アレンジのお話 1

書き屋石川芳の徒然鳴るままに by 石川芳 2011年5月26日

☆ ご注文いただきました! ☆

はてさて、何から書き始めたらいいのか考えているうちに日は経ち、次号収録曲の編曲依頼の来る時期に。

オファーはたいていの場合、電話です。メールで一方的にポンッと言いわたされるのではなく、選曲の理由やサウンドのイメージ、12、3分はある大曲を”おいしいとこ取りで4ページ(60小節前後)くらいに”とか、”難易度Aだけれども弾き応えのある楽しいアレンジで”などなど、毎度、注文はけっこう多いです。とにかくいっぱい話します。

話し合うことで、編集部の方々と私たち書き屋、ピアニストのみんなが同じ方向性を持って音楽作りをできる。それは、『ピアノスタイル』創刊当時からの伝統ですね。

なので、そりゃあ~んまり無理難題だわよ( ̄□ ̄;)  っとココロの中で叫びつつ、熱意に押されて、ついつい、”私にまかせなさい !!”と、胸をたたいてしまうのであります。いつもの段取りで、1日に2、3曲ペースで書き進めます。

編成が違う物を書く場合は、またそれなりの段取りがありますが、折々お話していきますね。

まずは、ピアノに限ってみると、音源資料を聴きながら、絡み合った色々なフレーズをピアノでなぞってみたり、”特徴的なリズムをピアノで再現するには ?” なんてことを考えながら、原曲のCDと一緒にガンガン弾いて、オーダーの難易度に収めた完成図状態まで固めながら、同時に、その曲を演奏してもらいたいピアニストの顔が浮んできて……って言うか、音色までイメージできちゃうんですね。

ピアノスタイルの模範演奏は、”自編自演される方”と、私のように完全分業制で”演奏はピアニストに委ねるタイプ”とで構成されています。

私は、楽譜の中に織り込んだたくさんの想いや、時には悪戯っぽい仕掛けなども読み解いてもらいながら、演奏してくださる方々に”もっともっと作品を磨いてもらいたい !!” っと願いながらアレンジをしています。それは模範演奏をしているピアニストだけでなく、”この曲を弾きたい !!” と楽譜を手に取って、練習をしてくださるすべての皆さんに、ひとつの楽譜を、演奏する人によって、まったく違った解釈や響きが生まれてくるのも、私の楽しみのひとつでもあります。いつか、み~んなの演奏、聴かせてもらいたいなぁ。

 

石川芳

幼少よりピアノ、エレクトーンを学ぶ。ネム音楽院(現ヤマハ音楽院)卒業後、ヤマハの海外デモンストレーターとして、世界各国で演奏活動および現地スタッフの指導にあたる。"ディズニー・クラシカルコンサート"でアレンジャーとしてデビュー。曲集の編曲や音楽専門誌の執筆など、幅広いジャンルで活躍している。ピアノスタイルでは、創刊号から編曲を手がける。



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