「ギターで歌う」コブクロ小渕健太郎のソロ・アルバム『ツマビクウタゴエ』発売記念イベント・レポート

NEWS by 土屋綾子 2013/09/18

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9月17日、都内スタジオにてコブクロ小渕健太郎によるギター・インストゥルメント・アルバム『ツマビクウタゴエ』のリリースを記念し、小渕本人が50人の観客を前に新作の音作りやレコーディングの模様を再現する、超贅沢なイベントが行われた。

本イベントは、今作の音作りや使用したギターについて、小渕本人が雑誌『アコースティック・ギター・マガジン』からのインタビューに答える形でトークしていくというもの。
新作でも使われたアコギがずらりと並ぶ会場に、司会のアコギ・マガジン編集部渡辺に促され登場した小渕を、音楽を学ぶ学生を中心とした50人の観客が拍手で迎えた。

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話はまず、新作をつくるきっかけから。コブクロの充電期間中、小渕は試しに自曲をワンフレーズ、多重録音してみたという。試行錯誤の中で小渕は「ギターで歌うとはこういうことか」と感じ、コブクロの曲のインストゥルメント・アルバムを自分で作ろうと思い立った。またある個人製作家によるギターとの出会いも、今回のアルバム作りに大きな影響を及ぼしているとも語った。

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さて、本作の最大の特徴は、何と言ってもすべて小渕本人の演奏による多重録音で作られた、という点。こちらに話が及ぶと、小渕は会場内のレコーディング・ブースに入り、実際のレコーディングのプロセスを再現してくれた。「Million Films」イントロ部分の4つの音を演奏し、コーラスやピアノ音の実現、エレキギターの再現、それらをリアルタイムに重ねていく。今作のタイトル「ツマビクウタゴエ」にあるように、中心にあるのは“歌う”、ということ。小渕は楽曲の世界観とともに“相方”黒田の声を本作でも強く意識している。この曲にはどんな音が歌われているか。「楽譜ではなく歌詞カードを見ながら演奏した」と小渕は制作の模様を明かす。黒田と二人三脚でコブクロの世界を作り出してきた小渕だからこそ、こうしてアコギ1本の音にもその世界が高い純度で落とし込まれているのだ。

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イベントの締めくくりには、来場した観客からの質問に小渕が答える時間が設けられた。観客の中にはギタリストだけでなくシンガーソングライターやコブクロのように2人組で活動するミュージシャンなども訪れており、各々の視点で小渕の演奏スタイルや曲作り、音作りについて質問していた。小渕はその1つ1つに丁寧に、時にはギターで実演したり歌ってみたりしながら答えていった。最後に来場者最年少の小学生がピッキングの悩みを相談すると、小渕は彼をステージに招き入れ、実際にギターを使ってその場で鮮やかに解決して見せた。

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1時間弱ではあったが、小渕のギターに対する確かな視点や技術を軽快な喋り口でわかりやすく伝えてくれた濃い内容だった。これを受けて新作を聴くと、”歌声を爪弾く”小渕の曲作り、音作りへの理解もより深まっていくだろう。

今回の公開インタビューの模様は、10月26日(土)発売の『アコースティック・ギター・マガジン vol.58』に詳しく掲載される予定だ。表紙も小渕健太郎をフィーチャーし、彼の使用ギターなどについても解説する。

アコースティック・ギター・マガジン vol.58

10月26日(土)発売

ツマビクウタゴエ〜KOBUKURO songs, acoustic guitar instrumentals〜

  • 発売記念キャンペーン
    初回プレス購入者を対象に、本作品に収録している「蕾(つぼみ)」の、主旋律を抜いた音源を収録したスペシャルCDを抽選で100名様にプレゼント。詳細は『ツマビクウタゴエ』初回プレス分に封入のチラシを参照。
  • 銀座山野楽器本店1Fにて、小渕健太郎愛用のテイラーを9月30日(月)まで展示中
    銀座山野楽器本店
関連製品
アコースティック・ギター・マガジン 2013年12月号 Vol.58

雑誌
アコースティック・ギター・マガジン 2013年12月号 Vol.58

定価
2,100円(本体2,000円+税)
仕様
A4変型判/192ページ/CD付き
発売日
2013.10.26

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