モーダルインタージェンジでイパネマのBをメロディアスに/MI Japan ギター・クリニック

MI JAPANギター・クリニック by 壁瀬高至 2013年1月13日

読者のみなさま,始めまして。MI JAPAN大阪校インストラクターの壁瀬です。普段MIでは音楽理論からアンサンブルまで幅広く授業を担当していますが,最近は特に状況に応じたスケール選択を教える授業が多くなりました。ちょっと変わったところでは,アニソンのコード進行を分析してソロを弾くなんて授業もやってます。最近のアニソンは本当におもしろくて,同主調転調(短三度転調)や近親調転調が満載の曲なんかもあって結構勉強になります。実際にソロを弾くのは大変ですけどね(笑)。
さて今回のセミナーですが,テーマはモーダルインターチェンジ(同主調転調)でのフレーズの組み立て方を,「イパネマの娘」のBセクションで実践してみようの巻です。この部分のハーモニーの解釈についてはいろいろな考え方がありますが,ここではモーダルインターチェンジの三段階転調と解釈してフレーズを構築してみましょう。ちなみにkeyはFです。

メジャーからマイナー・スケールへの移行

では譜例1を見てください。まず1段目ですが,ここはD♭キーのⅣM7-♭Ⅶ7と考えます。通常この流れはⅠM7コードに進行して緩めに解決するのですが,ここではドミナント・コードが解決せずに次のキーに進行しています。だから全体的にフワっとしているんですね(笑)。コード・トーンで対処したり,コードに対してスケールを当てはめていくアプローチもありますが,今回は思い切ってD♭メージャー〜マイナーの同主調転調で弾いてみます。必殺コード・トーン無視です(笑)。メロディックなラインを意識しながら,2弾目のEメジャーに移行していきましょう。ちなみにD♭(C#)マイナー・スケールと続くEメジャー・スケールは平行調の関係にあるので構成音自体は同じですが,気持ちを切り替えてEメジャーなメロディ
を弾くのがポイントです。そしてEマイナー・スケール〜もとのキーである3段目のFメジャー〜マイナーへと移行します。最終4段目は再びFメジャーに戻るのですが,D7(#11)のところはコード・トーンの関係上FとGを,C7(#11)ではFを半音上げてやる必要があります。ちょっと厄介ですが,あくまで自然に音を変化させるように心がけてください。何やったら使
わんかったらエエんです。

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マイナー・ペンタトニックでのアプローチ

メジャー・スケールからマイナースケールへのラインメイクのヒントは連動動画で解説していますので興味のある方はぜひご覧ください。参考譜例はあくまでポジションの目安です。リズムをフェイクさせながら,まずは同ポジション内でなるべくシンプルにメジャー,マイナーを弾き分ける感覚を身につけましょう。

続く譜例2はマイナー・ペンタトニックを使ったアプローチです。ここでのポイントは“マイナーペンタですどうもすいません”みたいないかにもなフレーズを避けて,適度に音やリズムを“散らしてやる”ことです。通常キーが変わる場面では一旦仕切り直し的なアプローチをする事が多いですが,今回はキーをまたぐところをひとつのマイナー・ペンタで突っ切る方法を考えてみました。実際に弾いてみるとなかなかに爽快です(笑)。4段目はAマイナー・ペンタ一発でアプローチしますが,C7(#11)のところはG音がテンションと当たるのでさらっと避けてます。この譜例もリズムやポジションはあくまで目安と考え,慣れてきたらどんどん自由に演奏しましょう。

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壁瀬高至

大阪芸大建築学科卒。05 年よりMI JAPAN 大阪校インストラクターに就任。エレクトリック,アコースティックを問わず幅広いギタースタイルを生かしたサポート活動に加え,近年は作編曲活動にも積極的に携わっている。ギターを始めたきっかけはジョージ・リンチ。好きなアーティストはスティーリー・ダン。ギタリストには珍しい絶対音感の持ち主。

本記事について

本記事は『ギター・マガジン2013年1月号』掲載のページを転載したものです。

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