【ライブ・レポート】ザ・レイン・オブ・カインド(2011.2.13@渋谷クラブクアトロ)

ライブレポート by 編集部 2011年3月3日

5人組ジャム・バンド、ザ・レイン・オブ・カインドの初の単独公演の模様をお届けします。

 

ザ・レイン・オブ・カインドが2009年10月以来のの来日を果たし、2月13日(日)に初の単独公演を行った。会場となったのは東京・渋谷クラブクアトロ。
会場には開演前に到着。ステージ上にはオープニング・アクトを務めるキーボード×2+ドラムというユニークな編成のトリオ、TLKY.の機材がデンとセッティングされていた。普通バンドのキーボードは下手側にセッティングされることが多いよな、との予測のもとに下手がよく見通せる場所に位置取り。これが、後々裏切られることになるのだが……。
同じレーベルに所属するTLKY.が会場を温めてから、いよいよザ・レイン・オブ・カインドが登場。メンバーがセット・チェンジを手伝う姿が何とも初々しくてほほえましい。……むむっ! キーボードが上手にセッティングされようとしているではないか! PAの陰に隠れてよく見えない。まぁ、仕方がないか……。
演奏が始まるや、実力派バンドとの前評判が偽りではなかったことを思い知る。最初のナンバーは最新作『ディス・イズ・ワット・ハプンズ』の冒頭を飾った「Thrill Of The Fall」だ。7拍子の変則リズムが何とも心地よく、いきなり引き込まれてしまう。ドラムとベースが織り成すリズムにピアノとギターが絶妙に絡み合うアンサンブルは緻密にして抜群の安定感だ。変拍子が全く違和感として聞こえない。しかも単にCDのサウンドを正確に再現しているというだけではなく、ライブならではの爽快なドライブ感も醸し出しているのだ。彼らのサウンドがよく”ロックとジャズの融合”と表現される所以もこのあたりにあるのだろう。この一体感は相当リズム感の良い弾き手が、何度もリハーサルを重ねないと生み出せない。
この手のテクニカルなバンドでは、楽器はうまいけどボーカルが……、ということが良くあるのだが、ザ・レイン・オブ・カインドの場合はそのボーカル自体が大きな魅力になっている。声量も豊かでピッチの安定感も抜群。何より、その声そのものが魅力的だ。
ステージは「October Storm」「Nightingale」と進んでいく。3分前後の短い曲が矢継ぎ早に繰り出される展開はパンク・バンドのステージのようでもある。しかしこの短い時間の中に実にさまざまな要素がギュっと詰め込まれており、その濃度は相当違う。プログレっぽいギミックにあふれた曲から、ラテン・ビートの軽快な曲、いかにもピアノ・エモ系の美しいメロディの曲までバラエティに富んだ飽きさせない構成だ。しかし、延々とインプロビゼーションを繰り広げる場面や、過剰に客席をあおり立てるようなシーンは全くない。そのクールなステージに呼応するかのごとく、客席の方も飛んだり跳ねたりすることもなく、じっくりと耳を傾けている様子だ。ロック・コンサートにおける演じ手と聴き手の新しい関係性なのかもしれない。
曲が進むにつれて気づいたことがある。
普通クラシックでもポップスでも、音楽は”繰り返し”を骨格として構成されている。ポップスで言えば、サビのメロディを何度も繰り返すことによって、曲を印象づけるのが定番の構成だ。ところがザ・レイン・オブ・カインドのライブ演奏には、”繰り返される”要素がとても少ないのだ。もちろんメロディは1コーラス→2コーラスといった具合に繰り返しているのだろうが、周りの楽器演奏がそれを感じさせないフレーズを奏でている。言葉で言い表すのは難しいが、ギターもベースもキーボードもてんでバラバラな演奏をしているようで、全体としてがっちりと構成されているという感じだろうか。
その接着剤役を果たしているのがキーボードのケリー・サイアンドラだろう。ピアノ系のサウンドを多用していたが、いわゆる当たり前のコード・バッキングとはひと味異なり、曲のタイプに応じて実にフレキシブルな演奏を聴かせてくれた。彼の存在が、バンドのサウンドを引き締めているのは明らかだ。
ステージはミニアルバム『EP』からのナンバー「Just Wait」でいったん終了。アンコールに応えて再び登場した彼らは、やはり『EP』収録の「One Man Parade」に続いて、アルバム『リズム・コード・アンド・メロディ』の冒頭を飾ったピアノのアルペジオが美しいバラード「The Moments In Between」でしっとりと締めくくってくれた。
アンコールも含めて1時間を少し超える程度の演奏時間。時間的には短いものの、実に充実した”濃い”ステージが堪能できた。
SET LIST
01 Thrill of the Fall
02 October Storm
03 Nightingale
04 Hold Out
05 Flowers By The Moon
06 Bullets In The Air
07 Out Of Sight, Out Of Mind
08 Great Blue Sea
09 Symptoms Of A Stumbling
10 Blistered Hands
11 Let It Go
12 Rock With Youハ (マイケル・ジャクソン・カバー)
13 Needle & Thread
14 Just Wait
E.C.1  One Man Parade
E.C.2 The Moments In Between

 

ザ・レイン・オブ・カインドが2009年10月以来のの来日を果たし、2月13日(日)に初の単独公演を行った。会場となったのは東京・渋谷クラブクアトロ。

会場には開演前に到着。ステージ上にはオープニング・アクトを務めるキーボード×2+ドラムというユニークな編成のトリオ、TLKY.の機材がデンとセッティングされていた。普通バンドのキーボードは下手側にセッティングされることが多いよな、との予測のもとに下手がよく見通せる場所に位置取り。これが、後々裏切られることになるのだが……。

同じレーベルに所属するTLKY.が会場を温めてから、いよいよザ・レイン・オブ・カインドが登場。メンバーがセット・チェンジを手伝う姿が何とも初々しくてほほえましい。……むむっ! キーボードが上手にセッティングされようとしているではないか! PAの陰に隠れてよく見えない。まぁ、仕方がないか……。

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演奏が始まるや、実力派バンドとの前評判が偽りではなかったことを思い知る。最初のナンバーは最新作『ディス・イズ・ワット・ハプンズ』の冒頭を飾った「Thrill Of The Fall」だ。7拍子の変則リズムが何とも心地よく、いきなり引き込まれてしまう。ドラムとベースが織り成すリズムにピアノとギターが絶妙に絡み合うアンサンブルは緻密にして抜群の安定感だ。変拍子が全く違和感として聞こえない。しかも単にCDのサウンドを正確に再現しているというだけではなく、ライブならではの爽快なドライブ感も醸し出しているのだ。彼らのサウンドがよく”ロックとジャズの融合”と表現される所以もこのあたりにあるのだろう。この一体感は相当リズム感の良い弾き手が、何度もリハーサルを重ねないと生み出せない。

この手のテクニカルなバンドでは、楽器はうまいけどボーカルが……、ということが良くあるのだが、ザ・レイン・オブ・カインドの場合はそのボーカル自体が大きな魅力になっている。声量も豊かでピッチの安定感も抜群。何より、その声そのものが魅力的だ。

ステージは「October Storm」「Nightingale」と進んでいく。3分前後の短い曲が矢継ぎ早に繰り出される展開はパンク・バンドのステージのようでもある。しかしこの短い時間の中に実にさまざまな要素がギュっと詰め込まれており、その濃度は相当違う。プログレっぽいギミックにあふれた曲から、ラテン・ビートの軽快な曲、いかにもピアノ・エモ系の美しいメロディの曲までバラエティに富んだ飽きさせない構成だ。しかし、延々とインプロビゼーションを繰り広げる場面や、過剰に客席をあおり立てるようなシーンは全くない。そのクールなステージに呼応するかのごとく、客席の方も飛んだり跳ねたりすることもなく、じっくりと耳を傾けている様子だ。ロック・コンサートにおける演じ手と聴き手の新しい関係性なのかもしれない。

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曲が進むにつれて気づいたことがある。

普通クラシックでもポップスでも、音楽は”繰り返し”を骨格として構成されている。ポップスで言えば、サビのメロディを何度も繰り返すことによって、曲を印象づけるのが定番の構成だ。ところがザ・レイン・オブ・カインドのライブ演奏には、”繰り返される”要素がとても少ないのだ。もちろんメロディは1コーラス→2コーラスといった具合に繰り返しているのだろうが、周りの楽器演奏がそれを感じさせないフレーズを奏でている。言葉で言い表すのは難しいが、ギターもベースもキーボードもてんでバラバラな演奏をしているようで、全体としてがっちりと構成されているという感じだろうか。

その接着剤役を果たしているのがキーボードのケリー・サイアンドラだろう。ピアノ系のサウンドを多用していたが、いわゆる当たり前のコード・バッキングとはひと味異なり、曲のタイプに応じて実にフレキシブルな演奏を聴かせてくれた。彼の存在が、バンドのサウンドを引き締めているのは明らかだ。

ステージはミニアルバム『EP』からのナンバー「Just Wait」でいったん終了。アンコールに応えて再び登場した彼らは、やはり『EP』収録の「One Man Parade」に続いて、アルバム『リズム・コード・アンド・メロディ』の冒頭を飾ったピアノのアルペジオが美しいバラード「The Moments In Between」でしっとりと締めくくってくれた。

アンコールも含めて1時間を少し超える程度の演奏時間。時間的には短いものの、実に充実した”濃い”ステージが堪能できた。

 

SET LIST

01 Thrill of the Fall
02 October Storm
03 Nightingale
04 Hold Out
05 Flowers By The Moon
06 Bullets In The Air
07 Out Of Sight, Out Of Mind
08 Great Blue Sea
09 Symptoms Of A Stumbling
10 Blistered Hands
11 Let It Go
12 Rock With Youハ (マイケル・ジャクソン・カバー)
13 Needle & Thread
14 Just Wait

E.C.1  One Man Parade
E.C.2 The Moments In Between

ザ・レイン・オブ・カインドMyspace

 

『This Is What Happens』

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