インタビュー/ジェームス・ヒル

インタビュー by 編集部 2009年7月27日

ジェームス・ヒルは、ウクレレ・ジューク・ボックスと呼びたくなるような人である。ロック、ジャズからはじまりブルーグラス、クラシック、果ては映画音楽まで、なんでもござれの音楽性を、持ち前のテクニックで見事に昇華したそのスタイルは、ハワイアンとはまた別の流派。カナダ出身の彼がどのように超絶テクニックを習得していったのか。

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インタビュー:ウクレレ・マガジン編集部

※このインタビューは2007年に行なわれたものです。

--ウクレレをはじめたのは9歳。ハワイでならともかく、カナダでは早い方だと思ったのですが、ウクレレと出会ったきっかけは?

意外かもしれないけど、カナダはウクレレが盛んなんだ。テレビ放送では頻繁にウクレレ音楽がかかっていたし、家でもクラシックやジャズのレコードと一緒にハーブ・オータの音楽が流れたりしていたんだ。加えて僕が住んでた地域は特にウクレレの教育に力を入れててね。通っていた小学校にはウクレレの授業があった。僕がウクレレをはじめたきっかけと言えばそれだね。

--現在のあなたは世界屈指のテクニシャンと言えると思うのですが、そんなあなたがプレイ中に最も気をつかうことは?

すべてのプレイをエレガントに弾くことだね。例えば、手品とか日本の習字のように、すごいことをやっているけど、見た目には簡単そうに見える。そんな風に、常にマジックのような音楽を奏でたいと思っているよ。

--弦は何日ごとに張り替えますか?

1年に1回ほどしか替えないんだ(笑)。まあ、ナイロン弦は錆びないのが特徴だし、僕にとって新しい弦はブライト過ぎて、すぐには使いたくないサウンドなんだ。僕はデッドな感じが好きでね。交換しても1週間は使わなかったりするんだ。

--そういえば爪を伸ばしてないですね。あなたのプレイは爪を伸ばした上での奏法だと思っていたのですが?

ごらんのとおり(笑)。まあ、適当な時に爪は切っていて伸ばしてはいないけど、爪の部分を使って、パーカッシブなプレイをすることはあるよ。指のハラと爪を組み合わせると、いろいろなサウンドが出せるんだ。親指のハラと爪、人差指のハラと爪、という4種類のパターンを基本に組み合わせている。それと左手のミュートを使って、曲のセクションごとでバリエーションを出したりしてね。

--最後に読者へのメッセージと、今後の抱負をお願いします。

僕は毎回いろいろなことにチャレンジしている。今はブルーグラスっぽいことにもトライしているんだ。嬉しいのは、その毎回の変化を、日本の皆さんがいつも温かく受け入れてくれることだよね。本当に感謝している。

あと、これからウクレレにチャレンジしようと思っている人はぜひトライしてみてほしい。今回付録CDに入れた僕の曲(『ウクレレ・マガジンvol.1』収録)のようなソロ・スタイルのものにチャレンジするのもいいけれど、最も大切なことは、友達と一緒にシンプルな曲を、楽しんで演奏することだと思う。これを忘れないで頑張ってほしいな。

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[プロフィール]
1980年、カナダ生まれ。ピーター・ルオンゴ率いるウクレレ楽団、ラングレー・ウクレレ・アンサンブルの主要メンバーとして2003年まで活躍。ソロ作品は3作リリース。また、アン・デヴィソンとのデュオ・アルバムも発表。なお、『ファンタジー・フォー・ウクレレ』は日本企画のアルバムで、ヒルのベスト的な内容となっている。

[ジェームス・ヒル オフィシャルサイト]

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