フレットレスで弾くロック・フレーズ/MI Japan ベース・クリニック

MI JAPANベース・クリニック by Y.O.U. 2013年2月16日

フレットレス・ベースのイメージと言えば、まずは“シブい”“弾くのが難しそう”なんて声が聞こえてきそうだが、食わず嫌いはもったいない。その味わい深いトーンやニュアンスなど、この楽器が持つ独特の色気はロックにも映えるのだ。今回は、そんなフレットレスの意外な活用方法を伝授しよう!

皆さんこんにちは。1年ぶり、2度目の登場となるMI仙台校のY.O.U.です! 前回はクリックを使用したベーシックなトレーニングを紹介しましたが、今回は僕の得意なスタイルである、“フレットレス・ベースでロックなフレーズを弾く”というテーマでお届けしたいと思います。

おもに僕のバンド、e:choの楽曲からフレーズを引用しているので、気になった人はそちらもチェックしてみてくださいね(笑)。フレッテッドとはひと味違った、“エロかっこいい”フレーズを体感してみましょう!

EXERCISE フレットレスでロックを弾こう!

さて、それでは講義を始めます。そもそも、なぜロックを弾くのにわざわざフレットレスを使うのか。“ロックならフレッテッドでバリッと弾かんかい! ”と言われたら、まったくそのとおりで反論の余地もありません。はい、終了ー。……って、それで終わったら怒られちゃいますよね(苦笑)。

そもそも僕がフレットレスを弾きはじめたのは、尊敬する恩師や対バンのアーティストさんが使っているのを観てヨダレを垂らしたからなのですが、もう何が違うって“エロさ”が違います。フレットレスはエロいんです。“なに草食系ってバッカじゃないの? ” っていうくらいエロイムエッサイム。フレッテッドとのテクニック的な違いは、①グリスやスライドを多用する、②そのかわりチョーキングはあまりしない、といった具合でしょうか。根本的にはそんなに大差ないので、フレッテッドしか持ってないという人も、フレットレスのニュアンスをイメージしながらチャレンジしてほしいと思います。では、早速フレーズで実践していきましょう!

Ex-1 グリスをうねらせる練習

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まずはフレットレスの醍醐味であるグリス(グリッサンド)を多用した……と言うよりも、むしろそれしか使っていないワイルドなフレーズです。イメージはドラムのアクセントに合わせて暴れまくる感じで、ポイントはグリスのスピード感。素早く上昇して、じっくり降りるというのが、エロさを演出するための大事なポイントです。フレッテッドで弾いた場合は、独特のうねりこそ生み出せないでしょうけれど、このテクニック自体は応用が効きます。フレッテッド族の皆さんも、すねずにトライしてみましょう。

Ex-2 スライドは目的地まで正確に!

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次にスライドを用いたパターンを紹介したいのですが、まずは練習フレーズから入りましょう。グリスと違い、スライドは指板上の目的地から目的地まで正確にたどり着くことが重要です。これはフレッテッドにも共通するトレーニングですが、フレットレスの場合は、よりシビアなポジション・コントロール力が必要とされます。研鑽に研鑽を重ねて、ピッチのズレを極限までなくしていきましょう。

Ex-3 スライドの実践的パターン

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スライドを絡めた実用的なフレーズです。フレッテッドで弾くとなめらかさに欠けるこのフレーズも、フレットレスで弾くことにより粘りが生じて、グルーヴに独特のエッセンスを加味することができます。ちなみに僕も昔はこれが苦手で、“どうやったらピッチが安定するんですか? ”と恩師に問うたところ、“ん? 勘だよ、勘! あはははは!!”という、すっげーアドバイスが……。でも、これが真髄だったんです。フレットレスをうまく操るには何より、とにかく弾き込んで、スライドしまくって、狙ったところでピタッとスライドを止められる技術が必要になります。“何となくここ”でジャストの位置になる感覚。これができるようになれば、あとはフレッテッドと変わりなく、むしろそれ以上に自由自在にベースを操ることができるようになりますよ!

Ex-4 ハンマリング&プリングの練習

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フレットレスを弾くうえで意外と苦労するのが、ハンマリングとプリングです。正確な位置で押弦しなければならないのですが、ピッチがどうしても不安定になりがちなのです。ここでは、それを克服するトレーニングを紹介します。まぁ、特別なトレーニングではないですけどね(笑)。

Ex-5 ハンマリングのヘヴィ・フレーズ

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ハンマリングを多用したヘヴィなフレーズです。ロー・ポジションでのハンマリングなので、前述のとおり、ピッチに気をつけてください。

Ex-6 フレットレス×ロックの総仕上げ

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最後に総まとめフレーズです。スライド、ハンマリング、プリングを多用したスピーディなフレーズなので、リズムに乗り遅れないように。また、ポジションやピッチがずれてしまわないように気をつけてください。

さて、ここで僕のベースについて紹介しておきましょう。ひとくちにフレットレスと言っても2種類あり、フレット・ラインの有無で分けることができるのですが、今の僕のベースにもラインが入っています。たぶんなくても弾けるのですが、オーダー当時にフレットレス初心者だった僕は、ビビって入れちゃったんですね(笑)。で、ローズウッド指板にコーティング塗装がしてあります。これはロック感を出すためにラウンド弦を張りたかったのが理由で、コーティングなしでラウンドを張ると、指板がどんどん削れてしまいます。それからアクティヴ仕様で、プリアンプはバルトリーニのNTBT。ロックのなかで埋もれないように、バリッとした部分を出したかったんですよね。もちろん、この辺は足もと系を充実させることでも補えると思います。さらにピックアップ・フェンスが付いていて、これはさすがにオーダー時に“え? ” って言われました。コーティング指板なのを良いことに、スラップだってやっちゃいます。わりとアブノーマルな楽器では?と思っていますが……どうなんでしょうか(笑)。

というわけで、今回はフレットレス講座でした。フレットレスをお持ちの人はなかなかいないかもしれませんが、これを機会に興味を持ってもらえたら嬉しいですね。それではまたお会い致しましょう。Enjoy your music life !

Y.O.U.

131016-mi-bass-1302MI仙台校GIT卒。卒業と同時にベースを始めるという特異な経歴を持つ。音楽的バックボーンはHM/HRからジャズ・フュージョン、ニュー・エイジに至るまで多岐に渡り、現在はe:cho、AiHというバンドで活動。尊敬するベーシストは故・青木智仁と安岡洋一郎。フレットレスを使用するきっかけとなったのは、後者のプレイに影響を受けたところが大きい。MIではLPW(課題曲をライヴ形式でセッションする内容)をはじめ、数多くの授業を担当している。

本記事について

本記事は『ベース・マガジン2013年2月号』掲載のページを転載したものです。

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