【インタビュー】ジェシー・カーマイケル(マルーン5)

インタビュー by キーボード・マガジン編集部 2011年10月7日

Jessie1_1

キーボード・マガジンSUMMER号にて取材したマルーン5の日本公演。本誌では掲載しきれなかったジェシー・カーマイケルのインタビューを紹介します。

3年ぶりの新作『ハンズ・オール・オーバー』を発表し、今年5月に4度目の来日ライブを果たしたポップ・ロック・バンド、マルーン5。シャニア・トゥウェインやニッケルバックを手がけるロバート・ジョン”マット”ラングをプロデューサーに迎えたこの3rdアルバムは、持ち味であるファンク・ロックのフィールをよりディスコやR&Bなどのブラック・ミュージックに接近させたものになっており、バンドの音作りにおいて大きな変化をみることができる。そのニュー・アルバムの制作方法やいきさつについて、キーボーディストのジェシー・カーマイケルに話を聞いた。

通訳・翻訳:川原真理子
撮影:土井政則

リラックスして作ったアルバムだけど
クオリティには妥協しなかった

今までのアルバムと曲作りの方法は変わっていない

●『ハンズ・オール・オーバー』について、アルバムを作る際にコンセプトはありましたか?

○いや、コンセプトは特になかったよ。ただ過去の2枚のアルバムでは、受けてきた影響をはっきり出すようにしていたけど、今回は2枚アルバムを出したあとだし、リラックスして思いつくままに作曲していったんだ。僕たちはいろんなジャンルの音楽が好きだから、さまざまなジャンルの曲をね。でも、クオリティにはこだわったから、途中でボツにした曲もあるよ。

●過去のインタビューで言っていたように、作曲の方法はジェシーやアダム(・レヴィーン/vo,g)が作ったコード進行にメロディをのせていく、というものでしたか?

○ジェイムス(・バレンタイン/g)も曲作りに参加しているけど、作曲の方法はアルバム3枚とも変わっていないよ。

●今でもジェシーはピアノで作曲することが多いですか?

○そうだね。

●あなたが作曲に関わった曲について、いくつか聞かせてください。「ミザリー」はアダムとの共作だそうですが、どのようにして生まれた曲なのですか?

○「ミザリー」がアルバム中で一番レコーディングに時間がかかったよ。作り始めたのは何年も前で、まず思いついたサビのコード進行にアダムがメロディつけたんだけど、そのコード進行は結局ブリッジに使うことにした。だから、アダムは自分が書いたサビに新しいコードをつけた。Aメロのアイディアも3つ4つあったから、今の形に落ち着くのに結局数カ月かかったよ。

●では、「ハウ」はいかがですか? ピアノのリフやサビの盛り上がりなど、聴きどころの多いアレンジになっていますが。

○「ハウ」も、ずいぶん前に書いた曲なんだ。ラスベガスに行ったときで、これまたアレンジがいろいろ変わってね。なぜかというと、僕たちは必ず、最初に思いついたアレンジでレコーディングしてみて、どうもいまいちだなと思ったらまた別のアレンジを試していくからなんだ。そして大抵は、いろいろ試してみたバージョンをつなぎ合わせて曲ができるのさ。

●「ジャスト・ア・フィーリング」はコード進行がとても美しい曲ですね。

○この曲のコード進行はセカンド・アルバムのツアー中、サウンド・チェックのときに僕が思いついたものなんだ。ツアーが終わったあとにアダムとピアノと歌だけのデモを作ったんだけど、そのときはまだサビすらなかったね。そこでマット(・フリン)が、新しいコード進行と歌詞ができるまで僕たちをスタジオに閉じ込めたんだ。彼はいつもそうやって僕たちをかき立ててくれるんだよ。それでようやくコードを書き上げ、僕がいったんスタジオを出ている間に、アダムがアレンジをし始めていて、僕が戻ってきたときには、同じ曲と分からないほどだった。ピーター・ガブリエルやフィル・コリンズに影響されたような美しいフィーリングにね。

 

僕の理想はキーボードをすべてハードでそろえること

●プロデューサーのロバート・ジョン”マット”ラングと作ってみていかがでした?

○すごく勉強になったよ。エンジニアのスヴェンも含め、彼らの耳はものすごく繊細でちょっとした周波数の乱れにも気づくから、マスタリングですべてがしっくりくるようにEQをかけることができたんだ。おかげで低域から高域までとてもクリーンに聴けるアルバムになったよ。

●アルバムで使用したキーボードは何ですか?

○アップルLogicに内蔵されたソフトシンセをたくさん使った。ほかにはピアノとハモンドB-3、ウーリッツァーだね。それと、ライブでも弾いているノードNord Lead。アナログ・シンセサイザーや、モジュール系のシンセサイザーも使ったけど、何だったかは覚えていないな。適当に音を選んで、気に入った音色を使っていたから。

●ソフト・シンセを使ったと言いましたが、ハード・シンセとどちらをよく使いますか?

○僕は昔からハードの方が好きで、ソフト・シンセをメインにしたことはない。ソフトのMinimoogは、オリジナルのアナログほど良くないもの。だから、僕の理想はすべてをハードでそろえることなんだ。

●所有している中で気に入っているキーボード、そして現在欲しいキーボードを教えてください。

○ウーリッツァー200Aは大好きだよ。あと、ローズも大好きだ。欲しいキーボードは、ハープシコードかな。でも、高いんだよ!(笑)

●最後に、あなたのように作曲も演奏もできるようになりたいと思っている読者へアドバイスをお願いします。

○たくさん演奏することだね。1万時間も弾けば、演奏も作曲もモノになるんじゃないかな。

 

TUNECORE JAPAN