三和音とは?/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第7回

指板図くんのギター・コード講座 by 編集部 2010年6月22日

今回のテーマは、数あるコードの中でももっともシンプルな三和音です。三和音は構成音が3つのコードであること、いくつかのタイプがあること、構成音は原則的に「3度重ね」であること、そして三和音はあらゆるコードの土台を成すものであることなど、多角的に説明してみます。

今日はちょっと長くなるかもしれませんが、どうか最後までお付き合いください。

三和音とは?

三和音とは、まずごく簡単に言ってしまえば、構成音が3つのコードのことです。英語ではトライアド(triad)と呼ばれます。triadの’tri’は、triple(3倍の、3重の)や、triangle(三角形)の’tri’と同じく’3′を意味しています。

三和音の4つのタイプ

三和音には、メジャー・トライアド、マイナー・トライアド、オーギュメント・トライアド、ディミニッシュ・トライアドの4種類があります(※)。

※この4種類以外のものを三和音と見なす場合もあります。またメジャー・トライアド、マイナー・トライアド、オーギュメント・トライアド、ディミニッシュ・トライアドは、日本語ではそれぞれ、長三和音、短三和音、増三和音、減三和音と呼ばれます。

前回示した「コードの構成音一覧表」から、三和音の部分を再掲載しましょう。

分類 コード名 構成音 読み方
    ルート 3度
4度
5度 7度
6度
テンション  
三和音 1 3 5     メジャー、メジャー・トライアド
□m 1 ♭3 5     マイナー、マイナー・トライアド
□aug 1 3 ♯5     オーギュメント、オーギュメント・トライアド
□dim 1 ♭3 ♭5     ディミニッシュ、ディミニッシュ・トライアド

「コード名」欄に書かれた”□”は、ここにCDEFGABというアルファベットか、またはそれに♭か♯がついたものが入ることを意味します。たとえば”□m”は、Cm、C♯m、D♭m、Dm、D♯m、E♭m、Em〜などのコード名を同時に意味しています。

「構成音」の欄にある数字およびそれに♭・♯記号が付いたものは「度」を表しており、1は完全1度つまりルート、♭3は短3度、3は長3度、♭5は減5度、5は完全5度、♯5は増5度です。

さて、C(ド)をルートとした場合、この4種類の三和音のコード名は、C、Cm、Caug、Cdimとなり、構成音は次のとおりとなります。音符の右横に「度」も書き入れてみました。

それぞれのトライアドが持つ響きを、音の鳴る指板図で確認しましょう。上段にある4つのフォームは、上の譜面の音符をそのままギターで押さえたものになります。下段はそれを1オクターブ上げたものです。音符をクリックして、音を聞いてみてください。

※これらのフォームは、いずれもコードの基本形(低い方から1度・3度・5度と並んだもの)をそのままギターで押さえたものです。実際の演奏ではあまり使わないフォームの方が多いので、その点はご留意ください。

※音の鳴る指板図はFlashで作られているため、お使いの環境によっては表示されません。ご了承ください。

次に4種類のトライアドをひとつひとつ見ていきましょう。

メジャー・トライアド

コード名 構成音 読み方
1 3 5     メジャー、メジャー・トライアド

メジャー・トライアドは、1(ルート)の上に、3(長3度)と5(完全5度)の音を重ねたものです。コード名でいえば、C、D、E、F、G、A、Bと、それらに♭や♯がついたものが、メジャー・トライアドです。次の譜面は、C、D、E、F、G、A、Bの構成音の「基本形」を示したものです。なお、コード名に♭や♯のついたものも含めると見た目がかなり繁雑になってしまうので、ここには書きませんでした。

音符だけを見た場合、これらのコードにどういった共通点があるのかがわかりにくいかもしれませんが、音符の右横に付けた度数を見れば一目瞭然かと思います。これらのコードはすべて、1・3・5で出来ているわけです。’1′すなわちルートの音が違うだけで、それぞれの構成音同士の「距離」はどれも一緒なのです。

マイナー・トライアド

コード名 構成音 読み方
□m 1 ♭3 5     マイナー、マイナー・トライアド

マイナー・トライアドは、1(ルート)の上に、♭3(短3度)と5(完全5度)の音を重ねたものです。コード名でいえば、Cm、Dm、Em、Fm、Gm、Am、Bmと、それらに♭や♯がついたものが、メジャー・トライアドです。次の譜面は、Cm、Dm、Em、Fm、Gm、Am、Bmの構成音の「基本形」を示したものです。どれも1・♭3・5でできています。

オーギュメント・トライアド

コード名 構成音 読み方
□aug 1 3 ♯5     オーギュメント、オーギュメント・トライアド

オーギュメント・トライアドは、1(ルート)の上に、3(短3度)と♯5(増5度)の音を重ねたものです。コード名でいえば、Caug、Daug、Eaug、Faug、Gaug、Aaug、Baugと、それらに♭や♯がついたものが、メジャー・トライアドです。次の譜面は、Caug、Daug、Eaug、Faug、Gaug、Aaug、Baugの構成音の「基本形」を示したものです。どれも1・3・♯5で出来ています。

※Baugの一番上の音に付いた×印に似た記号は「ダブルシャープ」です。音を半音上げる場合は♯ですが、それをさらに半音上げるときはこの「ダブルシャープ」の記号を使います。

ディミニッシュ・トライアド

コード名 構成音 読み方
□dim 1 ♭3 ♭5     ディミニッシュ、ディミニッシュ・トライアド

ディミニッシュ・トライアドは、1(ルート)の上に、♭3(短3度)と♭5(減5度)の音を重ねたものです。コード名でいえば、Cdim、Ddim、Edim、Fdim、Gdim、Adim、Bdimと、それらに♭や♯がついたものが、メジャー・トライアドです。次の譜面は、Cdim、Ddim、Edim、Fdim、Gdim、Adim、Bdimの構成音の「基本形」を示したものです。どれも1・♭3・♭5で出来ています。

4種類のトライアドの構成音を比較する

さて、これら4種類のトライアドは、構成音同士を比較すると簡単に頭に入ります。ポイントは次の3つです。

1:メジャー・トライアドの3を♭3に下げると、マイナー・トライアドになる。
2:メジャー・トライアドの5を♯5に上げると、オーギュメント・トライアドになる。
3:マイナー・トライアドの5を♭5に下げると、ディミニッシュ・トライアドになる。

この3つのポイントを、音符と指板図で示したのが次の図です。

指板図のうち、「基本形のフォームで比較」の列にあるのは、その「音符で比較」の列に書いた音符のとおりにギターで押さえたフォームを示しています。これらは実際の演奏ではあまり使われないフォームですが、基本形で書いた音符との関連性がわかりやすいので、書いておきました。

一方、「実用的なフォームで比較」の列にあるのは、コードブックに載っているような一般的な押さえ方です(ただし、dimに関しては、あとで述べる事情により、あまり一般的とは言えないかもしれません)。

この「実用的なフォームで比較」のうち、覚えておいて絶対に損がないのは、CとCmのフォームの違いです。3を♭3に下げれば、CコードがCmに変わるわけです。これはこの先、メジャー系のコードのフォームから、すぐマイナー系のコードのフォームを導き出すためにとても役立ちます。

コードは原則的に「3度重ね」

今日の始めのところで、「ごく簡単に言ってしまえば、三和音とは構成音が3つのコードのこと」と書きました。これはやや誤解を招く言い方なので、追加の説明をします。

構成音が3つであれば、なんでもかんでも三和音かというと、そういうわけではありません。たとえばドの上に、半音上のドのシャープと、そのまた半音上のレが積まれたもの(かなりグシャっとした響きになります)も構成音は3つですが、そういうものは三和音とは呼ばないし、そもそもコードとはみなさない人もいます(コード進行における「機能」を果たさないから、という理由などから)。

実はコードには、「3度重ね」という原則があります。それは「ルートの上に、3度上の音を重ね、その積み重ねられた音からまた3度上の音を重ねる」という原則のことです。この場合の「3度」は、短3度であるか長3度であるかを問いません。

今日紹介した4種類の三和音はどれも、ルートの上に3度の音を重ね、その重ねられた音から見て、また3度の音を重ねたものになっています。次の譜面で確認してください。

このようにコードは原則的に「3度重ね」で出来ており、次回以降に説明する四和音やテンション・コードも例外ではありません。一方、原則というからには例外もあるのですが、それは今度説明します。

三和音はあらゆるコードの「土台」

三和音が重要なのは、これが他のあらゆるコードの土台となるからです。たとえば四和音は、三和音にひとつ構成音を足したものですし、テンション・コードは四和音にさらにテンションと呼ばれる音を足したものです。

三和音であるC、四和音であるC7、テンション・コードであるC7(9)を比較した図を示しておきましょう。C7もC7(9)もCが土台となっていることがわかります。

また、Comit3という名のコードは「Cの構成音のうち3度を省略したもの」と解釈されます。Csus4は「Cの構成音の長3度を完全4度に変化させたもの」と解釈され、add9は「Cの構成音に長9度を加えたもの」と解釈されます。

・・・いきなりいろんなコードが出てきましたが、これらについては次回から詳しく説明しますので御安心を。

補足1:三和音の実用的なフォームを知りたい方は・・・

今回は、各種の三和音の実用的なフォームはほとんど紹介できませんでした。実用的なフォームを知りたい方は、ギターコード指板図くんの「かんたんコードブック」にアクセスし、次の図の手順でルートと三和音のタイプを選択してみてください。知りたいコードのフォームが表示され、音も確認できます。

かんたんコードブックはこちら

補足2:ディミニッシュに関するやや複雑な事情

ディミニッシュについては、ひとつ補足しておきたいことがあります。

今回紹介したディミニッシュは、1・♭3・♭5の3つの構成音だけで出来た三和音でした。ところが、コード名で「dim」と書いた場合は、「dim7」という四和音を意味していることの方が実際には多いのです。ちなみに「dim7」の構成音は、1・♭3・♭5・♭♭7です。

次の指板図は、三和音のCdimと、四和音のCdim7のフォームの例ですが、ためしにギター・コードに詳しい友人に、「Cディミニッシュの押さえ方を教えてよ」と聞いてみてください。かなり多くの人が、右のようなCdim7のフォームを教えてくれると思います(仮にこのフォームでなくても、Cdim7を押さえている可能性が高いです)。

筆者も、ただ「ディミニッシュのフォームは?」と聞かれたら、反射的に四和音の方を押さえてしまいます。三和音のディミニッシュは・・・演奏ではほとんど使ったことがないですね。

そんなわけで、曲の中でdimというコード名に出会ったら、それはdim7を意味していると思ってだいたい間違いありません。dimと言われたら反射的にdim7のことだと思う、というのは、「夕飯はカレーだよ」と言われたら、カレーにご飯が付いた「カレー・ライス」を想像するのと同じです(たぶん)。

補足3:使用頻度が圧倒的に多いのはメジャーとマイナー

これは初心者でもご存知のことかと思いますが、4種類のトライアドのうち、実際の曲での使用頻度が高いのは、圧倒的にメジャーとマイナーです。オーギュメントやディミニッシュは、メジャーやマイナーに比べれば、使用頻度がかなり低いです。コード名が書かれた楽譜や歌本が手元にある方は、ためしにaugやdimを探してみてください。すごく少ないと思います。

そんなこんなで、初心者の方はまず、メジャーとマイナーのトライアドを覚えるようにしてください。

補足4:「メジャー・トライアド」「マイナー・トライアド」という呼び方について

今回は三和音を解説するために、「メジャー・トライアド」とか「マイナー・トライアド」といった言葉使いをしておりますが、実際の会話では、あまりこういう呼び方はしないと思います。

たとえば「C-F-G」というコード進行を、わざわざ「シー・メジャー・トライアド、エフ・メジャー・トライアド、ジー・メジャー・トライアド」と言う人は、筆者は見たことがありません。ふつうは単に「シー、エフ、ジー」で済ませるでしょう。あるいは「シー・メジャー、エフ・メジャー、ジー・メジャー」ですね。

筆者自身も、あえてCを「シー・メジャー・トライアド」と言うようなことは、音楽理論を人に説明するとき(この講座とか)くらいしかありません。

今日はここまで。次回は四和音がテーマです。

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初心者だって大丈夫! コードが自分で作れちゃう! 指板図くんのギター・コード講座

著者 指板図くん
定価 1,620 円(本体1,500円+税)
仕様 B5変型判/144ページ
発売日
ISBN 9784845628322
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