簡単ジャズ・アプローチ術/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 宮川洋介 2010年6月18日

いよいよ10回目を迎えたMI JAPAN講師陣によるオープンハウス。今回は、憧れはあるけど難しそう・・・の代表格、”ジャズ”を簡単に攻略する方法を伝授したい。敷居が高いイメージのあるジャズも、考え方次第で楽に弾けるようになるぞ!

INTRODUCTION

こんにちは! MI JAPAN東京校 BIT講師の宮川です。これからは梅雨のシーズン。外は雨でうっとうしいので、家で弾きこもりましょう(笑)!

というわけで今回は、”簡単ジャズ・アプローチ術”と題して、ジャズで演奏されるウォーキング・ラインの組み立て方や、インプロヴィゼーションの方法を攻略していきます。

ジャズに限らず、ポピュラー音楽にも大いに役立つので、ぜひ挑戦してください!

 

 

【MI×ベーマガ】OPEN HOUSE/宮川洋介♯1

【MI×ベーマガ】OPEN HOUSE/宮川洋介♯2

chapter1:ウォーキング・ベース・ラインを攻略しよう

今回はII-Vという、ジャズ・スタンダード曲でよく出てくるコード進行を使い、どのようにベース・ラインを組み立てればよいかを解説していきます。演奏するポジションは、ロー・ポジション(各弦開放から4フレットまで)に限定します。ウォーキング・ベース・ラインを作るコツは、ただ単純に音を配置していくのではなく、上がったり、下がったり、波打つようなイメージで作っていくのがコツ(図1)。それでは早速、レッスンを進めていきましょう!

mi_bm_2010_06_zu1

コード・トーンのみを使う!

まずはコードのルート音のみで進行を追ってみましょう。今回使うコードは、Fm7とB♭7のふたつ。その4フレット以内のコード・トーンを【譜例1】に記しておきます。

mi_bm_2010_06_furei1

これをもとに一番シンプルなラインを作ってみました【Ex-1】(動画#1/1:05から)。ルート音のみで、カッコ内の音符はオクターブ上の音。どちらをチョイスしてもOKです。

mi_bm_2010_06_ex1

続いては、コード・トーンのなかでもルート音に次いで重要な音=5thを使って、進行を追ってみましょう。今度は2分音符での演奏です【Ex-2】(動画#1/2:03から)。ルートと5thの位置関係は、指板上でもよく理解しておいてください。これらの音はボサノヴァやサンバでの演奏でもよくチョイスされるので、慣れておくと役立ちますよ。

mi_bm_2010_06_ex2

さらに3rdや7thのコード・トーンも取り込んでみましょう! このあたりからだんだん難しくなってきますよ。拍アタマをルートから弾き始めるとして、【Ex-3】(動画#1/2:46から)はルート〜3rd〜5th〜7thという流れ、【Ex-4】(動画#1/3:14から)はルート〜7th〜5th〜3rdという流れにしてみました。難しければ、最初はゆっくりなテンポで演奏してください。

mi_bm_2010_06_ex3 mi_bm_2010_06_ex4

これらに慣れてきたら、拍アタマにルート音のみではなくほかのコード・トーン(3rd、5th、7th)を使い、上昇・下降するライン、いわゆる”波打つイメージ”で弾いてみましょう【Ex-5】(動画#1/3:51から)

mi_bm_2010_06_ex5

スケール・ノートも活用!

コード・トーンの次は、スケート・ノートを使って進行を追ってみましょう【譜例2】

mi_bm_2010_06_furei2

スケールと言っても難しく考える必要はなく、コードの変わり目で、次のコードのルート音に半音(or全音)の下もしくは上からアプローチするように、スムーズにつなげてみるイメージです。【Ex-6】(動画#1/4:37から)を参考にしてみてください。どうでしょう? かなりウォーキング・ベース・ラインぽくなってきましたね!

mi_bm_2010_06_ex6

ウォーキング・ベース・ラインはややこしく思われがちですが、低域でコード・トーンやスケール・ノートを拾いながら、自由に上がったり下がったり、ときには突然下がったりと意外性を楽しみつつ、好きなようにラインを構成することができるんです。ぜひこの考えを身につけて、演奏のバリエーションを広げてください。

chapter2:インプロヴィゼーションも簡単に!?

ウォーキング・ベース・ラインができたら、次はジャズの醍醐味=インプロヴィゼーション(即興演奏)にチャレンジしてみましょう。インプロヴィゼーションは慣れないとなかなかうまく演奏できないですが、コツをつかめば最も楽しい瞬間で、自己主張もできるパート。がんばって攻略してください。

コード・トーンを使う

インプロヴィゼーションでも、始めはコード・トーンを使って8分音符で作ってみました【Ex-7】(動画#2/0:54から)

mi_bm_2010_06_ex7

ここで”おや?”と思った人はするどい! 実はこれ、ロー・ポジションで演奏したウォーキング・ベース・ラインを、オクターブ上げた12フレットから16フレットの間のポジションで演奏しただけなのです。これでも充分、ソロっぽく聴こえるんですよ! ちなみに、8分音符の拍ウラは、3連の3つ目が跳ねたノリ、”スウィングのリズム”で演奏しましょう。

スケール・ノートを使う

スケール・ノートを使ってのインプロの参考譜例です【Ex-8】(動画#2/1:38から)

mi_bm_2010_06_ex8

これも、実はロー・ポジションをオクターヴ上げただけ。つまり、ウォーキング・ベース・ラインの作り方を把握すれば、インプロヴィゼーションも同じ発想で演奏することができるのです。しかしながら、音数が増えているので多少難易度が高くなっています。慣れればいろいろ応用が効きますので、がんばってモノにしてくださいね。

モチーフを使ってコール&レスポンス

今までは、コード・トーンとスケール・ノートの羅列でしたが、モチーフ(簡単なメロディ)を使って演奏すると、もっとクリエイティブなインプロヴィゼーションができます。コツは、モチーフをコール(呼びかけ)とレスポンス(応答)に当てはめて展開していくこと。それによって、説得力のある演奏になってきます。

サンプルとして、いくつか例を挙げておきます。【Ex-9a】(動画#2/2:59から)【Ex-9b】(動画#2/3:32から)は、1小節単位のコール&レスポンス。【Ex-10】(動画#2/4:16から)は2小節単位のコール&レスポンスです。

mi_bm_2010_06_ex9

mi_bm_2010_06_ex10

どうでしょうか? クリエイティブでワクワクするインプロになってきましたね! これらのモチーフを展開したデモを、YouTube上で演奏しています。そちらもぜひ見てください!

ジャズはいろんな制約のもとでデタラメに演奏することのできる楽しいジャンルです(苦笑)。紹介したテーマをぜひ活用して、いろんな場面でジャズ的アプローチを取り入れてください。きっと演奏の幅が広がりますよ!

Special Advice:プロを目指す人へ、マル秘(?)アドバイス

ミュージシャンはサラリーマンでない限り、個人事業主です。音楽活動をしていると、忙しいときとそうでないときの波があるもの。そこで、自分の都合に合わせてお仕事をするビジネス・スタイル(SOHOビジネス)を展開するのもありです。個人でも技術や知識を身につければ、音楽事業も含め多角的に事業展開することが可能です。興味があれば下記サイトを参考にしてみてください。

http://www.atsoho.com/
http://www.sohovillage.com/

宮川洋介(みやがわ ようすけ)プロフィール

mi_bm_2010_06_instructorみやがわようすけ(別名:basske)●1970年生まれ。いて座。大学在学中にMIで音楽を学び、その後ベーシストとしてジャズ/フュージョン畑で演奏活動を展開。営業活動では演歌から軍歌までこなし、ときには街中でジャズのストリート・パフォーマンスを行なう。さらに、コンピューターを使っての音楽制作も行なっており、MIとベース・マガジンの合同企画”Groove Master”の音源「風邪」などを作曲したこともある(2000年4月号)。一方、音楽業界の発展のため、MI JAPAN東京校で後進の指導にあたり、伝統的な音楽スタイルを教えるのはもちろん、現代のテクノロジーを駆使して、時代をリードするミュージシャン育成に力を注いでいる。自己のプロジェクト『Groove Syndicate』でも活動中。

【Webサイト】http://www.basske.com/
【Twitter】http://twitter.com/basske3850 (フォーローしてね!)

 

■本記事について

本記事は、『ベース・マガジン2010年6月号』掲載のページを転載したものです。

→『ベース・マガジン2010年6月号』の詳細を見る

MI JAPAN OPEN HOUSE:3誌連動・動画クリニック

mijapan-footerlogo.jpg

MI Japanは、ハリウッドにある世界最大級の音楽学校MI(MUSICIANS INSTITUTE)の日本校として、全国6ヵ所に拠点を置くミュージシャン養成機関。

MI JAPAN各校の詳細はmusicschool-navi.jpで!

OPEN HOUSEロゴ

MI Japanのプログラムを1日に凝縮した体験レッスンのこと。レギュラー講師によるクリニックなどにも,レベルを問わず誰でも参加可能。参加には予約が必要。スケジュールなどは、http://www.mi-japan.com/event/open-house.htmlでチェック!

3誌連動動画クリニックに登場した講師陣のプロフィールはこちら

TUNECORE JAPAN