感じるビートが心地よいナイス・ファンク「Get A Little Bit」を筆頭に、TOP的な突破力のあるホーン・ファンク「Take Me There」、オレがバンドやってたらこんな曲カヴァーしたい的なインスト・ホーン・ファンク「Who Cares」、こちらもカヴァーにモッテコイな超ノリノリ(超死語)・ファンク「Rip Off」などの初期シングル曲がオススメ。「Just Having A Party」以下、さすがにモダンになってる1978年のアルバム音源もブーギーなビートとヘナチョコなアープ・シンセの音色がますます地下な感じでバッチグー(恥死語)です。

塚本謙

CDリイシュー企画「Return Of Jazz Funk」主宰。モダン・ジャズ〜ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴまでこよなく愛するレコード・コレクター。学生時代はベイシー・マナーのフルバンでサックス担当。



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