DJ TARO

DJ TAROが語る PIONEER DJM-850のポテンシャル

DJミキサーの人気シリーズとしてクラブなどの現場からプライベートルームまで幅広いシーンで支持を集めているパイオニア DJMシリーズ。この度リリースされたDJM-850は、4chモデルのフラッグシップであるDJM-900 Nexusと同系統の進化を遂げており、24ビット/96kHzに対応したUSBオーディオインターフェース機能を搭載するほか、ネイティヴ・インストゥルメンツ Traktor Scratchシリーズとのスムーズな連動も可能。さらに、新たなトピックも用意。各チャンネルに入力された音声信号に連動してエフェクト効果が変化する“BEAT COLOR FX”はDJプレイの幅を広げるツールとして威力を発揮しそうだ。そんな注目モデルDJM-850を本誌でもおなじみのDJ TAROにチェックしてもらおう。

Photo : Hiroshi Takaoka

DJM-850-K

DJM-850-S

オープンプライス(市場予想価格:165,000円前後)

SPECIFICATIONS

  • チャンネル数:オーディオ4ch+マイク2ch
  • 入力端子:CD/ライン×4(RCA)、ライン×2(RCA)、フォノ×2(RCA)、マイク×2(XLR&1/4inch PHONE兼用と1/4inch PHONE)
  • 出力端子:マスター×2(RCAとXLR)、ブース(1/4inch PHONE)、ヘッドフォン(1/4inch PHONE)、REC(RCA)、デジタル(RCA)
  • USBオーディオインターフェース:ステレオ4ch(入出力)24ビット/96kHz
  • 外形寸法:320(W)×108(H)×381(D)mm
  • 重量:7.7kg

DJM-850-Kをデジマートで探す

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info:パイオニア カスタマーセンター
tel:0120-944-222
url:pioneer.jp/cdj

操作性を含め、DJプレイの土台としてすごく秀逸
旧来のDJミキサーという分類を越えたものを担えるモデルです

 25年近いDJとしてのキャリアを誇り、ラジオ番組のパーソナリティやサウンドプロデューサーなどとしても活躍するDJ TARO。本誌の人気連載「ガジェット通信」でも分かるように、最先端のDJツールにも造詣が深い。そんなDJ TAROとDJMシリーズの出会いはDJM‐600にまでさかのぼるそうだ。
 「4chモデルなのにすごくクロスフェーダーのキレが良かったのがとても新鮮でしたね。しかもコンパクトなサイズの中にエフェクターも搭載していて、DJプレイがこれだけで完結できる。その後、DJM‐800くらいから現場でもよく見かけるようになって、今だとDJM‐800とDJM‐900 Nexusのどちらかが常設モデルというハコが多いですよね」
 そんなスタンダードシリーズの新鋭、DJM‐850に触れての第一印象について語ってもらおう。
 「基本的な使用感としてはDJM‐900 Nexusと同等に近いです。24ビット/96kHzのオーディオインターフェース機能が搭載されているのは、トラック制作などをやることを視野に入れても、コンパクトにシステム構築ができてすごく便利だし、ASIO/Core Audioに対応しているので、汎用性も高いですよね。あと、SOUND COLOR FXについてはNOISE/GATE/CRUSH/FILTERという使用頻度の高いものが用意されているし、使い勝手もいい。あらかじめパラメーターが効果的にアサインされているので、多彩な効果をCOLORつまみ1つで生み出せますからね」
 さらに、注目の新エフェクト“BEATCOLOR FX”について聞いてみた。
 「これは面白いです。自動で曲のテンポと連動してくれるし、複数の音源を同時に鳴らすことも多いのでチャンネルごとにオン/オフできるのは便利ですよね。例えば、ミックスしながらつないでいくときに、EQを使うのと近いイメージでFILTERなどを使っても効果的ですね。さらにBEAT EFFECTと組み合わせることで多彩な遊びが現場で作り出せる……例えば、曲の展開が乏しいような部分でも、テンションの上げ下げが作り出せます。シーン全体の傾向として、今は曲をそのままかけるということが減ってきていると思うので、これだけのエフェクトが付いているのはすごくありがたい。あと、エフェクトを使いこなすには慣れも大切なので、自宅でDJM‐850を使って練習しておけば、いろんな現場で応用できますよね」
 クラブなどの現場はもちろんホームユースとしても最適なモデルに仕上がっているDJM‐850についてのトータルインプレッションを語ってもらおう。
 「DJミキサーはターミナルになる部分だし、導入後は長い付き合いになるものなので、この時代で考えられることが集約されているんだとあらためて感じました。USB MIDIにも対応していたり、オーディオインターフェース機能では設定ユーティリティで4系統の出力をいろいろ選べたり、Traktorとの連動を含めて様々な可能性が盛り込まれている。フィジカルな操作性を含め、DJプレイの土台としてすごく秀逸だと思います。旧来のDJミキサーという分類を越えたものを担えるモデルですね」


各部の機能
A

24ビット/96kHz対応
USBオーディオインターフェース機能

3段階のサンプリングレート(44.1/48/96kHz)やASIO/CoreAudio規格に対応した高性能のUSBオーディオインターフェース機能を搭載。「制作を視野に入れるとPCがベースになると思うので、オーディオインターフェース機能は大きなメリット。しかも端子がトップパネルにあるので、抜き差しも手軽にできますよね」

多彩なルーティングを可能にする
設定ユーティリティツール

PCにインストールしたUSBオーディオインターフェース機能用の設定ユーティリティツールを使うことで、DJM-850からの出力信号を用途に応じて選ぶことができる。「例えば、マスター出力からも出ている2ミックス以外に各チャンネルの音も出力できるので、PCを使ってDJミックスを録るときなどでも後で編集できたりします」

B

新たに用意されたエフェクト
“BEAT COLOR FX”

各チャンネルのCUEボタンの上にレイアウトされているCOLORつまみの左上にあるBEATスイッチを押せば、チャンネルごとにBEAT COLOR FXを使用できる。「複数の音源を同時に鳴らすようなときでも、エフェクトを使った効果がすごくスムーズにコントロールできますね。現場でちょっとした派手さを演出するときにも便利です」

C

さらに進化した
人気の“BEAT EFFECT”

“BEAT EFFECT”も進化し、REVERBやUPECHOなどではLEVEL/DEPTHつまみでの音の変化がさらに劇的になっている。「DJM-850だけで生み出せる効果ということですが、すごく面白い。特にUPECHOは結構エグいので、曲頭の地味な部分などでもプレイクっぽくできて、ショートでつないでいくときなどに重宝しそうです」

※本記事は『GROOVE SPRING 2012』の内容の一部を転載しております。