日々のこと 2

書き屋石川芳の徒然鳴るままに by 石川芳 2011年8月3日

☆ 自動演奏楽器 ☆

先週のはじめ、『ピアノスタイル2011年10月号』の”書き”が佳境に入る前に、ちょっと息抜きをしようと思いつき、とは言え、遠出の時間のゆとりはないので、諏訪湖畔のお気に入りの温泉旅館に1泊旅行してきました。
諏訪湖は花火も有名なのですが、花火で込み合う前の平日ということでお部屋も無事に取れて、一路!中央道をひた走り……。

 

ドライブのときに聴く音楽も、その状況や気分に合わせて、いろいろと選んでいますが、今回の往路は高速なのでパット・メセニーの『シークレット・ストーリー』や『オーケストリオン』など聴きながら、心地よく飛ばしました (^_^)なみに、愛車はオペル”ティグラ”、ひと目惚れして手に入れたので、大切に乗っています(ヘヘッ、音楽とは関係なかったですね)。

 

さて、オルゴール音楽作りを趣味として楽しんでいる私が、諏訪に行くと必ず立ち寄る場所があります。
諏訪大社秋宮のすぐ近くにある諏訪湖オルゴール博物館”奏鳴館”です。
1948年、諏訪の地でオルゴール作りが始まり……という歴史や背景は、ぜひ博物館を訪ねて、展示室を巡りながらスタッフの方の説明を聞くといいかも。

この博物館は、オルゴール作りの体験工房もおすすめで、旬のJ-POP、クラシック、スタンダードなど、500曲以上ある中からお好みの1曲の音源部品を選んで、ゼンマイを巻き巻きしたり、箱も自由に”デコったり”して、自分だけの可愛いオルゴールが作れるんです。

オルゴールのための編曲って、独特な難しさがあるんですよ。
いずれ折々、編曲の技などについてもお話したいな、と思っていますが、その”難しさ”を知ってからというもの、ここ奏鳴館を訪ねるたびに、手回しの小さなオルゴールを買ってしまいます。
今回はなんと”マル・モリ”をゲット! めっちゃ可愛いです !!

ところで、先ほどパット・メセニーのアルバム名に出てきた”オーケストリオン”ですが、実はこれ、楽器の名前なんですよ。
オーケストリオンは、ヨーロッパではパイプオルガンを基本楽器にして、ドラムやシンバル、トライアングルなどをひとつの箱の中に詰め込んで自動演奏させる楽器。
19世紀に盛んに作られ、アメリカではピアノが基本楽器になっているものが人気だったようです。 

鍵盤のついた自動演奏ピアノではなく、アップライトくらいの大きさの箱の中に、木琴、鉄琴、さまざまなパーカッションもいっしょにぎゅうぎゅう詰めになった楽器で、ひとたび演奏が始まると、それはそれはにぎやかで楽しいものです。
珍しいものでは、アップライトピアノの上にヴァオイリンが逆立ちした格好で乗っている楽器とか、アコーディオンやバンジョーが組み込まれた楽器もありますよ。
機会があったなら、ぜひ、音を聴いてみてください。
まぁず、音量がすごいので腰を抜かしちゃうかもしれません (^_^)

プチ旅のお供に、『オーケストリオン』のCDを流し、昨年の6月に、メセニーの”オーケストリオン”のコンサートを観た(聴いた) ときの、オルゴール博物館で聴くオーケストリオンのイメージとはあまりにもかけ離れたすごい楽器群と、素晴らしい音楽に酔ったことを思い出したりしながら、青空の下、ニッコウキスゲが綺麗に咲くビーナスラインを走って、心もアタマもリフレッシュ !!

 そして帰宅してみれば、宅配の荷物や郵便物、山のように届いているEメール。
一気に超現実が襲って来たのでありました。 

さて、自動演奏楽器も含め、機械と音楽の関係に興味のある方は、ぜひ『音楽機械劇場』(渡辺裕・著、新書館)を読んでみてください。
私がこの本を手に取った動機は、表紙の写真がシアターオルガンのタブレットで、かつてオルガン弾きだった血が騒いだ、それだけだったのですが、読み始めたら滅法面白い !!  おすすめです。

   

石川芳

幼少よりピアノ、エレクトーンを学ぶ。ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)卒業後、ヤマハの海外デモンストレーターとして、世界各国で演奏活動および現地スタッフの指導にあたる。"ディズニー・クラシカルコンサート"でアレンジャーとしてデビュー。曲集の編曲や音楽専門誌の執筆など、幅広いジャンルで活躍している。ピアノスタイルでは、創刊号から編曲を手がける。



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