アレンジのお話 11

書き屋石川芳の徒然鳴るままに by 石川芳 2012年6月1日

☆ メドレー ☆

ピアノスタイル2012年6月号』お楽しみいただけているでしょうか。
「ピアノ de ネタ・パラダイス」も、”さすが!ピアノスタイルは美味しい” と喜んでいただけるように、短いながらも小気味良い遊び心のスパイスを振りかけて、”ピリッと感” を味わえる内容に仕上げてみましたよ。

炎のランナー」の編曲依頼が来たときには、思わずニンマリ。
ヴァンゲリスの無機的でありながらも、静かに熱いシンセサウンドが大好きだった時期があるので、左手の伴奏形は、まったく悩むことなく、迷うことなく決めて、一気に書き上げました……っと、私の分身である羽衣津愛が語っておりました (^_^)

でも、この号での私のイチ押しは「ウエディング・メドレー~いつか王子様と!」です。

私がメドレーを書くときに、いつも意識している事柄のひとつに、ただ単に知っている曲を並べるだけではなく、どの部分を使いながらストーリーを組み立てるかを考える、ということがあります。

ピアノスタイル2011年4月号』 に収録した「イタリアオペラ・メドレー」の場合は、男性が女性心理を揶揄する歌の後に、キャラクターの違う女性が次々登場というストーリーで組み立てました。

たいていの場合、”美味しいとこ取りでお願いします” というオーダーが来るんですけど、今回の場合は “結婚にまつわるクラシック曲を式次第で繋げてほしい” とのこと。
でも、たとえば披露宴でピアノ演奏を頼まれたとして、そのメドレーを演奏して楽しんでもらえるかしら?っと、とても疑問だったので、 “クラシック曲は必ずはめ込むから、内容はまかせてもらえないだろうか” と頼み込んで生まれたのが、このメドレーなんです。

素敵な物語をまず考えて、その流れに沿って、編集部で候補にあげてくれていたクラシック曲を、そのタイトルや内容も考えあわせながらあてはめていく作業は、実に楽しいものでした。
特に、全部ワルツにしちゃおう !! というアイディアが浮かんだ瞬間は、もう “キャッホ~” ってひとりで盛り上がってしまって、ヘヘヘッ。

一番時間がかかったのは「いつか王子様と!」というタイトルを考えたときかもしれません。

話題はコロリ変わりますが、 『ディズニー・オン・クラシック まほうの夜の音楽会 』は今年10周年を迎えます。
このコラムでも、また改めて今年のコンサートについてご紹介していこうと思っています。

2008年の公演で演奏された 「ララルー~ベラ・ノッテ」はブラッド・ケリーさんの神技のようなメドレーのアレンジが素敵でした。
『ディズニー・オン・クラシック まほうの夜の音楽会 ラブ・バラード・アコースティック・セレクション』で聴くことができるので、ぜひみなさんも、いつの間に曲が入れ替わっているのか、ええっ? 戻った! みたいな不思議体験をしてみてくださいね。

では、また。

    

石川芳

幼少よりピアノ、エレクトーンを学ぶ。ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)卒業後、ヤマハの海外デモンストレーターとして、世界各国で演奏活動および現地スタッフの指導にあたる。"ディズニー・クラシカルコンサート"でアレンジャーとしてデビュー。曲集の編曲や音楽専門誌の執筆など、幅広いジャンルで活躍している。ピアノスタイルでは、創刊号から編曲を手がける。



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