ギブソン・レス・ポールの歴史を詳細に記した名著の日本語版『レスポール大名鑑』

NEWS by 編集部 2011/01/31

書籍『レスポール大名鑑 1915~1963 写真でたどるギブソン・ギター開発全史』が、ブルース・インターアクションズより2,500部限定で2011年1月21日に発売された。

『レスポール大名鑑 1915~1963 写真でたどるギブソン・ギター開発全史』は、米Hal Leonard Corpより2008年に出版された『THE EARLY YEARS OF THE LES PAUL LEGACY 1915-1963』の日本語版だ。

著者のロブ・ローレンス(Robb Lawrence)氏は、1970年代初期に米Guitar Player誌のコラム「Rare Birds」でライターとしてデビューし、以後、楽器専門のジャーナリストとして、数多くの記事を執筆してきた人物。著書『THE EARLY YEARS OF THE LES PAUL LEGACY 1915-1963』と、その続編の『THE MODERN ERA OF THE LES PAUL LEGACY 1968-2009』(未訳)は、氏の長年にわたるギター研究とフィールドワークの結晶といえる大作で、今回はその前編がブルース・インターアクションズによって日本語化されたわけだ。

目次を見てみよう。

『レスポール大名鑑 1915~1963』目次

  • 序文――レス・ポール
  • まえがき――ロブ・ローレンス
  • 謝辞
  • 1章 レス・ポール――人間、ミュージシャン、そして魔法使い
  • 2章 ギブソン社のソリッドボディ・ギターへの挑戦
  • 3章 ゴールドトップ・レスポール(1952 ~ 53年)
  • 4章 改良型ゴールドトップ・レスポール(1953 ~ 57年)
  • 5章 レスポール・アンプ
  • 6章 レスポール・カスタム(1954 ~ 61年)
  • 7章 レスポール・ジュニア、TV、スペシャル、メロディメーカー、EB‐0
  • 8章 サンバースト・レスポール・スタンダード(1958 ~ 60年)
  • 9章 レスポールSG、ギブソンSG(1960 ~ 63年)
  • インターミッション
  • 用語解説
  • 索引

本書はギタリストのレス・ポール氏による「序文」から始まる。ここでレス・ポール氏は著者のロブを「情熱の塊のような男」と評し、「我々は冒険仲間だった」とも云い、「ここに書かれているのは我が人生と、我が名を冠するギブソン・ソリッドボディ・ギターの真実である。」と締めくくっている。レス・ポール氏は2009年8月に亡くなっているだけに、これらの言葉には一層の重みを感じないではいられない。

また著者自身による「まえがき」と「謝辞」を読むと、この書籍が本当に長年の取材と多数の人々の協力の末に生まれたものであることがわかる。ひとことでいってこの本は、ロブ・ローレンス氏のライフワークなのだろう。

本編である1章から9章には、読み応えのある文章に加え、楽器や人物、カタログなど資料の写真がふんだんに掲載されている。ギター・ファンならば、とりあえずページを繰りながら写真を眺めているだけでも楽しくなるはず。加えてジェフ・ベック、マイケル・ブルームフィールド、ピーター・グリーン、スティーブ・ルカサー、ワディ・ワクテルなどのギタリストや、レオ・フェンダー、セミー・モズレー、ジミー・ダキストなどの楽器製作家たちのインタビューが、そこかしこに散りばめられている。レス・ポール関連書を何冊も持っているような人でも、知らなかったエピソードや初めて見る写真が多いのではないだろうか。

本編の最後である9章のすぐ後には”幕間”を意味する「インターミッション」というページがある。ここには「ダブルカッタウェイのSGモデルに関する本章をもって、誉れ高きレスポール・ギターとアンプの第一期は終焉を迎える。」と書かれ、また後編(『THE MODERN ERA OF THE LES PAUL LEGACY 1968-2009』)の予告もされている。要するにこの前編は、ヴィンテージ中のヴィンテージである1952年から1963年製のレス・ポールおよびその前史をテーマとしているわけだ。仮にここで終わっても開発史として十分完成度が高いと思うのだが、さらに21世紀のレス・ポールまでをも網羅しようというのだから、著者は本当に「情熱の塊のような男」なのだろう。

最後の「用語解説」は、日本語版の監修者であるロッキン・エノッキー氏によるもので、本書の内容をよりよく理解するための助けとなる。原書にはこれにあたるページがないので、日本語版のみの特典のようだ。

そして本書は全304ページがすべてカラーで、なおかつ2,500部の限定販売。コレクターズ・アイテムとしての価値も極めて高い一冊といえるだろう。定価は3,990円。

TUNECORE JAPAN