いざ、フジロック!リットー雑誌がレコメンドする今年の”フジロック・プレイヤー”
【From RandoM】
日本を代表する大型野外フェス、フジロックフェスティバル。14年目を迎える今年も、総勢200を超えるアーティストが苗場に大集結。ここではリットーミュージックの各楽器誌がレコメンドする今年の”フジロック・プレイヤー”に焦点をあてながら、ピックアップ・アーティストを紹介しよう。キミは”どの”アーティストを”どう”観る?
John Paul Jones(THEM CROOKED VULTURES)
ジョンジー流、
ロック・ベースの真骨頂を聴け!
レッド・ツェッペリンの裏番長、ジョンジーことジョン・ポール・ジョーンズ(左)が話題のバンドでついに来日! セッション/アレンジ経験も豊富な名手ジョンジーの持ち味は、ジョシュア・オム(中央)のハードエッジなギターとデイヴ・グロール(右)の重厚なドラムをつなぐ、絶妙のバランス感覚にある。これぞロック・ベースの真骨頂と言うべきプレイを体感すべし。
Dave Grohl
苗場を大きく揺らす
デイヴのロック・グルーヴ!
デイヴ・グロール、ジョン・ポール・ジョーンズらによって結成されたドリーム・バンド、ゼム・クルックド・ヴァルチャーズがフジロックに初参戦。フー・ファイターズのフロントマンとしてはフジの常連であるデイヴ(右)だが、ドラマーとしての参戦は何と8年ぶり! そのダイナミックなロック・グルーヴで、苗場を大きく揺らしてくれるはずだ。
Ken Yokoyama & Hidenori Minami(KEN YOKOYAMA)
観客の血を熱くたぎらせる
最強のパンク・サウンド
最高傑作との呼び声高い最新作『Four』を世に送り出したKen Yokoyamaがフジロックに参戦決定!
Minamiという新たな相棒ギタリストを加えた新生KEN BANDによるアグレッシヴなパンク・アンサンブルを全身で体感して、踊れ!
VAMPIRE WEEKEND
ジャンルレスな
21世紀型ロック・バンド
ロック・バンドという枠組みながら、フォーク、アフリカン、カリビアンなど多彩なテイストを混ぜ合わすことで、オリジナリティ溢れるグルーヴ感を生み出すヴァンパイア・ウィークエンド。青空の下で彼らのビートに身を寄せれば、ファンならずとも昇天すること間違いなし!
Matthew Bellamy(MUSE)
激しくもはかなく響く
音世界に心酔せよ!
クリエイティヴな音楽の作り手であると同時に、イギリス屈指のライヴ・バンドとして名高いMUSE。彼らが締めくくるのは初日のグリーンステージだ。注目はもちろんギターを始め、鍵盤までこなすマシュー・ベラミー(中央)の変幻自在のパフォーマンス。MUSEだけが生み出すことのできる、唯一無二の音世界にどっぷりと浸かってほしい。
ATOMS FOR PEACE
英米頂上決戦!
レディオヘッド+レッチリ=?
トム・ヨーク(中央)のソロ・サポートから発展した歴史的快挙とも呼べるスーパー・バンド。レッチリのフリー(右)がベースを務めるというだけでも話題だが、それに引っ張られていつもよりアクティヴなトムのパフォーマンスにも大注目だ。ジョーイ・ワロンカー(d/上)、マウロ・レフォスコ(per/下)、そしてナイジェル・ゴドリッチ(左上)と、名うてのプレイヤー揃いというのも、化学反応を期待させる。
HAWAIIAN6
爆走・暴走・激走、
時にホロリのオマケ付き!
国内屈指のメロディック・パンク・トリオも、もう10年選手だ。疾走感と、油断していると泣かせるメロディは変わらず、絶妙な押し引きでうねりを増幅させるなど、中堅らしい余裕も出てきた彼ら。昨年11月の新作『BONDS』発表と怒濤のツアーから間が開いているだけに、暴発必至のパフォーマンスは見逃せない!
STRAIGHTENER
CREATURES=4人の
進化を見逃すな!
新作『CREATURES』では、4人編成になったことの意味をより明確に打ち出し、ぐっと世界観を押し広げたストレイテナー。寄り添いぶつかり合うギター・アンサンブルはもちろん、もはや若手トップと言っても過言ではない日向秀和(b/中央)のパフォーマンスも見どころだ。各人のみならず、バンドとしての進化を目撃すべし!
MASSIVE ATTACK
待望の新作を引っ提げ
ブリストルのカリスマ再来
今年の2月に5枚目となるスタジオ・アルバム『ヘリゴランド』をリリースしたマッシヴ・アタック。トリップホップを定着させた伝説的ユニットであるが、この新作で以前とはまた一味違ったオーガニックなサウンドでファンを魅了してくれた。そして、2003年の登場以来、7年ぶりの参戦が決定! 新境地のブリストル・サウンドが体感できる!
CHRIS CUNNINGHAM
グリーンステージごと
奇妙な世界へ迷い込む
映像ディレクターのクリス・カニンガムが、なんと苗場のグリーンステージに登場。お得意の刺激的な映像が巨大スクリーンに広がり、そこに1秒のズレもなく音が乗る。その瞬間、誰もが踊る行為を停止させ、脳内へダイレクトに刺激が走る感覚を味わうだろう……。フジロック史上、絶対的に奇妙なシーンになることは間違いない!
THETRE BROOK
ファンクでソウルで
ロックな劇場、再びオープン!
昨年10月、2年振りに活動を再開し、今年6月に5年振りとなるアルバムを発表したTHEATRE BROOK。やっぱり佐藤タイジのソウルフルでファンキーなギターと歌には、柔剛さまざまなグルーヴを操るこのバンドがよく似合う。充電期間も活動を共にした中條卓(b)と沼澤尚(d)の、鉄壁のリズム隊にも注目だ。
MGMT
ブルックリンの2人と
サイケデリック体験を!
ブルックリン・シーンの最重要ユニット、MGMT。独自のサイケデリアを根幹にしながら、新作ではサーフ感も盛り込み、80s感も交えたごった煮サウンドが大好評。彼らの奇抜なアイディアがステージ上で花咲くことを期待しよう。使用機材にも注目したい。
Jim & Taxman(THEBAWDIES)
ゴキゲンな
ロックン・ロールで
ツイスト&シャウト!
ルーツ・ミュージックに敬意を払った音楽スタイルでシーンを席巻中のTHE BAWDIES。ロックの”ビート”を、これほどシンプルかつクールに決めてしまうバンドはそういない。JIM(右)とTAXMAN(左)がくり出す、切れ味鋭いエッジの効いたギター・ワークに注目だ。
JOHN BUTLER TRIO
なにはともあれ
スライド・ギターに注目!
アンガス・ヤングを始め多くの名プレイヤーを輩出してきた豪州だが、ジョン・バトラー(中央)はその中でも最高峰に位置するギタリスト。豪快なスライド・ギターを軸にしたジャンル・レスな演奏が持ち味で、トリオならではの情動的なサウンドを聴かせてくれる。その欣然としたグルーヴは若干大味なきらいがあるものの、ライヴではそこがまた魅力。
JAMIE CULLUM
6年ぶりに登場する
新世代ジャズ・ミュージシャン
1月に『ザ・パースート』を発表したジャズ・ピアニスト、シンガー・ソングライターのジェイミー・カラムが、6年ぶりにフジロックに帰ってくる! 自由自在に操るピアノ演奏とハスキーなヴォーカルで聴かせる彼の音楽は、ジャズを基調としながら、ロックやファンクなど多用なジャンルを織り混ぜたもの。ぜひ大自然の中で体感してほしい。
ROXY MUSIC
嘆美で叙情性に満ちた
ロキシー・サウンドの要は管楽器!
ブライアン・フェリー(vo)を中心に、多彩な音楽と方法論を融合させたオリジナルな世界を聴かせるロキシー・ミュージック。1971年のデビュー以降、解散、再結成を繰り返した彼らのオリジナル・メンバーの1人が、サックス/オーボエ担当のアンディ・マッケイ(右)だ。スカやジャズとは異なる文脈にある彼のプレイを堪能すべし。
これもフジロック!
正面ゲートからはるか遠く、会場一番奥に位置するステージ、オレンジコート。その客席の裏手にある1本道を奥へ歩いていくと、ちょっと変わった村にたどり着く。そう、ここが知る人ぞ知る”ストーンド・サークル”だ。
目印となる大きな石碑(写真下)の後ろには多数のテントが建っており、その中から聞こえるのは、打楽器による”ドンドコドコドコ~”というプリミティヴなビート。1つや2つではない。大量の打楽器が織りなすビートは音の塊となって、村全体を支配する。これがドラム・サークルだ(上)。
参加にあたっての資格や条件は一切ない。無料で貸し出される打楽器を手にした瞬間、誰もがドラム・サークルの一員になれるのだ。ファシリテーターと呼ばれるリーダーの合図に従って即興で叩きまくっていると、あら不思議。極上のリズム・ハーモニーが自然と生まれてくる。
“観る&聴く”だけではない、”奏でる&感じる”……これもフジロックの醍醐味、音楽の素晴らしさなのである!
本記事は、フリー・マガジン『RandoM』の内容を転載しています。
RandoMは、リットーミュージックが発行している楽器プレイヤーのためのフリー・マガジン。毎回のテーマごとに、フェスやライブ情報などのニュースから雑誌/書籍情報、大人気のグラビアページ「RandoM Girls」などをお送りしています。
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vol.10の特集はズバリ、「いざ、フジロック」!