各楽曲が、自分の人生の1章になっている~ジェイク・シマブクロ、新アルバム『アイ・ラヴ・ウクレレ』を語る。(前編)

インタビュー by 取材:ウクレレ・マガジン編集部/通訳:大石千枝/写真:Sencame 2010年8月23日

現在”I LOVE UKULELE TOUR 2010″で日本ツアー真っ最中のジェイク・シマブクロ。7/28にリリースしたニュー・アルバム『アイ・ラヴ・ウクレレ』についてたっぷり語ってもらった。

インタビュー後編
「みんながウクレレを弾いたら、世界はもっと良い場所になるはず!」を見る

●新作『アイ・ラヴ・ウクレレ』は、オリジナル・アルバムとしては約2年ぶりの力作になりましたね。制作を始めるにあたってどういう構想が?

○最初に感じていたのは、ウクレレという楽器に対する愛情を反映させたいということ。そして、自分の人生を表わすサウンドトラックのようなアルバムにしたかったんです。各楽曲が、自分の人生の中でひとつの章になっていて、それぞれ違うことを表現できたと思います。

●パーソナルな側面で言うと、1曲目の「ワン・フォー・スリー(ケリーズ・ソング)」は、あなたのフィアンセの歌だとか?

○そうです。ヨーロッパに彼女と一緒に行った際、フィンランドで書いた曲で、出会った時のワクワク感を表現しています。”143″は”I Love You”っていう意味で、彼女は今でもポケベルを使っているので、いつも”143″と最後に書いて送っているんです。
ストリングスのアレンジは、彼女の弟がしてくれました。

●「ゴー・フォー・ブローク」は今までにはないタイプの荘厳な曲ですね。

○これは特別な曲で、第二次世界大戦の時、日系二世だけで編成された第442連隊に敬意を表して作りました。彼らが払った犠牲や、その経験のおかげで、自分は日系人としてより良い生活ができているんだと思うんです。実際に、彼らと一緒に時間を過ごす機会があったんですが、退役軍人の方々と話していると、自分の亡くなったおじいさんとの思い出が甦ってきたりして。平和を願って書きました。

●タイトル曲「アイ・ラヴ・ウクレレ」は、シンプルで美しいウクレレの音が印象的ですね。

○ウクレレを教えてくれたお母さんへの感謝の気持ちを込めて書いた曲です。

●子どもでも弾けるようなシンプルな曲を作ろうという意識はありましたか?

○いいえ。曲を書く時は、テクニックのことや難易度はあまり考えていなくて、メロディやフィーリングを重視しています。
曲を書いていると、どこに行くかわからない時がたまにあって。例えば、ビーチを歩いていたら、ひもを見つけて、それを引っ張っていくと砂から出てくる、みたいな感じで、追いかけていくような感じで曲ができていく気がします。

02_subSencamePhoto1_JakeShimabukuro.jpg
Photo by Sencame

●「ウクレレ・ブラザーズ」は弟のブルースの作曲で一緒に演奏していますね。

○リードはブルースが弾いて、僕はバッキングにまわっています。さっき話したとおり、このアルバムは自分の人生の縮図にしたかったので、どうしてもブルースとの曲を入れたかったんです。
子どもの頃はブルースとふたりでウクレレを弾くことが多かったし、彼はすごくいい曲を書きますからね。

●「シマ」は沖縄がテーマになっていますが、あなたのルーツとして特別な場所ですか?

○はい。父方が沖縄の出身で、幸運にも何度か行くことができて、景色も美しいし大好きな場所です。食事やゆったりした文化、あと沖縄の音楽も好きです。ハワイとのつながりも感じますね。ハワイとアメリカ本土との関係は、沖縄と日本の本州と同じような状況ですし。
ハワイには沖縄をルーツに持っている人も多くて、彼らは沖縄のプライドを持っているんです。祭りの時も、”ウチナーンチュ!”って叫んだりして(笑)。

●「サクラノカゼ」は日本的なメロディですね。

○これはクリスマスに押尾コータローさんのライブに出させていただいた時に日本で書いた曲ですね。すごくきれいな夜で、日本のクリスマスは特にロマンティックな景色でしょう? 外を歩いていて寒かったんだけど、風が吹いていて、なんとなく”桜の風”っていう言葉が出てきました。寒いのは苦手なので、早く春になってほしいなと思ったからかも(笑)。でも、実際の桜はまだ見たことがなくて、いつか見たいです! そしてお花見がしたいです(笑)!

●「タイヨウ」は初めてのギター曲ですね。

○ウクレレほど自由には弾けないんだけど、ギターを弾くことは好きなんです。大学の時にクラシック・ギターを習ったことがあって、自分にとってはすごく良い思い出ですね。今回はタカミネのナイロン弦のギターで弾きました。弾き方はウクレレと同じで大体ストラミングです。
今だと、ほとんどの人はギターから入ってウクレレに行くと思うんです。ウクレレをギターのように弾く人が多いでしょう? 僕は逆で、ギターをウクレレのように弾いています(笑)。
あ、あと、この曲は去年のツアーでも弾いていたんですけど、その時はタイトルがなくて、ホームページでタイトルを募集したんです。小さな女の子が「タイヨウ」っていうのを送ってきてくれて、イメージどおりだったので採用しました。

ジェイク・シマブクロ インタビュー後編
「みんながウクレレを弾いたら、世界はもっと良い場所になるはず!」を見る

 

cd_iloveukulele.jpg『アイ・ラヴ・ウクレレ』

 

ソニー
SICP-2767
価格:3,000円

Amazonで購入する

  1. ワン・フォー・スリー (ケリーズ・ソング)
  2. ボヘミアン・ラプソディー
  3. ブリング・ユア・アッズ
  4. ボーイ・ミーツ・ガール
  5. ゴー・フォー・ブローク
  6. トラップド 2010
  7. ヴァリエイション・オン・ア・ダンス 2010
  8. ファイヴ・ダラーズ・アンレディッド 2010
  9. アイ・ラヴ・ウクレレ
  10. ウクレレ・ブラザーズ
  11. シマ
  12. サクラノカゼ
  13. ミドリ
  14. ハレルヤ
  15. タイヨウ
  16. ウリリ・エ

 

01main_SencamePhoto2_JakeShimabukuro-profile.jpg

ジェイク・シマブクロ

ハワイ州ホノルル出身。1976年11月3日生まれ。わずか4歳よりウクレレを始め、高校を卒業したばかりの98年PURE HEART/ピュア・ハートのメンバーとしてデビュー。2002年1月にソロ・アーティストとしての活動をスタートさせた。ウクレレという楽器の即興性を存分に活かしつつ、クラシックやジャズ、ロック、ブルースといったあらゆるジャンルの音楽を卓越したテクニックと独自のフィーリングで情熱的なサウンドへと昇華。ジミ・ヘンドリックス、エディ・ヴァンヘイレンといった名ギタリストたちの音楽を聞きながら、そのプレイをウクレレで表現しようと考えたニュー・ ウェイヴ、それがジェイク・シマブクロである。

Jake Shimabukuro Japan Official Site

(Photo by Sencame)

TUNECORE JAPAN