UAD-2を駆使するライブ・エンジニア② 小松久明(オアシスサウンドデザイン)

UNIVERSAL AUDIO UAD-2 Live Rack

UNIVERSAL AUDIO UAD-2 Live Rack by サウンド&レコーディング・マガジン編集部 2018年9月27日

Photo:Takashi Yashima

Photo:Takashi Yashima

ツアー本番で大事なのはいかに物事を簡潔にこなすか
だからスナップショットが付いたのはうれしいですね

LUNA SEA、BAROQUE、DIAURAのようなロック・バンドから手嶌葵、吉澤嘉代子といった女性シンガーにいたるまで、多くのライブPAに加え、コンサートのサウンド・デザイン、そして洗足学園音楽大学での後進育成なども行う小松久明氏。氏もライブ現場にApolloを持ち込むエンジニアとして有名だ。そんな氏にも、UAD-2との出会いから語っていただいた。

 

UAD-2は見た目と音が実機と一致している

小松氏がApolloを手にしたきっかけは、2015年にLUNA SEAが開催したイベント“LUNATIC FEST.”。結成当初の名義、LUNACYでの出演もあり、その当時の音を再現するツールとして導入したという。

「LUNACYはアナログ・コンソールでやろうと決めたときに、アウトボードまでアナログにするのも、ちょっと違うんじゃないかと。新しい何かを使って表現できないかなと調べてみたら、Apolloに行き当たりました。新しいオーディオ・インターフェースの中で、昔からあるエフェクトが使えるので、これを借りてやってみようと」

このLUNATIC FEST.での成功を機に、小松氏はApolloを2台購入。さまざまな現場に持ち歩くようになり、「会場の管理をしているPAカンパニーから“今回もApollo持ち込まれますか?”と聞かれる」と笑う。

「僕のApolloを見て“それはなんですか?”と言っていたエンジニアが半年後に買っている。それを見て“来たね、ブーム!”って思っています。もちろん卓の内蔵エフェクトも悪くないけれど、UAD-2プラグインはメーターやパラメーターなどの見た目と音が実機と一致している。そこが大きいんですよね。ライブ・ハウスに持ち込む場合は、デジタル卓のアナログ・インサートとして使うことになりますが、卓からのインサート・センドの基準レベルがまちまちなので、そこのレベル管理には気を使いますね。一方、ツアーでは自社所有のコンソールを持ち回るし、ADATでデジタル接続すれば基準レベルの問題も無い。そう考えると、UAD-2 Live RackがMADIを採用したのは当然の流れだと思います」

 

UAD-2で仕込めば卓での音作りに専念できる

ライブ現場の目線で、もう一つUAD-2 Live Rackのポイントとなるのは、スナップショットが付いたことだと小松氏。

「スナップショットが付いたのはうれしいです。ツアーの本番中で大事なのは、いかに物事を簡潔にこなしていくかということ。できるだけ本番では触らずに済ませたいんです。でも、UAD-2 Live Rackならエフェクトの設定を、卓のシーンとMIDIで連携できるので、曲ごとにボーカルの処理を少しずつ変えるのも簡単になります」

そう語る小松氏は、愛用プラグインの具体的な使い方を教えてくれる中で、これと関連するポイントも挙げてくれた。いわく、“なぜコンソールのEQはほとんど4バンドなのか?”。

「僕はUAD-2のインサート・ポイントをEQの前段にして、基本的な音作りをUAD-2で行った後に、戻ってきた信号を卓のチャンネルEQで調整できるようにしています。例えば、会場のサイズに合わせたキックの低域のポイントは、UAD-2のCambridge EQで上げておく。あるいは会場の共振のポイントをカットしておくこともあります。それをベーシックな処理としておけば、卓側のEQの4バンドを音作り用としてフルに使えるわけです。そうすればある曲だけ低域のポイントを突くといったこともしやすい。今のワイド・レンジなPAシステムでは、UAD-2を使うことによって、僕自身EQの使い方の引き出しが増えたし、曲単位での表現力を上げることができるようになってきましたね」

 

小松久明の愛用UAD-2プラグイン

Studer A800

studer_a800
ボーカルをひずませるために使っています。ディストーションでひずませるとPAではハウリングしやすくなるし、それをEQで解消しようとするとひずみ感が減ってしまいます。それがこのStuder A800だとハウリングが起こらない。ひずみまで感じさせない程度に倍音を上げてボーカルを立たせるのにも便利です

 

Little Labs IBP

LittleLabsIBP
キックのイン/アウトのマイクの位相をそろえるのに使っています。これまでは正相/逆相の180°反転しかできなかった位相調整が、0〜180°連続可変で調整できる。ディレイではなく、位相の調整としてこれができるプラグインを、僕はほかに知りません

 

1176LN(Legacy)

1176
実機をツアーで持ち運ぶと、メーターが壊れたり、ランプが切れたりすることが多い。だからといってクッションを入れた保護ケースに入れると、ものすごく巨大になってしまいます。UAD-2の1176LNは動作が実機に忠実で、メーターの触れ方も実機と同じ。ボーカルを前に出すのが難しかったアーティストでも、簡単に歌が前に出てくるようにできました

 

UAD-2 Live Rack製品情報
https://hookup.co.jp/products/universal-audio/uad-2-live-rack

Presented by HookUp, Inc.

2018年10月号
サウンド&レコーディング・マガジン2018年10月号より転載

UNIVERSAL AUDIO

UAD-2 Live Rack

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※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

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