ブルース・セッションを楽しむ心得×7箇条/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by 石垣篤友 2013年10月14日

MI JAPAN名古屋校の石垣です。今回のテーマは、“ブルースなんて知らねえよ!”という皆さんを対象にしたブルース・セッション講座。セッションって、ベーシストには大変だと思いませんか? 僕の印象は、間違えてはいけない、演奏中に休めない、ムチャ振りのソロがあるという、ちょっとネガティブなもの……。でもセッションの場で仲間ができたり、タメになる話が聞けたりと、いいことも多いんです。このレッスンが、“セッションはハードルが高そう”というあなたが一歩を踏み出すきっかけになってくれたら嬉しいです。

ブルースを知らなくてもセッションはできる!

その1 ステージ前にはチューニング!

これは当たり前のことですが、意外と忘れる人が多いのも事実。例えば、初対面の人に会ったときに、相手の鼻毛が出ていた場面を想像してみてください……すごく間抜けでしょ? 初対面がそんなイメージであれば、その後再会したときにも、ずーっとこの人は鼻毛が出てるという印象になると思うんです。ベースに置き換えれば、チューニングができていない状態というのは鼻毛が出ているのと同じことで、そのまま演奏を始めるのは、相手にもかなり間抜けな印象を与えてしまいます。注意しましょう。

その2 ケーブルをブッ込む前の“0確認”ベースをつなぐアンプにもいろいろなタイプがありますが、それ以前に自分のベースがパッシヴか、アクティヴかを把握していますか? 簡単な見分け方は、ベース本体に電池を使わない人はパッシヴ、電池を使う人はアクティヴです。自転車に例えるならパッシヴ=普通のママチャリ、アクティヴ=電動補助付きという感じで、これによってアンプに送られる音量が変わってくるんです。一般的にはパッシヴのほうが音量が小さく、アクティヴのほうが大きくなり、この違いによってアンプ側のケーブルを挿す場所が変わったりもするので、必ず把握しておきましょう。このとき、アンプのツマミがすべて0になっていることを確認してからケーブルをブッ込むこと。そうでないと、アンプの故障の原因になってしまいます。そして音量調整で気をつけてほしいのが、ゲインとマスター・ヴォリュームの関係です。これは水道局(ベース本体)から送られてきた水(音)をタンク(アンプ)に貯蔵し、そのタンクから家庭に送られる水量を調節
をして(ゲイン)、栓(マスター)をひねると蛇口(スピーカー)から水が出てくるというイメージ。使っているベースにもよりますが、ゲインは大体10時くらいの位置にノブを持っていき、マスターで音量を調整するのが基本です。アンプの音量が決まっ
たら、いよいよ演奏です!その3 “ラインはシンプル&強烈に”作戦

140414-bm10-ph1

演奏に入る前に、今回の題材となる譜面を説明しておきましょう。課題譜例はセッションでよく使われる3コード・ブルース(キー=E)で、3つのコードをバックに、テーマと呼ばれるメロディがギターやピアノ、サックスなどの楽器(またはヴォーカリスト)によって演奏されます。この12小節が音楽の中心で、ここに記載されたコード進行を使って各楽器のソロを回していくというのが、ブルース・セッションでよく使われる方法です。流れとしてはテーマ→各パートのソロ(12小節×複数回)→テーマ(エンディング)が一般的でしょう。ここでは、まずはEx-1のようなルート弾きでアプローチしてみてください。非常にシンプルですが、力強く演奏することはメンバーに最初の信用を与えることにつながります。特にベースがルートをしっかり鳴らすというのは、バンド全体に安心感を与える大事な要素のひとつ。反対に、よくわからないままラインを動かしてしまうと、サウ
ンドにコシ(讃岐うどんのような力強さ!)がなくなり、フニャフニャしてしまう原因にもなりかねません。ということで、まずはルートが肝心。思い切ってブンブン元気よく弾いてみましょう!140414-bm10-ph2その4 “音数を増やして思いやり”作戦セッションでベーシストに要求されるのは、“安心感と思いやり”ではないかと思います。作戦その3のルート弾きで植えつけた安心感を、今度は思いやりに発展させてみましょう。そのために、まずはソリストの演奏をよく聴くこと。盛り上がりそうになってきた、もしくは盛り上がったときは、同じ音使いのままでもEx-2のように音数を増やしてあげると、ソリストもノリノリになってきます。あたかも競馬で第4コーナーを回って直線に入ってきたときに、騎手がバチバチと鞭で馬を追うような、そんな気持ちでルート連打をしてください。140414-bm10-ph3その5 “チラ見を忘れずに”作戦セッションでは1曲のなかでいろいろなプレイヤーが思い思いにソロをとるので、人によっては“まだやるの~? ”ということもあれば、“え? もう終わり? ”なんてこともあります。そんななかでは、どうしてもソリストが発するソロの終わりを意味するキュー(合図)を見失いがち。きちんと進行についていくためにも、ソリストへの“チラ見”を心掛けるようにしましょう。Ex-2のように、特に8小節から11小節あたりは、よくキューが出るところです。キューを受け取ったら、ニコっと笑顔で応対することも忘れずに。140414-bm10-ph4140414-bm10-ph5その6 “ベース・ソロを回避せよ”作戦これは一見ネガティブに捉えられがちですが、刻々と流れるアンサンブルのなかで、自分の意思をはっきりさせるのは重要なこと。特にベース・ソロは未経験という人や、ソロが苦手という人ならなおさらです。ベースにソロが回ってくる状況というのは、たいていソロを弾きそうな主要楽器がひととおり弾き終えたあとで、“さあ、ベースはどうする? ”という雰囲気になります。そこでソロを弾きたくないあなたは、最後のソリストの8小節あたりに差し掛かったら、大きな声で“テーマ! ”もしくは“ヘッド! ”と叫んでみましょう。声が聞こえないような状況であれば、指で頭を指し示すのもOKですが、これは“テーマに戻る”という意味。このひと言で灰色の曇天が青空に変わるように、メンバー皆の向かう方向が決定されるのです。その7 “エンディングはこれで決まり”作戦さて、いよいよセッションの締めとなるエンディングに突入です。ブルースにはいろいろな終わり方がありますが、まずはEx-3のふたつのフレーズを覚えておけば安心でしょう。これは万能調味料のごとくどんなパターンにも当てはまるもので、11小節から弾き始めて12小節で着地します。このフレーズで終わらないことももちろんありますが、ブルースのエンディングにおいては常套句のようなパターンなのです。
以上、どうでしたか? かくいう僕も、実はいまだにセッションが苦手です(笑)。それでもある程度のルールを把握したら、あとは心構えさえあれば、楽しい時間を過ごすことができます。重要なのはほかの楽器、特にテーマをとる人がソロを弾いているのか、テーマを弾いているのかをしっかり聴きわけること。そのうえで魂を込めて、1音
1音しっかりとベースを弾きましょう!

本記事について

本記事は『ベース・マガジン2013年9月号』掲載のページを転載したものです。

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