“エロかっこいい”ニュアンス系奏者になる!

MI JAPANベース・クリニック by Y.O.U. 2014年2月19日

どうも、“エロい”は褒め言葉、日々エロスを探求しているY.O.U.です。嘘です、本当は意外とピュアです。それも嘘です。てな感じで周囲を煙に巻くことウン十年、友達がいなくなる、いなくなる(笑)。そんな嘘まみれの僕ですが、ベースに関しては声を大にして、真っ向からこう言いたいのです。“エロくないベースなんて、ベースじゃない!!”。まあ、それは言い過ぎだとしても(笑)、“エロかっこいい”=多様なアプローチを駆使したニュアンス系スタイルを目指したい人は、ぜひ読み進めてみてください。

Part 1 シンプルなバッキングにドライブ感を!

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まず最初に、エロ化への入門篇です。Ex-1aは、何の変哲もないシンプルなルート弾きパターン。昨今ではDTMスキルが必須化していることもあって、オリジナル曲を作る際に、メンバーが打ち込みでデモを作ってくる、なんていうケースも増えていると思います。そういうデモにありがちなのが、このベース。厄介なのが、そういうメンバーって、フレーズを変えると“ちょっと違う”なんて言い出したりするんです。“デモに忠実にお願い”みたいな感じで、結果、至極つまらない楽曲になってしまったりすることも(ため息)。そういう場面にも有効なのが、ここで紹介するテクニックです。

Ex-1bは、“ドライブ感”をテーマにEx-1aをアレンジしたものですが、フレーズの骨格自体にはまったく手を加えていません。変化したのは冒頭のグリス・アップに加えて、4分音符部分のグリス・ダウン、1〜3小節後半のアタマをスケールに則って1音下げて、そこからのスライド・アップ、そして4小節のD音の連続部分に半音下からのスライドで装飾を入れる、というくらい。たったこれだけで、フレーズがグッとエロくなりますよね。

Part 2 スコアをカッコよく装飾してみよう!

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続くEx-2aは、なまじフレーズがしっかりしているだけに、そのまま弾いてもサマになっているように感じます。しかし、この“フル・ピッキング地獄”の状態では色気は出ません。ポジショニングにしても、メカニカルなスケール練習を熱心にやっていればいるほど、こういったタテ移動のみのアプローチになってしまいがちですよね。

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では、これをアレンジしてみましょう。Ex-2bは、音符上はEx-2aとまったく同じフレーズですが、ハンマリングやプリング、そして何と言ってもグリスにスライドを多用して、エロかっこいいフレーズに変身させています。ポジショニングも工夫して、同一ポジションでオクターヴ上を弾くのではなく、ヨコ方向にグリス・アップする、または開放弦を効果的に使用するなど、いろいろなアプローチを散りばめています。こういったテクニックやニュアンスは、市販のバンド・スコアなら丁寧に記されていることも多いですが、提供元がメンバーのデモとなるとそうもいきません。ましてや、自分でフレーズを作るとなればなおさらです。大事なのは“無機質な五線譜から、いかに表情を読み取るか?”です。ちなみにこのEx-2bは、あくまでも僕の解釈による調理方法。正解はプレイヤーの数だけ存在します。

Part 3 “ブーン”と“ブゥゥゥン”の使い分け

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ベースの醍醐味のひとつでもあるグリス。この定番テクも、細かくニュアンスを使い分けることでエロさの演出に貢献してくれます。ここでは曲中のブレイク→次小節でバンド・インという場面の直前に入るグリスを例に、4種類に分類してみましょう。
譜面では少々伝わりづらいですが(苦笑)、まずEx-3aは、2小節4拍目アタマのジャストからグリス・ダウンというシンプルなもの。4種類中では最も休符部分が長く、ブレイク感が一番強調されます。そしてEx-3bは、4拍アタマのジャストからグリス・アップ→グリス・ダウンというもので、バンド・インのアタマをより強調できるパターンです。と、ここまでがオーソドックスな2種類で、ここからがエロ化への道。Ex-3cは、先のふたつよりも始点が早くなっていることに注目してください。スタートを早めたぶん最高到達点に届くのも早くなり、そこからネットリとグリス・ダウンさせていくのが、このパターンです。Ex-3dは反対に、グリス・アップをじっくり上げ、ギリギリまで粘ってからダウンするというもの。これらはピック・スクラッチやリバース・シンバルのような役割とでも言いましょうか、エロさを演出するためには非常に有効な手段。パターンを覚えて使い分けられるように練習してみましょう。ちなみに市販のスコアでは、だいたいbの表記になっていると思います。

Part 4 実践:指示のない譜面を仕上げてみよう!

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それでは仕上げに、Ex-4の5線譜を自分なりにエロかっこよくアレンジしてみましょう。長めの8小節フレーズですが、模範解答はあえて載せていません。もちろんタブ譜もありませんよ。
Part 1〜3を通して、エロく仕上げるための重要なキーワードは“スライド、グリス、ポジショニング”だとわかります。ここに留意すれば上手に調理できるはずなので、自分で考えてチャレンジしてみましょう。僕も講師を始めて数年経ちますが、“安易に解答を求めない”生徒ほど成長しています。自分で考え、カッコいいと納得できたプレイは、すべて“正解”です。どうしても自信が持てないという人は……そうね、動画をアップして見せてくれたらいいんじゃないかな。いろいろ難癖(アドバイス!?)つけちゃうかも知れませんけど(笑)。

 最後に……

譜面のとおりに弾けても、“良い演奏”にはなりません。超絶技巧のプレイヤーが必ずしも魅力的ではないこともしばしばですが、そういう諸氏に欠落しているのが“アーティキュレーション”という概念です。表情豊かな演奏は、例えシンプルでも魅力的に聴こえるもの。強弱はもちろん、多様な表現技法を駆使することによって、生き生きとした、魅力溢れるフレーズに変化するのです。それが完璧に自分のものにできれば、おのずとエロさは醸し出されます。一朝一夕でできることではありませんが、それに“気づいて、意識する”ことが大事なのです。あとは良い演奏をたくさん聴いて、観て、耳と目を磨くこと。技量や知識だけでは補えないものが、そこにはあります。機会があれば、次回はこの続きをお話しましょう。ではその日まで、ごきげんよう!

 

本記事について

本記事は『ベース・マガジン2014年2月号』掲載のページを転載したものです。

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