[こと] 晩夏の思い出–LIFE IS BEAUTIFUL 2011

青真鶴日記 by 青野賢一 2011年9月5日

2004年にスタートし、今年で通算7回目となる野外イベント『LIFE IS BEAUTIFUL』。富山県の立山山麓にあるハンドメイド家具メーカー「KAKI工房」の広々とした敷地を舞台に行なわれるこのイベントに、私たち真っ青の3人で出演させていただいた。

東京からクルマで7時間ほどだろうか。高速道路を走り、本番前日の夕方には富山に着いた。会場に向かう前に、富山駅近くの中古レコード屋に行き、各々が数枚ずつレコードを購入。こういうモノとの出会いも旅の醍醐味だろう。

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暗くなった頃、KAKI工房に到着すると、運営スタッフの方々や工房の方がバーベキューをやっていた。美味しい料理とワインをいただいて、宿へ。トランプに興じるうちに夜も更けてきたので、翌日の本番に備え就寝。

イベント当日は、薄曇りで暑からず寒からずという過ごしやすい気候。正午過ぎから私たち真っ青のDJがスタートし、LIFE IS BEAUTIFUL 2011の幕開けとなった。

いわゆる野外フェスのように、がっちりステージが組まれているわけではなく、お客さんと出演者との距離の近さがこのイベントの特長のひとつ。聴く側も演る側もリラックスしたムードなのがいい。ライブのトップバッター、tico moonが、ハープとギターの柔らかな音色を芝生と樹々の間に響かせ、心地よい空気をつくる。続く山崎真央の、ちょっと懐かしい匂いのする音を中心にKLF「Chill Out」なども交えたDJセットを経て、ビューティフル ハミングバードのライブへ。小池光子さんの歌声はとても優しく、それを支える田畑伸明さんのギターは安定感があって、どんどん引き込まれる演奏。ビューティフル ハミングバードの次は鶴谷聡平のDJ。渋いリズム&ブルースやジャズが印象的な選曲だった。

鶴谷くんのDJの後、イベントも後半戦に差しかかって、ogurusu norihideのライブは、ピアノの独奏からスタート。お馴染みの曲に加え、震災直後に作ったという曲も聴かせてくれた。心のこもったMCも健在。ogurusuくんのライブ後は私のDJ。次にライブを控えていた伊藤ゴローさんと高野寛さんがMOMUSやBrian Enoに反応してくれて嬉しかった。周囲も薄暗くなってきた頃に、ライブのトリである伊藤ゴローさん&高野寛さんが登場。各々のソロ作品を中心に、心に沁みる歌を届けてくれる。最後に再び真っ青がバック・トゥ・バックでDJをして、イベントは無事終了と相成った。

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イベント終了後の打上げも楽しく、スペシャルセッション(?)も繰り広げられたりしている頃に、曇っていた空がすっと晴れて、満天の星空が現れた。肉眼で天の川が見え、その間を幾つもの流れ星が横切った。そんな夜空を眺めながら、イベントのことを思い出してみると、お客さんも私たちもすっと音楽を聴いていられたイベントだったな、と気づいた。

お祭り的な盛り上がりではなく、上質な音楽に身を委ね、自然や食事や会話を楽しむことができる。そんな野外イベントはなかなかないだろう。そうした体験は、2011年の夏の終わりの素敵な一場面として、あの場所に居た人すべての記憶に刻まれたはずだ。私たちもフレッシュな気持ちでプレイできて、本当によかった。感謝の気持ちでいっぱいである。

*当日の模様の一部はUSTREAMのアーカイヴでご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/channel/entry

真っ青

クラブのみならず、ファッションショーやホテル、ショップ、カフェなど、およそ音楽と触れ合うことが出来る空間すべてに良質な選曲を提供してきた山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)の3人が結成したユニット「真っ青」。20年以上のDJキャリアに裏付けされたスキル、レコード・CDショップのバイヤー経験がもたらす豊潤な音楽的バックグラウンド、そしてアート、文学、映画などにも精通する卓越したセンスから生まれるそのサウンドは、過去、現在、未来に連なる様々な心情を呼び起こし、聴くものの目前に景色を描き出すものである。


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