【ライブ・レポート】ジョージ・デューク(2011.3.2@ビルボードライブ東京)

ライブレポート by 編集部 2011年3月18日

斉藤修氏によるジョージ・デュークのライブ・レポートをお届けします。

3月2日、ビルボードライブ東京にジョージ・デュークを観に行きました。

ジョージ・デュークって、今フュージョンという言葉はないけど、70年代のフュージョン界で一番キーボードがうまい人。なにしろバカテク。モーグMinimoogで波形のディケイ、サステインを短くしたプチプチした音色にコンプかけてバリバリのシンセ・ソロをしていた方。もちろん、ローズを弾いても強力にうまくて、タッチが強いので音が歪むこともしばしば。かように、指が強い上に、リズム感が強力に良く、しかも、エンターテイメント性も充分にある、というところが彼の特徴です。

70年代、彼のプロとしてのスタートはキャノンボール・アダレイのバンドです。ウェザーリポートのジョー・ザヴィヌルが抜けた後に入ったのが彼だったのです。そして、その後に始めたドラムのビリー・コブハムと双頭バンドも話題になりました。そのときのギターってジョン・スコーンフィールドだもの。まあ、ものすごいテクニック集団ですね。

で、その後、80年代にスタンレー・クラークと組んで、ちょっと安でのブラコンみたいなことやって、それがまあ売れて。。
そんな経緯があるもんだから、真剣にジャズを聴いている方々からは軽くみられ、ブラック愛好家の方々からは、うさんくさがられ、と、ものすごい才能があるのに、どうも正当に評価されていないんじゃないかな、と思う、ジョージ・デュークって。マイルスの『tutu』っていうアルバムのプロデュースでもグラミー賞とったし、何度もグラミーもらっているのに、、

で、今回の来日公演は4リズムの4人のみ。ステージ中央にヤマハMotif ES6が2台下手に向かってセッティングされて、その反対に上手に向けてグランドピアノがセットされている。

いやあどんなステージをみせてくれるのかと固唾を飲んでみまもっていると、定刻の9時半を少し過ぎて、メンバーがでてきて、演奏が始まる。

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1曲目はジョージの1995年の『イリュージョン』というアルバムから「500マイル」。
アルバムでの軽快なフュージョンという感じではなく、ザッパのバンドかと思わせるようなもっとぜんぜんスリリングな展開。

2曲目もゴリゴリにくる  「up on it」。これは1977年の『from me to you』からの曲ですね。

しかし、ええっと、驚くくらいメンバー全員がとんでもなくうまい。ステージ上手のギターの方、ジェフ・リー・ジョンソンという方、真っ黒な方なのだが、ソロをとると、まるで、スコット・ヘンダーソンとか、フランク・ギャンバレみたい。スウィープ・ピッキングも完ぺきだし、アウトの仕方とかカッコいい。で、他人のバッキングのときにはそれなりにおいしいこともちゃんとやるし。

個人的には、ドラムのやつが気に入りました。ドラム・ソロのアイディアもテクニックもサイコー。若い人のように見えたので、こりゃ、次代のデニチェンだなと。ロナルド・ブルーナーJr.という方。シンバルを7枚、タムを4つ、スネアを2個、使っていた。

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3曲目は、ジョージがアコピに向かい、スイートにボーカルを聞かせる「スウィート・ベイビー ~Sweet Baby」。もちろん、彼はアコピもサイコーにうまい。彼のファルセット・ボイスも以前よりもスムースでいい感じ。

4曲目は、イントロ部分でオバーチュア風にオーケストラによる音源を流して始まったのは、待ってましたの「ブラジリアン・ラブアフェア」。この曲、いい感じにラテン・フュージョン的に始まるんだけど、途中から、ザッパ的というかジョージ・デューク的展開になるとこがミソだよね。

5曲目は曲名聞き取れず。ファンクな感じで客席も多いに盛り上げる。
で、ここで本編の終わり。時計を見ると10時48分。1時間と15分はやったわけだ。

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出てきましたアンコールで、ジョージのクラビ風の音色のフレーズから始まったスライの「サンキュー」。そして、ジェームス・ブラウンの「ゴナ・ハヴ・ア・ファンキー・グッド・タイム」をメドレーで。そして、最後に「シャイン・オン」を派手にやって大ディスコ大会で終わり。

ステージは、終始ジョージ・デュークのにこやかなスマイルで進行し、でも、そこから繰り出される音はとんでもなくバカテクの技、っていうとこが、何と言うかすごみだねえ。それがこの人の真骨頂。
音楽の幅の広さもさすが。全部の楽器がユニゾンで4小節くらいの長いヘンテコな(?)高速フレーズを演奏する様はプログレ風だし、もちろん、コンテンポラリーなジャズの香りもするし、ブラコン風でもあるし。一番合う言葉はジャズ・ファンクかな。少なくともスムース・ジャズじゃないな。そんなヤワな世界じゃない。

シンセの音色もいいしね。二台のシンセのうち、下のでエレピ、アコピ、SE系の音を出し、上のシンセでブラスとか、リード系の音を出していました(まあ、普通、そうですねヽ(`▽´)/) 

このブラスの音の使い方も良かったな。よほど複雑な和音のボイシングでない限り、ジョージはオクターブをユニゾンにしていました。だから、右手のオクターブでの音の移動が速くて正確。1-4と1-5の組み合わせが自然にできてるんですね。

で、ジョージのすぐ近くの上の方から観ていたので分かりましたが、ジョージ・デュークといえど、シンセの音色を出し間違える、ということは何度かやっていたようです。これは、シンセを弾く人は分かると思うけど、音色を間違える、ということは、ステージではどんなに気を付けていても必ずやっちゃうんだよね。何か突発的なことが起きたときとか。

しかし、つくづく思った。楽器がうまいってことはやっぱりカッコいいなあ、と。

終わってCDを買うと、サインがもらえるというので、ミーハーはワタシはCDを買ってサインをしてもらいました。サインをもらうと、アーティストが身近に感じられて、自分もキーボードがうまくなるような気がして。。2000円でキーボードがうまくなるなら安いっしょ。

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帰ってきて、あの凄腕ドラマーが気になって調べたら、ロナルド・ブルーナーJr.って、
今年グラミーのコンテンポラリージャズ部門で受賞をしたスタンリー・クラーク・バンドのドラムなのね(あの信じられないくらい上手い上原ひろみさんもメンバーのバンドですねヽ(`▽´)/)。
ええ、びっくり。そうだったんだあ。

ジョージ
にサインしてもらった後、彼も近くにいたので、”キミのドラムとっても良かったよ”って言っちゃったけど、ほんとは、グラミー受賞おめでとう、って言わなくちゃいけないところ、だったのね。ちょい恥ずかしいヽ( ゜ 3゜)ノ 

しかし、これからロナルド・ブルーナーJr.は絶対に出てくるよ。要チェック。あ、もちろん、ジョージ・デュークにも。彼は、今年はこれから、アル・ジャーロウ(去年、重体説とかでましたが、元気なようですね)とのギグや、サンボーン、マーカス・ミラーとのツアーも予定されているみたいです。

【SET LIST】
M1  500 Miles to go
M2  up on it
M3  Sweet baby
M4  Brazilian  love affair
M5  Dukey Stick ?

アンコール
Thank you ~gonna have a funky goodtime
Shine on

【Member】
 George Duke(p、k、vo)
 Jef Lee Johnson(g)
 Michael Manson(b)
 Ronald Bruner Jr.(d)

 

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『デジャヴ』
ユニバーサル:UCCT-1222 

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