2012年4月号③

伊賀あゆみのもっとespressivo by 伊賀あゆみ 2012年3月22日

ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 第2楽章」

前々回は「平清盛」のテーマ曲のレコーディング秘話をしてしまいましたが、
今回はラフマニノフの協奏曲について暴露?!しちゃいます。

実は、掲載されている楽譜と付属CDの音源、違うところが1箇所あるんです!!
見つけられましたか?
リハーサルマークFの2小節前のカデンツ、左手の開始音の高さ……CDの模範演奏では書かれている音より1オクターブ低く弾いているんですよ。
原曲のこの箇所はCDで演奏している通り1オクターブ低い音なのですが、今回のアレンジではサイズも原曲の半分以下ですし、ピアノソロということで、アレンジャーさんが敢えてこの高さで書かれていることは充分に理解していました。
ですがレコーディング時、この箇所が来るとどうしても下げたくなる衝動に駆られてしまいました。
編集部の方々もアレンジャーさんも、こうした気持ちを理解してくださるので嬉しいです♪

楽譜より1オクターブ下げるという行為は、普段私の聴いているピアニストやCDでは当たり前の感覚なんですね(笑)。
こういうことを嫌う方もいらっしゃいますが、私はアリだと思っています。
もちろん書かれた時代や楽器のこと、作風を理解した上でやらなければならないことですが、どうしてもここは!というところでは思い切って下げたり、和音を加えたりするなど、皆さんの冒険心にも火を付けたいです。
(先生に怒られたらごめんなさい……笑)

伊賀あゆみ

東京音楽大学卒業、同大学院伴奏コース修了。大学院在学中、奨学金を受けイギリス王立音楽院に短期留学。ピティナ・ピアノコンペティションG級、特級で金賞受賞。『ピアノで奏でる日本の抒情歌』(コロムビア)でCDデビュー。これを機に全国でコンサート活動を開始する。これまでに新日本フィルハーモニー、丸ビルオーケストラとの共演のほか、小学校コンサートにも力を入れ、文化庁による芸術家派遣などで90校以上の学校を訪れる。ピアノスタイルの付属CD演奏には創刊号から携わり、コラムも執筆中。現在は、演奏活動の傍ら、東京音楽大学で後進の指導にもあたっている。



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