アレンジのお話 9

書き屋石川芳の徒然鳴るままに by 編集部 2012年2月21日

☆ ひとりピアコン ☆

『ピアノスタイル2012年4月号』収録曲の録音が終りました。
私が担当した曲は6曲。

ホイットニー・ヒューストンの訃報により急遽掲載が決まり、追悼の想いを込めてアレンジした曲は大好きな曲でした。
ピアニスト伊賀あゆみさんの練習時間を少しでも多く確保できるように、かなりの短時間で書き上げましたが、今までさまざまな難易度で書いてきたアレンジの中でも、私自身が最も気に入ったアレンジになりました。

4月号でもいろいろな曲を書いていて、どれも思い入れがあり、すべてお薦めなのですけれども、『ピアノスタイル』ではすっかりお馴染みの “ひとりピアコン”(ピアノ協奏曲のピアノソロバージョン) も楽しみながらアレンジしました。

今回の “ひとりピアコン” も、原曲でピアニストが弾く部分が脇役のようになって、オーケストラパートの部分をピアノでダイナミックに歌い上げたり、両手でいくつもの楽器のフレーズを受け持ったりする、ゴージャスな内容になっています。

これも伊賀さんが弾いてくれたのですが、どうやら彼女も練習の間、この曲の “からくり” の部分を楽しんでくれたようです。

私はピアニストの皆さんにアレンジ譜を渡すとき、いつも短いお手紙を添えるのですが、この曲では伊賀さんに、”レパートリーとして原曲を弾き慣れている指だと、むしろ難しく感じるかもしれないですね” と書きました。

すると伊賀さんから、”立場が逆転していて、とても楽しんで弾いています” とお返事メールが来ました。

伊賀さんは、音楽の「道理」の部分はもちろんのこと、音符のひと粒ひと粒に込めた想いや、時間をかけて悩み抜いて導き出した音の、その「道のり」のところまでも見事に読み取って演奏してくれるので、書き屋として “こんなに嬉しいことはないなぁ ” と、いつも感謝しています。

もちろん、香澄さん&慶子さんの大神姉妹も同じです。

さて、私はこれまでに『ピアノスタイル』で下記作品の「第1楽章」を “ひとりピアコン” にアレンジしました。

1 チャイコフスキー「第1番」(Vol.13
2 グリーグ(Vol.14
3 ラフマニノフ「第2番」(Vol.15
4 ショパン「第1番」(2006年12月号
5 ラフマニノフ「第3番」(2008年2月号

実は、今回アレンジしたものは、この中のどれかの第2楽章なんですよ (^_^)
さて、どのピアコンでしょう?

これからも、第2楽章から終楽章へと随時取り上げていって、コンパクトなサイズながらも「ひとりピアコン全楽章」として完成させたら、きっと読者の皆さんも喜んでくださるかもよ……っと、編集部の方々に提案してみようかしら。

   

石川芳

幼少よりピアノ、エレクトーンを学ぶ。ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)卒業後、ヤマハの海外デモンストレーターとして、世界各国で演奏活動および現地スタッフの指導にあたる。"ディズニー・クラシカルコンサート"でアレンジャーとしてデビュー。曲集の編曲や音楽専門誌の執筆など、幅広いジャンルで活躍している。ピアノスタイルでは、創刊号から編曲を手がける。



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