『Rejuvenation』 The Meters

塚本謙のFunk裏Recommend Disc by 塚本謙 2013年10月3日

Funky Funky New Orleans!: ザ・ミーターズ編

今回の”裏”Recommend Disc

61CWM5k+HuL

『Rejuvenation』 The Meters

『ニューオリンズ・ファンクの覇者』ザ・ミーターズ

Reprise (1974)

Amazonで購入する

“プレイしないこと”が“プレイしていること”をより際立たせることが多い、とはこれいかに。もちろん放置プレイのことじゃないですよ。さてニューオーリンズ企画も佳境なわけで、先週まではバックバンドに徹していた真打ちザ・ミーターズのアルバムにまいります。なんてったってアルバムの邦題が『ニューオリンズ・ファンクの覇者』だもんね。再活性化、みたいな意味の原題とはずいぶん印象が違うけど、ともあれ彼らの最高傑作とされているアルバムが今日の一枚です。

NOが誇る音楽一家、ネヴィル家の長男として生まれたアート・ネヴィル(key, vo)がアーロン(vo)、シリル(perc, vo)ら弟たちと組んでいたバンド、ネヴィル・サウンズのリズム・セクションだったのが、レオ・ノセンテリ(g)、ジョージ・ポーター・ジュニア(b)、ジョセフ“ジガブー”モデリステ(ds)。ちなみにアラン・トゥーサンの回で紹介したゲイリー・ブラウン(ts)が7人目のメンバーでした。このネヴィル・サウンズからリズム隊だけが分離したのがザ・ミーターズで、やがて彼らはアラン・トゥーサンに目をつけられ、そのスタジオ・バンドに起用されます。ミーターズ(計量器)って名前がつけられたのはソロ作品作ろうってなってからのこと。裏返した帽子に紙に書いた名前案をいくつか入れて、そこから無作為に引き選ばれたそうです。

NYのJosieレーベルに気に入られた彼らは69年の『The Meters』でデビュー。最初のシングル「Sophisticated Cissy」、続く「Cissy Strut」がいきなりR&Bチャート入りを記録。以降トゥーサン・プロデュースによるアルバムを3枚このレーベルに残します。ちなみにJosie期はほぼ歌無し、ホーン無しのインスト4人体制。初めて聴く人は、この地味でスカスカでソロらしいソロもない音楽がなんで全米チャート入り?って思うかも知れない。オレも最初はそうでした。けど何度か聴くうちに開眼するんだなぁ。で、そん時にはもう既にNOファンクのぬかるみに足元取られてんだよなぁ。

4枚目のアルバムからはトゥーサン所属のメジャーRepriseに移籍。ここから本格的にアートのヴォーカルが入ります。5枚目の本作からはホーン・セクションも加えてさらにビルドアップ。ミーターズらしいセカンドライン・ファンクを活かしつつ、時代にマッチしたサウンドを完成させた、という感じでしょうか。R&Bチャート入りしたファンク・ナンバー「Hey Pockey A-Way」「People Say」でも明らかなのは、ミーターズがミーターズたるゆえんのサウンド。ホーン隊を含むそれぞれの楽器がベタッと音を敷きつめるのではなく、必要な場所にだけ存在する感じで、しかもそれぞれの音が邪魔しあうことなく自己主張しながら果たすべき役割を全うしている、そしてそれを全体として聴いたときに実に見事なアンサンブルとして楽曲をグルーヴさせ、際立たせている、というわけで冒頭のジガブーの言葉につながってくるわけです。意味分かんない場合はぜひJosie時代の作品をiPodがパニクるくらい聴きたおしてみてください。そういえば今月はツーさんの来日公演もあるんだった!

塚本謙

CDリイシュー企画「Return Of Jazz Funk」主宰。モダン・ジャズ〜ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴまでこよなく愛するレコード・コレクター。学生時代はベイシー・マナーのフルバンでサックス担当。



TUNECORE JAPAN