初心者だって大丈夫! コードが自分で作れちゃう! 指板図くんのギター・コード講座
| 著者 | 指板図くん |
|---|---|
| 定価 | 1,620 円(本体1,500円+税) |
| 仕様 | B5変型判/144ページ |
| 発売日 | |
| ISBN | 9784845628322 |
今回のテーマであるテンション・コードは、構成音の中に「テンション・ノート」を含むコードのことです。
最初に言っておきますと、テンション・コードは、ジャズやその流れを汲む音楽には多用されます。一方、音楽ジャンルによってはほとんど、あるいはまったく必要なかったりもします。初心者の方は今回の内容を見て、「こんなに色々覚えなくてはいけないのか?」と思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。テンション・コードは、必要なときに必要なものを少しずつ覚えていけばよいと思います。どうか気軽に読み進めてください。
テンション・コードとは、テンション・ノート(tension note)と呼ばれる音が追加されたコードのことです。たいていのものは四和音を土台としています。
第6回目に示した「コードの構成音一覧表」から、テンション・コードの部分を再掲載しましょう。「構成音」欄の中の「テンション」枠に書かれた度数(9、11、13など)に注目してください。
| 分類 | コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | |||
| テンション・ コード |
□6(9) | 1 | 3 | 5 | 6 | 9 | シックス(ナインス) |
| □7(9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 9 | セブンス(ナインス) | |
| □7(♭9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♭9 | セブンス(フラッテッド・ナインス) | |
| □7(♯9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♯9 | セブンス(シャープド・ナインス) | |
| □7(11) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 11 | セブンス(イレブンス) | |
| □7(♯11) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♯11 | セブンス(シャープド・イレブンス) | |
| □7(13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 13 | セブンス(サーティーンス) | |
| □7(♭13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♭13 | セブンス(フラッテッド・サーティーンス) | |
| □△7(9) | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 | メジャー・セブンス(ナインス) | |
| □△7(♯11) | 1 | 3 | 5 | 7 | ♯11 | メジャー・セブンス(シャープド・イレブンス) | |
| □△7(13) | 1 | 3 | 5 | 7 | 13 | メジャー・セブンス(サーティーンス) | |
| □m6(9) | 1 | ♭3 | 5 | 6 | 9 | マイナー・シックス(ナインス) | |
| □m7(9) | 1 | ♭3 | 5 | ♭7 | 9 | マイナー・セブンス(ナインス) | |
| □m7(11) | 1 | ♭3 | 5 | ♭7 | 11 | マイナー・セブンス(イレブンス) | |
| □m△7(9) | 1 | ♭3 | 5 | 7 | 9 | マイナー・メジャー・セブンス(ナインス) | |
そもそもテンション・ノートとは何か、という話は、どうしても長くかつ難しいものになってしまうので割愛させていただきます。いずれ音楽理論書や音楽用語辞典で確かめてみてください。ここでは単にテンション・ノートは9、11、13と、それらに♭や♯が付いたもの、としておきます。また、9、11、13は、それぞれ2、4、6の1オクターブ上の音です。
次の譜面を見てください。これはCメジャー・スケールの音を、ひとつ置きに並べたものです。

譜面には書き入れていませんが、ここにおいて隣り合った音同士はどれも長3度または短3度の間隔にあります(これはコードの「3度重ねの原則」と密接な関係にあります)。また度を示す数字は、低い方から1・3・5・7・9・11・13と奇数で並んでいます。これらのうち、1(ド)から見て、1オクターブを超えたところにある9(レ)と11(ファ)と13(ラ)がテンション・ノートです。さらに、灰色の音符と度数を添えたことでわかっていただけると思いますが、9、11、13は、それぞれ2、4、6の1オクターブ上の音です。
※Cをルートとしたコードの構成音にファが入っていた場合、4と解釈する場合と11と解釈する場合の両方があります。また同様に、ラは6と解釈する場合と13と解釈する場合の両方があります。このあたりのことは、次回またはその次くらいに説明する予定です。
さて、テンション・コードのコード名は、土台となるコードの名前の右横に、テンション・ノートの度数を書き入れる形になります。本講座では、テンション・ノートは必ずカッコの中に書いていますが、カッコを書かない人もいます。カッコを書かない場合は、やや右上の位置に、少しだけ小さめの文字で入れた方がよいでしょう。

次は、一覧表に書かれたテンション・コードを、土台となっている四和音ごとに分類しつつ、そのフォームなどを紹介していきます。
「□6」を土台としたテンション・コードで、わりとよく使用されるのは「□6(9)」でしょう。
| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □6(9) | 1 | 3 | 5 | 6 | 9 | シックス(ナインス) |
C(ド)をルートとした場合の構成音は次のとおりです。比較のために、CとC6の構成音も一緒に示しています。

代表的なフォームは、おそらく次の2つでしょう。

「□7」を土台としたテンション・コードは使用頻度が高いので、多めに紹介してみました。
| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □7(9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 9 | セブンス(ナインス) |
| □7(♭9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♭9 | セブンス(フラッテッド・ナインス) |
| □7(♯9) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♯9 | セブンス(シャープド・ナインス) |
| □7(11) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 11 | セブンス(イレブンス) |
| □7(♯11) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♯11 | セブンス(シャープド・イレブンス) |
| □7(13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 13 | セブンス(サーティーンス) |
| □7(♭13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | ♭13 | セブンス(フラッテッド・サーティーンス) |
Cをルートとした場合の構成音は次のとおりです。

それぞれのフォームは次のとおりです。

これらのうち「□7(9)」は、ジャズをやらない人でも覚えておきたいコードです。ファンクやファンク系のロック、ポップスなどの曲によく出てくるからです。
また「□7(♯9)」は、ジミ・ヘンドリックスがよく使っていたため「ジミヘン・コード」と呼ばれることが多いです。ロックにも結構出てきます。歪んだギターで弾くと、かなり破壊的な響きになります。
「□△7」を土台としたテンション・コードで、わりと使うのは次の3つでしょうか(人それぞれでしょうが)。
| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □△7(9) | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 | メジャー・セブンス(ナインス) |
| □△7(♯11) | 1 | 3 | 5 | 7 | ♯11 | メジャー・セブンス(シャープド・イレブンス) |
| □△7(13) | 1 | 3 | 5 | 7 | 13 | メジャー・セブンス(サーティーンス) |
Cをルートとした場合の構成音は次のとおりです。

代表的なフォームは次のとおり。

ここから先はマイナー系のテンション・コードです。もう個別の解説は不要かと思いますので、表と、Cをルートとした場合の構成音と、フォームの図のみを示していきます。
| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □m6(9) | 1 | ♭3 | 5 | 6 | 9 | マイナー・シックス(ナインス) |


| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □m7(9) | 1 | ♭3 | 5 | ♭7 | 9 | マイナー・セブンス(ナインス) |
| □m7(11) | 1 | ♭3 | 5 | ♭7 | 11 | マイナー・セブンス(イレブンス) |


| コード名 | 構成音 | 読み方 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | ||
| □m△7(9) | 1 | ♭3 | 5 | 7 | 9 | マイナー・メジャー・セブンス(ナインス) |


以上で、一覧表に示したコードはすべて紹介しました。ここからは補足となります。
テンション・コードの響きを確認したい方は、「ギターコード指板図くん」のかんたんコードブックにアクセスし、次の図に書かれた手順でフォームを表示させ、音符ボタンをクリックしてみてください。

今回紹介したテンション・コードのフォームを見て、5(完全5度)が省略されたものが多いことに気づいた人もいると思います。
テンション・コードの場合、どうしても構成音が多いので、指が届く範囲ですべての構成音を押さえるのが難しいわけです。そんなとき、まっ先に省略されるのが5なのです。またテンション・コードは響きが複雑なので、抜けのよいサウンドにするために、5を抜くこともあります。
ついでですが、覚えておくとお得な「□7」のフォームがあります。これらは1と3と♭7の3音だけでできたC7です。

C7を土台としたテンション・コードのフォームは、この3音だけのC7に、テンション・ノートを加えると出来上がります。押さえるのもわりと楽なフォームなので、良く使われます。

先に示した一覧表にはひとつも書きませんでしたが、テンション・ノートが複数あるテンション・コードもジャズではよく使われます。たとえば次のようなものです。
| コード名 | 構成音 | ||||
| ルート | 3度 4度 |
5度 | 7度 6度 |
テンション | |
| □7(9,11) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 9,11 |
| □7(9,13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 9,13 |
| □7(9,11,13) | 1 | 3 | 5 | ♭7 | 9,11,13 |
※これらの9、11、13に♭や♯が付くものも当然あります。
参考までに、フォームもひとつずつ示しておきましょう。C7(9,11)は3を、C7(9,13)は5を、C7(9,11,13)は3と5を省略したフォームになっています。

今日はここまで。次回はomit3、sus4、add9といった、少し変わった名前を持つコードについて説明します。