セカンダリー・ドミナントとは?/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第30回

指板図くんのギター・コード講座 by 編集部 2011年2月8日

今日のテーマは「セカンダリー・ドミナント」です。

セカンダリー・ドミナントを含むコード進行

今日説明するセカンダリー・ドミナントは、曲のコード進行を作る上でとても役立つものです。

まずセカンダリー・ドミナントなるものを含むコード進行を、音の鳴る指板図で5つ示しましょう。いずれもコード3つからなる短い進行で、キーはCメジャーです。各段、左から順に♪ボタンをクリックしてください。

※音の鳴る指板図はFlashで作られているため、お使いの環境によっては表示されません。ご了承ください。

今の5つのコード進行の中の、それぞれ2個目のコードであるA7、B7、C7、D7、E7が、セカンダリー・ドミナントと呼ばれるものです。また、これらのコードにはいくつかの共通点があります。

共通点その1は、どれもがセブンス・コードであること。これは一目瞭然ですね。

共通点その2は、どれもCメジャーのダイアトニック・コードではないこと。Cメジャーのダイアトニック・コードは、(四和音の場合)C△7、Dm7、Em7、F△7、G7、Am7、Bm7(♭5)ですから、A7、B7、C7、D7、E7はダイアトニック・コードではないわけです。

そして共通点その3は、セカンダリー・ドミナントから次のコードへは完全5度下行もしくは完全4度上行で進んでいるということです。完全5度下行と完全4度上行は言い方が違うだけのものですが、ギターでのルートの動きはそれぞれ次のようになります。上の5つのコード進行の2番目のコードから3番目のコードへのルートの動きは、この図のいずれかに当てはまることを確認してください。

さて、Cのキーの曲にCのダイアトニック・コードではない「異物」を入れてしまって良いのか?と疑問に思う人もいるかもしれません。答えは「異物でも、セカンダリー・ドミナントならまったくOK」です。逆にセカンダリー・ドミナントを入れることで、「グッとくる」コード進行が作れます。

試しに、次の表の各行の、左と右のコード進行をギターで弾き比べてみてください。左がダイアトニック・コードだけでできた「異物なし」の進行、右がセカンダリー・ドミナントを混入した「異物入り」の進行です。

異物なし 異物入り
C△7-Am7-Dm7 C△7-A7-Dm7
C△7-Bm7(♭5)-Em7 C△7-B7-Em7
C△7-C△7-F△7 C△7-C7-F△7
C△7-Dm7-G7 C△7-D7-G7
C△7-Em7-Am7 C△7-E7-Am7

これらのコードの押さえ方をまだ覚えていない方のために、指板図も示しておきましょう。以下の図では、「異物」のコード名と、Cメジャー・スケールに含まれない音を赤い色にしています。

ひととおり弾いてみて、いかがでしたでしょうか?

おそらく「異物なし」の進行は、どれもがわりとサラッとした印象だったと思います。

一方、「異物入り」の方は、2個目のコードでやや緊張をはらむ感じになり、その緊張感が3個目のコードで解消される感じになったと思います。これがさきほど言った「グッとくる」感じなんですが・・・これ伝わるでしょうか?

そしてこの2個目と3個目のコードで何が起きているのかというと、それは前回説明した「ドミナント・モーション」です。

じつはCのキーのダイアトニック・コードでドミナント・モーションを作ろうとしても、その中にあるセブンス・コードはG7だけなので、進行としてはG7-C△7(とか)しか作れません。これだといまいち盛り上がりに欠けたコード進行になってしまいます。

しかし、基本的にはCのキーのダイアトニック・コードで作られたコード進行の中にセカンダリー・ドミナントという「異物」を混入することにより、他の箇所でもドミナント・モーションを起こすことができ、これによりコード進行に起伏を付けることができるわけです。

また、セカンダリー・ドミナントは「異物」ではありますが、そこから完全5度下(=完全4度上)のコードに進むという使い方をしている限り、ダイアトニック・コードとの親和性は良いんですね。その使い方ならまず間違いがないというか。

ダイアトニック・コードの前にセカンダリー・ドミナントを挿入する、というイメージ

先の「異物なし・異物入り」の表では、2個目のコードを、ダイアトニック・コードから、それと同じルートを持つセブンス・コードに変えてみる、ということをしていたわけです。もうひとつ、あるダイアトニック・コードの手前にセカンダリー・ドミナントとなるセブンス・コードを挿入する、という捉え方もあります。

次の表の「元の進行」は2つのコードからなるコード進行で、「異物入り」は、最後のコードの手前にセカンダリー・ドミナントとなるセブンス・コードを挿入したもの、となっています。ま、結果は先の例と同じですが。

元の進行 異物入り
C△7-Dm7 C△7-A7-Dm7
C△7-Em7 C△7-B7-Em7
C△7-F△7 C△7-C7-F△7
C△7-G7 C△7-D7-G7
C△7-Am7 C△7-E7-Am7

この場合、ダイアトニック・コードであるDm7、Em7、F△7、G7、Am7を「ターゲット」と見なして、その手前にドミナント・モーションを起こすためのセカンダリー・ドミナント・コード(ターゲットに対して完全4度下=完全5度上)を挿入する、という見方になります。ターゲットとなるダイアトニック・コードが主で、セカンダリー・ドミナントは従、と言えば良いでしょうか。そしておそらくはこちらの方が、セカンダリー・ドミナントについての正当的な解釈になるかと思います。

セカンダリー・ドミナント入りのコード進行を作ってみよう

さて、今回はセカンダリー・ドミナントについてごく簡単に説明しました。より深いことを知りたい方は音楽理論書をひもといてみてください。本講座の今回の内容を読んだあとなら、わりと簡単に理解できるかと思います。

また今回の内容が腑に落ちなくても、ギタリストならば、上に書かれたコード進行を何度も弾き、手クセとして覚えてしまう(ギタリストはこれが得意!)のが良いと思います。セカンダリー・ドミナントを使ったコード進行作りが、すぐにできるようになるはずです。

※なお、今日紹介したコード進行はすべてC△7で始まるものでしたが、これは単に、曲のキーがCメジャーであることを明示したかっただけにすぎません。C△7の替わりに、Cのキーのダイアトニック・コードのいずれかのコードを入れてみたりもしてみてください。

最後に、音の鳴る指板図で、オモチャ的なものを作ってみました。

ここで上段に並んでいる7つのコードは、おなじみCのキーのダイアトニック・コードです。下段に並んでいるのは、今日学んだセカンダリー・ドミナントです。これらを適当な順で鳴らすとコード進行が作れますが、ひとつだけ注意してほしいのは、セカンダリー・ドミナントの次は、とりあえずその真上にあるダイアトニック・コードに進む、ということです。たとえばA7の次はその真上のDm7に進み、B7の次はその真上のEm7に進んでください。これでそれなりにまっとうなコード進行が作れるはずです。

また、Bm7(♭5)は相変わらず扱いにくいコードですが、Bm7(♭5)-E7-Am7という順で鳴らすと、よくあるコード進行になります。ぜひ試してみてください。

ところで本講座もそろそろ終わりに近づいてきました。最終回まであと2回か3回か4回くらいだと思います。今しばらくおつきあいください。

前回 | 次回 | 目次

この講座が本になりました!

初心者だって大丈夫! コードが自分で作れちゃう! 指板図くんのギター・コード講座

著者 指板図くん
定価 1,620 円(本体1,500円+税)
仕様 B5変型判/144ページ
発売日
ISBN 9784845628322
  • 立ち読みする
  • 『初心者だって大丈夫! コードが自分で作れちゃう! 指板図くんのギター・コード講座』をAmazon.co.jpから購入する

TUNECORE JAPAN