FUJI ROCK FESTIVAL ’13で来日したモードセレクターの特別インタビュー。

特集 by GROOVE編集部 2013年8月21日

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7月26日~28日までの3日にわたって開催され、延べ11万人もの来場者が集まり、大盛況で幕を閉じたFUJI ROCK FESTIVAL ’13(以下フジロック)。今年も大小あらゆるステージで伝説的なライブやDJパフォーマンスが繰り広げられ、忘れられない夏の3日間を届けてくれた。そんなフジロック2日目の夜、00:30。RED MARQUEEステージではモードセレクターが登場し、夜の部における最高潮の盛り上がりを見せていた。

まだまだ踊り足りないフジロッカーたちをあおるかのように、モードセレクターの2人が電子音を響かせ、夜が更けていった。そんな彼らに後日メールインタビューを敢行し、フジロックでのライブセットの仕組みや、モードセレクター+アパラットのグループ、モデラットの新作に関する質問に答えてもらった。

Photo:Masanori Naruse

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GROOVE:今回のフジロックで、自分たちがお客さんだったら“絶対に見たい!”と思うアーティストはいましたか?

モードセレクター:ビョーク。しかもビョークは僕たちのライブに彼女の合唱団の女の子達を連れて踊りにきてくれたんだ(笑)!

GROOVE:ライブパフォーマンスで使用している機材を教えてください。フジロックではどんな機材を持ってきましたか? またライブをする際は、それぞれでどのような役割分担をしていますか?

モードセレクター:モードセレクターのステージではMax/MSPというソフトウェアを使っているよ。僕たちの友達であり、モデラットのバンドメンバーでもあるアパラットと一緒に、10年以上前からライブツールを一緒に作り上げてきた。何台ものPCを繋げることで、タイムロス無しに演奏できるメリットがある。さらにどんなMIDIコントローラーでも操作できるんだ。あとは何台かのギター用エフェクトペダルでディストーションエフェクト、ディレイ、リバーブ、ボーカル用のピッチシフターを操作するんだ。あとは、コルグMonotribeなども使用した。役割分担はゲアノットがトラックのメインパートを、シャーリーがその他のパートとエフェクトを操作するんだ。あとシャーリーの一番重要な役割は、ステージから最前列のお客さんにシャンパンをぶっかけることだね! フジロックでのライブは素晴らしかったよ。ビョークの全クルーが僕らのライブ中にステージ脇で踊っていたしね!

 GROOVE:2人でDJをする場合は、どのようにプレイしていますか? 即興的なバック・トゥ・バックのスタイルですか?

モードセレクター:いや、バック・トゥ・バックではなく、2人でひとつのDJライブなんだ。ゲアノットがネイティブ・インストゥルメンツTraktor DJで曲をプレイして、シャーリーがローランドTR-909で即興演奏をする。

GROOVE:ベルリンでは多くのDJが今でもアナログレコードを使用していると聞きました。あなたたちもアナログレコードを買ったり使用することはありますか?

モードセレクター:たまにアナログレコードでDJプレイすることもあるよ。でも最近はデジタルでプレイしようと決めたんだ。腰痛が軽減されて、飛行機に積む荷物も少なくなる。それにDJをしながら、ライブでいろいろなことができるんだ。例えばドラムマシーンなどで小さなライブセットを組み込んでいったりね。トラックの編集もできるし、さまざまなエフェクトも融合できる。もう3年くらいデジタルでDJをしているよ。でも本当は、シンプルなバイナルセットほど良いものはないと思っている。

GROOVE:あなたたちが主宰しているレーベル、50 WEAPONSとMONKEYTOWNは、それぞれどのような棲み分けをしていますか?

モードセレクター:最近は2つのレーベルのポリシーが似てきつつあるけど、50WEAPONSはもともと自分たちの仲間と12インチをリリースしようと2005年に設立したんだ。最初の10作品までは明確な発信源となるアーティスト軸がなかった。でもコスミンTRG、アンスタム、フォン.Oの登場で急速に変わってきたんだ。その後ベンジャミン・ダメージやシェドのリリースが続いて、このアーティストたちの輪がレーベルの定義を示してくれた。いわゆる50WEAPONSサウンドだね。MONKEYTOWNは、シリウスモーにホームとなる場所を作ってあげたくて、2008年に設立したんだ。モーリッツ(シリウスモー)のことは1990年代初頭から、かなり長いこと知っているんだ。最初は運営に関してあれこれ何も考えずにやっていたけど、次第にかなり早い段階でMONKEYTOWNがきちんとした会社になっていった。例えばツアーをしたり大きなプロジェクトができるくらいにね。最近はとてもすばらしいアーティストたちが所属しているんだよ。シリウスモー、オットー・フォン・シーラーク、マウス・オン・マーズ、 最後に……じゃないけどモードセレクター。あとは、最近だとモデラットもね。基本的に言えることは50WEAPONSはどちらかというとDJ指向で、MONKEYTOWNはアルバム制作指向かな。

GROOVE:いま一番ホットだと思っている音楽や、お気に入りのアーティストや、影響を受けている音楽を教えてください。

モードセレクター:一言で表現するのは難しい気がするけど、基本的には50WEAPONSやMONKEYTOWNのアーティストが出している音が好きだよ。とても触発されるしね。それ以外では、さまざまなジャンルの音楽をたくさん聴く。ヒップホップでもメタルでも、もちろんポップスでもね!

GROOVE:音楽以外で影響を受けている物はありますか?

モードセレクター:僕らはガーデニングが趣味なんだよ。そして影響を受けているのはドイチュ=アメリカニシェ・フロイントシャフト(ドイツのバンド)、歴史的小説、1920年代の白黒映画などかな。

GROOVE:8月に発売されたモデラットの2ndアルバム『Ⅱ』は、とても素晴らしい内容でした。制作にどれくらいの時間がかかりましたか?

モードセレクター:6ヶ月かかった。でも最初のアイデアはすでに2009~11年のモデラットのツアー中や、モードセレクターとアパラットの曲作りと並行して沸いていたんだ。

GROOVE:ダウンテンポの曲が多くて、ダンスフロアで踊るよりも、フジロックのような野外ステージでじっくり聴きたいと思いました。全体のストーリーやコンセプトはありますか?

モードセレクター:新しいショーはどちらかというと、コンサートのような感じなんだ。素敵な照明に支えられているオーディオビジュアルセットというか。だから本当にクラブよりは、大きなステージでやることを想定している。コンセプトやストーリーはあるけど、僕たちはリスナーにそれぞれの曲のイメージを指定したくないんだ。色々な認識や解釈があっていいと思う。最終的には、ひとつの映画だとイメージしてほしいね。生のサウンドトラックみたいな感じかな。

GROOVE:ビンテージ機材が好きだと聞きましたが、アルバム制作でもたくさん使用していますか?

モードセレクター:確かに僕らのスタジオはビンテージ機材で埋まっていて、古い機材を使うのが大好きだ。予測不可能なのが長所で、電源を入れるたび違う感じに聴こえたりする。たまに、機材自体が生きているんじゃないかと思わされるよ。まるで、1人のヒトとしてね。スタジオで使っている機材は、ヴァーモナDRM、コルグMS10、MS20、Volca series、Monotribe、ローランドPaceecho、TR909、TR808、TB303、MC202、Juno 60、ヤマハPSR570、シモンズAnalog Drumなど、ほかにもたくさんあるよ!

GROOVE:モデラットのライブをする際に、どんな演出を考えていますか?

モードセレクター:前回のモデラットのライブにリンクさせながら、さらに進化していきたいよ。重要だと思ったのは、ステージの雰囲気が僕たちの作り出す音にぴったりとハマることと、お客さんが日常から引き離されることだったんだ。また日本で、新しいライブを見せることができたらとても嬉しいよ。サヨナラ! バイバイ!!  Vielen Dank!!!

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