ギター・マガジンをご覧の皆さん、はじめまして! MI Japan仙台校ギター講師の土井です。リレー式誌上クリニック講師のバトンを渡され、手に汗握りながら歩いてます。今回初登場! よろしくお願いします。学校ではおもにリズム・アンサンブルの授業を担当。毎晩4〜6回のステージを約20年、通算2〜3万回ステージを経験した中(まだ現役!)で、セッション・メンバーやPAさんにもウケのよかったリズム・ギター・フレーズのごくごく一部を紹介します。改めて譜面に起こしてみたらシンプルなコードのシンプルなパターンが実はカッコいいんだなぁと思った今日この頃。マジ凄腕MI講師陣さんのテクニカル・フレーズ集とは対局的な内容ですが、リズム・ギターを弾くよろこびも伝われば幸いです。実は僕も大好きなテクニカル・フレーズでぶっ飛び、ファンキー・ギターでワクワクしましょう。
◎基本フレーズ
①16分音符の各4つ目を意識した練習。アクセントをつけるわけではないんですが、わかりやすくしてみました。②R&Bや初期のFunkで僕がよくイメージする大雑把なリズム・パターン。ザッ、ザッと弾く感じで。③休符とミュート入りの違いを知りましょう。④4ビートの練習パターン。表拍と裏拍のイメージを大切に。詳しくは動画でどうぞ。
◎練習フレーズ
Ex-1
Emペンタの単音を用いたフレーズ。実音を大事にして休符部分のミュート音があまりデカくならないようにしましょう。ノリ的には16分音符を意識しながらもアタマ拍をザッ、ザッ、ザッと鋭く弾く感じがよいと思います。R&Bと言われる楽曲は膨大にありますが、僕はスタックスのバンドの演奏を意識してます。
Ex-2
1拍目のスライドが印象的な単音と省略形7thコードを混ぜたフレーズ。ノリはEx-1と同じ感じ。ただベースが低音で音数の多いリフを弾いていたらギターの細かい低音フレーズは省略した方がよく、アンサンブルにも気をつけましょう。
Ex-3
16分音符が緩〜くハネた横ノリのフレーズ。ピッキングは少し軽目にショワショワ〜と弾くと感じが出ますが、ジャラジャラとだらしなくコードが鳴らないように注意です。70年代以降のモータウン・バンドを意識してます。
Ex-4
おーっとしまった! あの有名曲そのままのイントロ・フレーズ。 80年代の特徴的な機械ノリに手弾きでどれだけ良いノリを出すかがテーマです。ストレートな16ビート(音符)で弾きますが、ところどころ音符の微妙な長さのコントロールと軽快さが肝と思います。
Ex-5
Key-Cの逆循環コード進行での飛び道具的なフレーズ。ミディアム・スウィングですが、シンコペを駆使してスピード感も出すこと。実はテンポがマッタリでも音のスピード感を出さないとリズムは生きてきません。ハシるという意味とは違いますが、リズムの重要な要素と思います。
Ex-6
4ビートのランニング・ベースにたまに和音を入れる形のコンピング・フレーズ。ギター伴奏のみのデュオには重宝します。勿論4ビートを意識して弾きますが、裏拍に入るコードを歯切れよく弾くのが肝です。ベースラインはピックじゃなく親指で弾きます。
本記事について
本記事は『ギター・マガジン2014年8月号』掲載のページを転載したものです。