【ライブレポート】ケン坊のLOUD PARK09レポート④

ライブレポート by 編集部 2009年11月15日

キーボーディスト川村ケンさんによるLOUD PARK09(10/18)のライブ・レポート。パート4です。

続くサンクチュアリ・ステージでは、
ゴットハードの演奏が始まっていました。
デビュー17年を迎える、スイスの国民的なロック・バンドです。

ライブ映像を観たことがなかったので、
ツイン・ギターのバンドだと思っていたら、
なんとキーボードがいるじゃないですか。
これはうれしい誤算でした。

ステージ下手に中央に向けて横向きにセットされていた2台は、
下にノードNord Stage(たぶん)そして、その上にヤマハMotif。

ルックス的には普通におじさん風だったのですが・・・
とってもよいキーボーディストでしたね。

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▲ゴットハード①

バンド・サウンドは、まさに王道を行くポップ・ハードロックで、
ガンズ・アンド・ローゼズやホワイトスネイクと重なるポイントが
多かったように思います。

いわゆる、売れ線のロックですから、
初心者や女性にも受けがいいのではないでしょうか。

音の歪み具合も程よく、実はこのゴットハードのときが
一番キーボードが良く聴こえたのです。

バンドが大人だということもあり、
キーボードがいることを一番ちゃんと全員で考えて、
それ含みで構築されているサウンドだと感じました。

“キーボード? 必要なときは欲しいけど、いつもはいらないなぁ”

というスタンスを取られることもある中、
このバンドのサポートをしている
あのキーボーディスト氏は幸せだなぁ、と思いました。

サポートなのに、”カモン! オルガン!”などと、ソロも振ってもらえ
(しかもちゃんと”オルガン!”と言ってくれる人は意外にいないです。
せいぜい”キーボード”ですよ、普通)、

しかもボーカルのスティーブ・リーが
キーボード・セットのそばまで煽りに行って“イエィ!”って
盛りあげるものだから、お客さんも必然的にキーボードに注目しますしね。

曲中でのギタリストとの”棲み分け”も完成されていて、
今回のフェス中では一番音楽的な構築美という意味では完成度が高く、
一般受けしそうなアクトだったと思います。

ギターとボーカルのフェイクでの掛け合いは
“ディープパープルのライブ・イン・ジャパンみたいだなぁ”
と思いましたが(しかし上手い!)、
なんとあの名曲「ハッシュ」なんかもやったりしてね。

エンディングにはあの、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の
ライブ・バージョンの”スネアのフィル~ジャジャン!”で終わる
あの世界一有名なエンディングのキメをやってくれたりで、
お客さんも大喜びでした。

時代的に、ドンピシャなバンドでした。

僕メモは

“パパローチに負けてない!”

でした。
まぁ、ギャラではわからないけれど・・・
と、これはいらぬおせっかい。

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▲ゴットハード②

そして、ドイツ発の大ベテラン、フェア・ウォーニング

このバンドが目当てだったというファンも多いのではないでしょうか。
選曲も日本のファンのことを考えた、往年のヒットソングを連発、
上手な演奏と上手なボーカルによる美しいメロディのオンパレード。

なんていうカッコいいバンドなんでしょうね。

曲がいいというのは宝です。
「エンジェルズ・オブ・ヘヴン」「セイヴ・ミー」そして、
名曲中の名曲「アウト・オン・ザ・レイン」。

・・・で、それを僕は、またもや、ベトナムのフォーを食べながら、
遠くでうっすら聴いていたという。

これは、今回最大の失態とも言えるでしょう。

でもだってお腹が減ってしまって・・・。
このあと、アンヴィルチルドレン・オブ・ボドムあるしなぁ、
今のうちにと。

いえ、戻ろうとは思ってたんです、食べてすぐに。
でも、フォー、・・・結構並んでて。
でも、少し寒くなってきたから温かい汁ものが食べたくて。

後日、友人に

“「LOUDPARK」行ったんだって!? フェア・ウォーニング出たんでしょ!
どうだった? いやー、観たかったなあー”と畳み掛けられ、

“あー、う、うん。良かったよ。”

とモゴモゴしてしまいました。
あー、失敗したー。
仕方ないので、ファースト・アルバム聴きます、泣きながら。

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▲フェア・ウォーニング

そして、アンヴィル

彼らを追ったドキュメンタリー映画
『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』が公開されたばかりですが
(この原稿を書いている時点では未観)、
メタル界ではとにかくこの映画とリンクして、
今アンヴィルの話題性は抜群に高いです。

サンクチュアリ・ステージには

“まだかまだか”

と、この78年デビューの(30年オーバー!)大ベテラン・バンドを
観ようと若いファンもたくさん詰め掛けていました。

なんかギター・アンプのトラブルで少し押したんですが、
程なくまず映画監督
(元ツアー・スタッフだったのだそう。だから沢山の記録が取れたんですね)
が出て来て、一盛り上がり。

そして、いよいよ曲が始まったぞ!とさらに盛り上がりかけたんですが・・・、
このバンド、・・・あまり、じょう、・・・いや、はっきり言って、下手っぴ?

びっくりするくらい、普通にエイトの刻みが三人で合わないのですよ。
わざとかなって思ったんですけど、どうもそうでもないらしく・・・。

“あぁ、これはホワイトスネイクや
ボン・ジョヴィみたいにはならなかったのも頷ける”
と思いました。
でも、これがアンヴィル。いや、これでこそアンヴィル。

突然馬鹿テクのバンドになられたら、それこそ困るわけですよ。
B級バンドでいてくれなくちゃ!

そんなアンヴィルを見守るお客さんはとってもとっても温かかった。
その姿に、なんだか泣けてきましたよ。

映画、絶対に観たいと思います。

メモには三段階で

“あれ? へた?”"ちょっとへた”"・・・かなりへた”

と書いてありました。
でも、好きです、アンヴィル。
“メタル・オン・メタルだぜ!”
イエーイ!

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▲アンヴィル

さて、アンヴィルを途中で諦めて、個人的には本日のNo.1のお目当てだった
チルドレン・オブ・ボドムを頭から観るために
ビッグ・ロック・ステージへ走ります。

さすが旬のバンド、若いファンが多く陣取っていて、なかなか前へ進めず。
しかしあまり前に行き過ぎてサークル・ピットに
巻き込まれてもお兄さん困っちゃうので、
程ほどのところで場所を確保。

時間通り、低音で期待感を煽るSEに乗ってメンバーが出てきました。

おお、本物だ。ヤンネだ!

“ヤン様―!”

うん、キーボードもちゃんと立っている!

曲が始まると、目の前にいた2人連れの女の子がいきなりのヘドバン。

うーむ、凄い。

ってか、ビックリしました。
でも、メタル・ライブですからね。

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▲チルドレン・オブ・ボドム

さて、バンドの音ですが、まず、こういうノっているバンドの
勢いを一番に感じました。

タイトな演奏なんですけれども、
アレキシのギターもボーカルも、全てが攻撃的に前に出てくるのです。

“オラオラオラオラ!”って感じ。

顔つきからもプレイからも、
今の時代を引っ張っている自信みたいなものを感じました。
っても、もうデビュー10年を超える中堅なんですよね。

でもなんか若いんですよねー。

ヤンネは、曲が速くなると白玉になるので暇なのか、
曲中、片手はキーボードに置きつつも、
横のラックの上にあるビールを飲みまくっていました。

時折、水と交互に。

あの瞬間、ほかのメンバーは高速サウンドを
ドライブさせるのに死に物狂いなわけで、
そのギャップがなんとも可愛らしいというか、なんというか。
まぁ、当然、わざとだと思いますけどね。

“ここは、ビール飲むと目立つな”みたいな。

ただし、曲のイントロはアルバムでもそうですが、
キーボード始まりがとても多いのです。
なので、ヘベレケになるわけにはいかないと思います。

白玉とかではなくて、結構テクニカルな
速いアルペジオ・フレーズから始まることも多いので、
集中力は途切らせるわけにはいかないでしょう。
実際、ミスは全然ありませんでした。
お酒、強い?

曲中でのインタールードでは、
アレキシがかならずヤンネの横に行っての
掛け合いなりハモリを見せてくれて、

“やっぱり仲がいいなぁ”

となんだかうれしくなりました。
仲良きことは美しきかな。

ただ、事情がわからないのか、曲を知らないのか、
会場の大型ビジョンのカメラがアレキシばかり写してしまい、
せっかく並んでいるのに2人を同時に抜かず、残念でした。

あれでは後から映像みたら、アレキシもヤンネ

“なんだこりゃ”

って思うんじゃないかなぁ、と心配になってして。

チルボドの掛け合いはオイシイ売りのシーンですからね、
もっとしっかり観たかったです。観せたかったです。

さて、1曲終わるたびに、モニターに注文があるのか袖に引っ込むアレキシ。
途中、間が空いてしまったときヤンネが

“ニホンニ、マタカエッテコレテ、ウレシイデース”

とタドタドしいながらも日本語で挨拶してくれました。
うーん、ヤンネもやっぱりいいやつに違いない。

メモは

“ビールと水”

でした。
チルボドは当分敵なしでしょう。

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▲ヤンネ・ウォーマン

(パート5へ続く)
*LOUD PARKの裏話ほか、川村さんの日常はご本人のブログでも公開中!
ケン坊のこんな感じ。

 

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