[こと] 東北フィールド・レコーディングの旅

青真鶴日記 by 山崎真央 2011年8月12日

少し前の事なのですが、作曲家/音楽家の阿部海太郎くんがフィールドレコーディングをするという事で、2泊3日の東北の旅に同行してきました。詳細は今はお伝え出来ませんが、東北地方の音を使用して作曲するという、彼の某企画があり、その素材の録音にレコーディング・エンジニアの井口寛くんと3人とで出かけたサウンド・ハンティングの旅を紹介します。

早朝には東北に着いていたいという事で、白神山地に行くという事だけを目的に決めて、前日のAM0時に出発。夜通しかけてほぼノンストップで東北自動車道を車で北上し、朝を迎えた頃に一般道へ。その場の思いつきでルートを決めていたので、どのあたりで降りたのか記憶も定かではないのですが、風の吹くまま気の向くまま、その場の気分でハンドルをさばく、ちょっと贅沢な旅でした。

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ゆだ錦秋湖駅という駅があったので、そこで車を停車し、偵察と一休み。手前の駅が「ほっとゆだ」で、次が「和賀仙人」。都心ではあまりなじみのない変わった地名が気分をわくわくさせてくれます。

とりあえず、電車の走る音を録音しようという事になり、駅の時刻表をみて、慌ててロケ地を探します。
田舎ならではの音と電車の走る音が同時に奇麗に聞こえる場所、車通りの少ない場所を見つける事ができ、無事に録音を終えました。

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この日はその後秋田駅に行き、偶然にも知り合い何人かと遭遇することとなって、秋田の人気のカフェ、石田珈琲店で昼食をすませると少し秋田駅周辺を散策。そして夕方に日没が奇麗だという岬、入道崎へ行きました。

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スケールの大きい景色に圧倒されながら、あたりを散策し、阿部海太郎くんと井口寛くんはここぞという場所でフィールド・レコーディングを開始します。耳を澄ますと、波の音と風が草木を揺らす音に混じり、姿は見えずとも鳥のさえずりも聞こえてきます。

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行き当たりばったりの旅ですが、宿泊先だけは青森県の鯵ヶ沢という場所に取っており、ここから3~4時間はかかりそうな場所だったので、沈みかけの夕日を横目にこの日は退散しました。

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翌日。東京は梅雨に突入の時期でしたが、青森は気持ちのよいほど快晴。海岸や市場などに寄り道をしながら、目的地の白神山地に向かいます。ちなみに青森県では日本海側の海を「西海岸」と呼ぶそうです。

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ブナの原生林が世界遺産に認定されている白神山地ですが、まずはかねてから一度見たかった「青池」へ。そんなに大きくない池ですが、透き通った水から臨む底は、かなり深いところに見えます。そして不自然なくらい真っ青です。でも何故、青いのだろう?水中にはマスかイワナか、水質の良い場所でしか生息しない魚が沢山泳いでました。
何故青いかは未だ解明されていないそうです(真っ青のアーティスト写真は、次はここで撮影か?)。

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ちょっと脱線しましたが、フィールド・レコーディング本番です。白神山地は観光地なので、整備された道が多いですが、ちょっと奥に入れば山道に変わります。この日は一日かけて辺り一帯を散策し、色々な角度から音をレコーディングしてきました。

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虫なのか、鳥なのか、動物なのか?沢山の種類の鳴き声がさまざまな方向から聞こえてきます。前後だったり、左右だったり、近くだったり遠くだったり。風が木々や葉を揺らす音もゆったりとしていて、そして深みがあります。
昨日とはまったく違う環境、聞こえてくる音も全然違います。

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2人はレコーディングに没頭しだすと、その勢いは止まらず、ろくに食事もとらずに夕方過ぎまで録音を続けました。

そして翌日は盛岡に行き、色々な名所を散策後、帰路へ。
今回、井口君がメインで使用した録音機材です。これで録音された自然音、阿部海太郎くんはどのように使うのか、非常に楽しみですね。
また今後の展開は、ここで紹介できればと思います。

使用機材:
[RECORDER]
TASCAM HS-P82[MICROPHONE]
AUDIO TECHNICA BP4025
B&K 4006

真っ青

クラブのみならず、ファッションショーやホテル、ショップ、カフェなど、およそ音楽と触れ合うことが出来る空間すべてに良質な選曲を提供してきた山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)の3人が結成したユニット「真っ青」。20年以上のDJキャリアに裏付けされたスキル、レコード・CDショップのバイヤー経験がもたらす豊潤な音楽的バックグラウンド、そしてアート、文学、映画などにも精通する卓越したセンスから生まれるそのサウンドは、過去、現在、未来に連なる様々な心情を呼び起こし、聴くものの目前に景色を描き出すものである。


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