例年よりも多くの来場者を集めたハンドクラフトギターフェス2013。
どのブースも興味深い製品が並べられ、ハンドクラフト・ファンで賑わっていた。
ここではざっとその様子を見ていこう。
*順不同でご紹介しています。
【ace-k】
“個人製作家のセンスはそのままに量産を可能にするファクトリー技術を融合させることで,より多くの人に個人製作家のギターの醍醐味を味わってほしい”というコンセプトから生まれたLuthier’s Design Projectなる新企画を発表。ここでは塩崎雅亮氏の“Grace”と杉田健司氏の“Nougat”の2モデルが展示されていた。他にBigsbyのアームを採用したiwaneko guitarの斬新なアコギType-Vibrato(右写真)も注目の的に。
【Urano Guitars】
浦野利秋氏が手がけるUrano Guitarsでは小ぶりなボディが特徴的なモデルを発表(写真左下)。ボディ材材はトップがイングルマン・スプルース,サイド&バックがメイプルで,スケール長は624mm。
【エム・シオザキ弦楽器工房】
写真左は熟練ルシアー,塩崎雅亮氏がプライベート・ブランド“M.Shiozaki”名義で発表した1本。トップにアディロンダック・スプルース,サイド&バックに柾目のブラジリアン・ローズウッドを採用したトリプル・オー・タイプのギターで,長年の塩崎氏の研究を元に1938年〜39年頃のマーティン000-45をモチーフとして独自再現されたもの。ウクレレは000-42をモチーフに約60%縮小(ネック幅とヘッドなどは除く)したモデルで,ボディはトップがジャーマン・スプルース,サイド&バックがインディアン・ローズウッド。
【sugita kenji】
サイド&バックにブラジリアン・ローズウッド単板を使用した“Carrera”シリーズのうちコンパクト仕様になった“000”を出展。トップはジャーマン・スプルース単板タイプとホンジュラス・スプルース単板タイプがラインナップ。一般的なトリプル・オー・サイズのボディよりもややヘッド側の位置にくびれを設けて豊かな鳴りを目指しているのが特徴。ピックガードの装飾もオシャレ。
【SUMI工房】
熟練ルシアーとして知られる鷲見英一氏が主宰するSUMI工房。今回はトップに赤エゾ,サイド&バックにホンジェラス・ローズウッドを用いたスモール・ジャンボ・サイズのギターの他,トップに赤蝦夷,サイド&バックにグラナディーロ(アフリカン・ブラックウッド)を用いたテナー・サイズのウクレレなどが並べられていた。どれも杢が美しい!
【Yokoyama Guitars]
Yokoyama Guitarsでは長めの660mmスケールを採用したLAR-WRと,タマリンドという固めの材が採用されたモデルが注目の的に。どちらも参考モデルということだったが,珍しい仕様に多くの人の興味を集めていた。
またウクレレも,オール・インディアン・ローズウッド単板モデルと,ホワイト・スプルース・パドックの2モデルなどを展示。
【トーラスコーポレーション】
●COLLINGS
本イベントで初入荷されたCJ-35(右写真中央)は,ノン・スキャロップド・ブレイシングで,さらにトップ裏に3本のトーン・バーを採用することで低音とパンチの効いたサウンドを生み出しているのが特徴。材はトップがセレクテッド・スプルース,サイド&バックがプレミアム・マホガニー。
●EASTMAN
EASTMANではウクレレが初お目見え。ボディとネックはオール・マホガニーでペグはグローバーを採用。ボディにウッド・バインディングが施されている。サイズはソプラノ(EU3S),コンサート(EU3C),テナー(EU3T)がラインナップ。
【Diviser】
●HEADWAY
長野県松本市に工場を持つHEADWAY。ボディにオール赤松を用いたUSS-AKAMATSU,オール唐松を用いたUSS-KARAMATSUと2タイプのウクレレを発表。どちらの材も松脂があるため一般的に楽器製作は向いていないそうだが,加工に時間をかけることで完成。地元信州産を打ち出したモデルだ。他に着色したベースウッドを貼り合わせてカラフルにしたウクレレ“UCS-RAINBOW”や,スタンダードとなっているHD-115を再構築したアコースティック・ギターなどが並べられていた。
【BLUE Strings】
さまざまなウクレレが並ぶ中,エレクトリック・タイプのウクレレ“TE(写真のうちブルーのラッカーで塗装されたモデル)”が目立っていたBLUE STRINGS。ボディ・トップはフレイム・メイプル,サイド&バックはマホガニー単板でサイズはテナー。ピックアップはLRBaggs FIVE Oが搭載されている。