『Let’s Talk It Over』 Lee Fields

塚本謙のFunk裏Recommend Disc by 塚本謙 2013年7月18日

現代ファンク最前線:Truth And Soul編

今回の”裏”Recommend Disc

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『Let’s Talk It Over』 Lee Fields

『レッツ・トーク・イット・オーヴァー』リー・フィールズ

Truth And Soul (2013)

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“オレのシークレット・シューズどう?”てな感じのイカしたポートレイトですね。ダップトーンと同じNYはブルックリンにあるもうひとつのファンク・レーベルの老舗といえばトゥルース・アンド・ソウル(T&S)です。もともとダップトーンのガブリエル・ロスとともにデスコ・レーベルを運営していたフィリップ・リーマンが2004年に興したレーベルで、ダップトーンがNYヤンキースならこちらはNYメッツって感じでしょうか。“やんちゃだけど正統派”なダップトーンと比べると“ヤサグレてダーティだけど実力派”なイメージがT&S。どちらもネオ・ヴィンテージな生音ソウル&ファンクが得意技で、世界中のソウル・シーンから一目置かれている存在です。T&Sだってプロダクション・チームとしてアデルのアルバムに楽曲提供したり、エイミー・ワインハウスのリミックスを手がけたりしてるんだかんね。

ディープ・ファンクのおいしい部分をヒップホップ以降の感覚で抽出、生演奏で再構築したようなハウス・バンド、エル・ミシェルズ・アフェアーを中心に、NYラテンの隔世遺伝的なラテン・ファンク・バンド、ブロンクス・リヴァー・パークウェイ、現在のスティーリー・ダンのバンド・メンバーであり、最新作のコ・プロデュースも務めた才人マイケル・レオンハート率いるアヴラミナ・セヴンなどのバンドを擁するT&S。最近ではブラック・ミュージック・ファンにはたまらない萌え要素がパツパツに詰まった最高にヒップでキュートな女性ヴォーカル・デュオ、レディ(Lady)のリリースも話題になりました。そんなT&Sの中心的存在といえばこのリー・フィールズ“リトル・JB”の名で呼ばれた現在62歳のヴェテラン・シンガーです。

1969年に最初のシングルをリリースして以来、地道な音楽活動を続けてきたフィールズもまた90年代のディープ・ファンク・ムーヴメント以降に“再発見”されたクチ。98年の『Let’s Get A Groove On』(Desco)以降、2000年代に入ってからも次々と新作アルバムを発表。バックバンド、ジ・エクスプレッションズを引き連れて世界中のフェスやクラブでそのディープな歌声を響かせています。今日の一枚はそんなフィールズさんの“幻のレア盤”といわれていた79年のデビュー・アルバム。レア・グルーヴ・ファンからファンク・マニアまで、垂涎の的だったこのレア盤がT&Sからリイシューされたのはつい最近でした。ディスコ的なスウィング感をもったファンク「Wanna Dance」を筆頭に、JBが憑依したような「She’s A Love Maker」、トランペットのハイノートとのカラミが愉快な「Funky Screw」など、クロい汗したたるような絶品ファンクが満載。“正しいアメリカ”の薫り漂う、太くノスタルジックな歌唱に胸わしづかまれる最近の作品とともにソウル音楽の粋をお楽しみください。

塚本謙

CDリイシュー企画「Return Of Jazz Funk」主宰。モダン・ジャズ〜ジャズ・ファンク〜レア・グルーヴまでこよなく愛するレコード・コレクター。学生時代はベイシー・マナーのフルバンでサックス担当。



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