Battle Cry@Zepp DiverCity TOKYO(2012.5.22)

ライブレポート by 編集部 2012年9月7日

2012年5月22日、お台場のZepp DiverCity TOKYOで行われたBattle Cryのライブの模様をレポートします。

熟練ミュージシャンたちが心を一つにした演奏は、とにかく圧倒的。去る5月22日、お台場のZepp DiverCity TOKYOで行われたBattle Cryのライブを見て最初に抱いた印象はそのようなものだった。

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Battle Cryとは、ボーカルのkoを中心に、今剛(g)、松原秀樹(b)、長谷川浩二(d)、小島良喜(key)、Susumu.K(g/cho)というメンバーで構成されるバンド。日本の音楽シーンを支える凄腕セッション・マンが並んだこの顔ぶれを見ただけで、ワクワクしてくる人も多いだろう。2010年に結成されたこのバンドは、同年10月に渋谷で行われた完全招待制のライブでデビュー。ライブに先駆けて、当サイトでメンバーのコメントが公開されており(http://port.rittor-music.co.jp/guitar/information/battlecrylive.php#prof_index)、これを読むとバンド結成に託した各人の思いを知ることができる。

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4月末にオープンしたばかりの真新しい会場を使って行われたこの日のライブは、プロモーション・ビデオの撮影も兼ねていて、オーディエンスにはバンドのロゴが入ったTシャツが配布された。お揃いのシャツでフロアが埋まった様子は壮観で、ビデオ撮影の舞台が完璧に整った中、ライブはスタートした。

まず感じたのは出音の大きさ。バンド全体のサウンドがガツンとした塊になって迫ってきて、体全体を揺さぶってくる。しかし決してうるさい音ではなく、ボーカルはきちんと聴き取れるし、各メンバーが奏でる音も実にクリア。例えて言うなら、しっかりチューニングされたオーディオ・システムを爆音で鳴らしている感覚に近い。常日頃からミリ単位の精度でプレイを研ぎ澄ませているプレイヤーたちが、ステージ上で本気を出したときの”すごみ”のようなものが、音の隅々にあふれている。冒頭で書いた”圧倒的”というのはそのことだ。

_50P4756.jpgこの日披露された楽曲はすべてオリジナルで、曲によっては、サポート・メンバーとしてホーン・セクション(竹上良成、河合わかば、エリック宮城、ルイス・バジェという、これまた強力な布陣!)やコーラス、さらにクロマチック・ハープで西脇辰弥も参加。そんな豪華なステージの中で一際輝きを放っていたのが、キーボードの小島良喜だ。まず、舞台中央やや下手寄りに陣取った小島のブースがすごい。もともとBattle Cryのライブでは本物のハモンド・オルガンを使うことがテーマの1つになっているが、今回はなんと3台ものハモンド(A-100、B-3、C-3)が登場。さらにコルグKRONOS(主にピアノ音色で使用)、そしてメロトロン(これも本物!)まで並べるという、なかなかお目にかかれないゴージャスなセッティングである。

“大人のハード・ロック”をイメージさせるBattle Cryの楽曲で、主に使われたのはやはりハモンド。チャーチ・オルガン的なトーンのA-100と、ゴリッとした感触のB-3を、曲ごとに、あるいはセクションによって自在に使い分ける様子はさすがの一言だ(C-3は曲間で試し弾きのようにプレイされたのみで、曲の中で使われることはなかった)。加えて、MCでもボーカルのkoと絶妙の絡みを見せたり、セット・チェンジ時に即興でBGM的な演奏を聴かせたりと、ある意味ライブのムード・メーカー的な役割も担っていたと感じた。

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気がつけば、途中にアコースティック・コーナーをはさんだ全14曲のライブはあっという間に終了。ビデオ収録という特殊なシチュエーションならではの”ゆるさ”もまた心地よく、それとは対照的に終始完成度の高かったパフォーマンスが、帰り道でもずっと余韻として残っていた。それそれが多忙なメンバーゆえ、ハイペースなライブ活動はあまり期待できないと思うが、生身の人間による歌と演奏だからこそ生み出せる表現力を、あらためて体全体で感じた貴重な夜だった。

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なお、このBattle Cryは、Battle Cry Soundと名付けられたレコーディング・スタジオを拠点に、”1億総アーティスト〜for your dream”というプログラムを立ち上げている。これは、自分のオリジナル音源を作りたいと思っている人をBattle Cry Soundがプロデュース/演奏などで完全バックアップするというもの。詳しくはスタジオのサイト(http://www.bc-s.co.jp/)を見ていただきたいが、今回のライブでオーディエンスを圧倒した”本物たち”の力を味方につけられるこのプログラムは、さまざまな面で過渡期にある現在の音楽シーンにおいて注目に値する。我こそはと思う人は、ぜひチェックしてみてほしい。

 

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