LOVE6:何年経っても夢中な相手には……

I LOVE YOUから始める英詩のレトリック by 中山美樹 2013/05/03

欧米の新旧ヒット・ソングから隠れた名曲まで、特に印象的な英詞を紹介するLOVE盛り盛りコラム『LOVEレト』。その6回目は4枚目にしてセルフ・タイトルのアルバム『パラモア』を発表したパラモアの同作収録曲「スティル・イントゥー・ユー」をピックアップ。ハッピーでLOVE全開なキラー・ポップ・チューン! 聞いた途端に元気になること間違いなしの曲よ。

Paramore「Still Into You」

歌詞の世界観を見事に描いたカラフルなMV。恋する女の子の頭ン中はこんな状態のはず。

 

こちらはリリック・ビデオ。影絵の上に歌詞が出てくるのが可愛いわね。両手で作るハートマーク、みんなも使ってみて。

 

曲のタイトルでもあり、途中で何度も出てくる「I’m (still) into you」は「あなたに(相変わらず)夢中よ」という意味の歌詞。直球の愛の言葉ね。「be into 〜」は「〜に夢中」という意味。be intoする対象はものでも人でもOKなの。だから「音楽に夢中」なら「I’m into music」だし、「料理に夢中」なら「I’m into cooking」。intoの後にくる単語は名詞なので、動詞を使うなら動詞+ingで名詞形に変えないとダメよ。

「Can’t count the years on one hand that we’ve been together」は「一緒に過ごした年月は片手の指では足りない」という意味。that以下の「私たちはずっと一緒」はその前のthe yearsにかかるの。これは接続詞としてのthatの一般的な使い方ね。

日本語は語句の前を形容する形で言葉を綴るけど、英語の場合は形容するものが文章の時には後ろに置くことが多いの。歌詞を日本語に訳す場合には、接続詞の後の文章を形容される語句に合わせた日本語にするのがコツよ。

さて、今回の注目フレーズは「I should be over all the butterflies」(もうワクワクドキドキの時期は卒業しているはずなのに)。shouldは「〜すべき」という義務を表す単語として意味を理解している人も多いと思うけど、実は「〜のはず」という推量を表す単語でもあるわけ。つまり「It should be fine」だと「大丈夫なはず」という意味になるわね。

さて、butterflies(単数はbutterfly)を見て「なんで蝶々?」と思ったそこの君! その疑問は大正解(笑)!

実は「butterflies」には「胸や気持ちが高ぶること/鼓動の高まり」というような意味があるの。辞書には「butterflies = the sensation of complete and total enjoyment when you kissed or in some cases, even acknowledged by the object of your affection」(大好きな相手とキスした後、もしくは気持ちを受け入れられた後に感じる達成感と喜びを伴った感動)って載っているようにね。色とりどりの蝶々が乱舞しているイメージかしら。この意味で使う時には常に複数形よ。

黄金週間も後半だけど、五月晴れの空の下で、ついつい頭の中で蝶々が舞っちゃうような素敵な時間を大好きな人と過ごしてね♪

中山美樹(Miki Nakayama)

ミュージシャンの取材に特化した通訳/翻訳というマニアックな仕事を1980年代終わりから続けている。これまで取材通訳、電話取材、インタビュー翻訳をしたアーティストは数知れず。歌詞対訳したアルバムも数多く、近年は日本人アーティストから歌詞英訳の依頼もしばしば舞い込み、レコーディング時の発音指導も行っている。その愛情あふれる通訳/翻訳でミュージシャン、ライター、編集者からの信頼も厚く、取材現場やライブ会場で仲良しミュージシャンとハグする姿がしばしば目撃される。書籍『ミック・カーン自伝』(リットーミュージック刊)の翻訳も行っている。

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定価
1,980円(税込)
仕様
CD
発売日
2013.4.10

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