Section① ようこそ、DAWの世界へ

サンレコforビギナー2017 by サウンド&レコーディング・マガジン編集部/イラスト:鴨下速人 2017年2月14日

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最近よく聞く“DAWソフト”とは、レコーディングから録り音のエディット、ミックスまで、曲作りのあらゆる作業を行えるソフトのことです。各社からさまざまな製品が発売されていますが、それぞれの基本的な仕組みはよく似ています。というわけで、ここではDAWの基礎をレクチャー。上のイラストではDAWソフトの代表的な機能に番号を付けており、以下にそれぞれの解説を書いています。一読すれば、このページに下のDAW紹介がより面白くなるはずです!

DAWソフト機能解説

①トラック
DAWには“オーディオ・トラック”や“インストゥルメント・トラック”と呼ばれるものがあり、トラック関連のメニューから“新規作成”の項目を選ぶなどして作成します。オーディオ・トラックは、歌や楽器を録音したり、WAVファイルなどのサンプルを取り込むためのもので、入っている音を波形で表示。パソコンへの負荷が軽く、たくさんあってもDAWの動作が鈍くなりにくいです。インストゥルメント・トラックは、ソフト音源やソフト・サンプラーといったインストゥルメントを起動させて鳴らすためのもの。“打ち込み用のトラック”と言うこともでき、例えばドラム音源を起動させれば、自分の好きなドラム・パターンを打ち込んで鳴らせます。打ち込みの作業には“ピアノロール”と呼ばれるエディターを用いることが多く、音(ノート)の入力や削除、入力したノートの高さや長さ、強さなどの設定が可能。ピアノロール上のデータは“MIDIデータ”と総称されます。

②クリップ(イベント)
トラック内の音は、四角いオブジェクトで表示されます。このオブジェクトは“クリップ”と(イベントとも)呼ばれ、オーディオ・トラックのクリップを“オーディオ・クリップ”、インストゥルメント・トラックのクリップを“MIDIクリップ”と言います。オーディオ・クリップには波形、MIDIクリップには打ち込んだ音(ノート)を表す線が映るため、一目で判別できます。いずれのクリップも自由に動かせるため、例えば“ここに録ったギターの音を違う部分のベースと合わせたい”といった試行錯誤も簡単! さらに、長さを変えたり分割したり、異なるクリップ同士をくっつけることも容易なので、直感的にさまざまなアンサンブルを作り出せるでしょう。

③アレンジ(プロジェクト)画面
曲(プロジェクト)の全体像を見渡せるセクション。再生ボタンを押すと左から右へとスクロールし、右へ行くほどに曲が進みます。“時間軸の画面”や“タイムラインの画面”とも言えますね。縦の列にはトラックとそのクリップが並んでいるため、“何小節目(もしくは何分何秒)にどんな音が入っているか?”といったことを視覚的にとらえられます。ズーム・アップ/アウトも可能で、クリップの細部を見るのもお手の物。

④ミキサー
各トラックの音量や定位(L/Rの位置)を調整するためのセクション。基本的にはトラックの数だけチャンネルが作成されるため、特定のチャンネルをミュート(消音)したりソロ(単体)で鳴らすことが可能です。プラグイン・エフェクトを組み込む(インサートする)こともでき、録り音の加工は自由自在。“バス・チャンネル”と呼ばれるものを作れば複数のチャンネルを一つにまとめられるので、例えばドラムの打楽器すべてに同じコンプレッサーをかけるような音作りが行えます。

⑤インスペクター
トラックやクリップについての詳細な情報を表示するセクション。イラストではプロジェクト画面の左端に配置されていますが、このポジションにブラウザー(インストゥルメントやプラグイン・エフェクト、パソコンに保存したサンプルなどをロードするためのセクション)を置くDAWも見られます。

 

ABLETON Live 9

ひらめきを形にしやすい操作系と完成度を高めるためのツール群

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オーディオ/MIDIのレコーディングやクリップをタイムライン上に並べて曲を構成できる“アレンジメントビュー”と、クリップのループ再生や合奏によりさまざまな音の組み合わせを試せる“セッションビュー”から成るMac/Windows用DAW。Live 9 Suiteでは全機能を使えるほか、11種類のインストゥルメントや25種類のPack(サンプルやMIDIファイルのパッケージ)、36種類のオーディオ・エフェクトといった標準搭載のツールであらゆる音作りが楽しめます。Live 9 StandardはSuiteに迫る多機能ぶりで、5種類のインストゥルメントや14種類のPack、33種類のエフェクトで曲を構築可能。Live 9 Introは機能にこそ制限があるものの、4種類ずつのインストゥルメントとPack、21種類のエフェクトを備え、入門者にとって取っつきやすい内容です。なお、各グレードはダウンロード版も発売されています。

[価格] Live 9 Suiteパッケージ版:84,075円、Live 9 Standardパッケージ版:52,593円、Live 9 Intro パッケージ版:12,778円
※表記の価格は、本稿作成時の2016年12月現在のものです。

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問合せ:ハイリゾリューション
URL:www.h-resolution.com

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AVID Pro Tools 12

多彩なオーディオ/MIDI編集機能をベースにクラウドなどの新分野とも結びつく

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スタジオで標準DAWとされているPro Tools。時間軸上にトラックが並ぶ“編集ウィンドウ”と、ミキサーを模した“ミックス・ウィンドウ”を基本構成としています。編集ウィンドウでは、別画面を開くことなくオーディオやMIDIをそのデータの最小単位まで編集可能。ミックス・ウィンドウでは信号の柔軟なルーティングが行えます。初心者はPro Tools|First(無償)から始めるのがお勧め。保存できるプロジェクト(曲のファイル)は3つまでですが、ほぼすべてのPro Toolsの機能を使うことができます。操作に慣れたら、ソフトの購入を。1カ月または1年の単位でソフトを使用する権利を購入できるサブスクリプション・ライセンスなどの販売形態もありますが、ここでは永続ライセンスを推薦。購入すれば永続的に使用でき、1年間の無償アップグレード権や17種類のプラグイン特典(年間サブスクリプション)も利用できます。サポートが必要な場合は、年間サポート・プランを別途11,600円で購入可能。

[価格] Pro Tools|First(無償)、永続ライセンス:70,200円

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問合せ:アビッドテクノロジー
URL:www.avid.com/JP

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IMAGE-LINE FL Studio 12

エレクトロニック・ミュージックに適した“パターン・ベース”の制作環境

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MIDIシーケンス・ソフトのIMAGE-LINE FruityLoopsを祖とするWindows専用DAW。インストゥルメント用のチャンネルにステップ・シーケンサーが付いていて、そこで作成したパターンを“プレイリスト”と呼ばれるプロジェクト画面に並べて曲を作る仕様です。こうしたパターン・ベースの制作環境により、トラック・メイカーを中心に大人気。現行バージョンは12で、FL Studio 12 Signature Bundleやその解説本バンドル、クロスグレード版、クロスグレード版の解説本バンドルがパッケージで発売されています。beatcloud(https://beatcloud.jp/)でダウンロード販売されているグレードもあり、IMAGE-LINEのプラグイン9種類をSignature Bundleに追加したFL Studio 12 All Plugins Bundleをはじめ、FL Studio 12 Producer EditionやFL Studio 12 Fruity Editionなどがそろいます。

[価格] FL Studio 12 Signature Bundle:31,000円、FL Studio 12 Signature Bundle+解説本バンドル:33,000円、クロスグレード版:19,000円、クロスグレード版+解説本バンドル:21,000円、FL Studio 12 All Plugins Bundle:83,333円、FL Studio 12 Producer Edition :18,333円、FL Studio 12 Fruity Edition:11,111円

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問合せ:フックアップ
TEL:03-6240-1213
URL:http://hookup.co.jp

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PRESONUS Studio One 3

64ビット・エンジンによる高音質と直感的に扱えるユーザー・インターフェース

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STEINBERG Cubaseを設計していた開発者、ヴォルフガング・クンドゥルス氏らの手掛けたMac/Windows用のDAW。Studio One 3 Professional(ダウンロード版:39,630円/USB Edition:42,407円)、Studio One 3 Artist(ダウンロード版:11,852円、USB Edition:14,630円)、Studio One Prime(ダウンロード版のみ:無償)の全3グレードをそろえています。Studio One 3 Professionalは64ビットのオーディオ・エンジンが特徴で、音質的なロスを抑えた処理が可能。Studio One 3 Artistは32ビット・エンジン仕様であるものの、標準搭載のプラグインの数はProfessio
nalに肉薄しています。Studio One Primeは機能こそミニマムですが、シングル・ウィンドウやドラッグ&ドロップによる操作などを踏襲。ProfessionalとArtistは、譜面ソフトPRESONUS Notionとのバンドル(ダウンロード版)も発売されています。

[価格] Studio One 3 Professional ダウンロード版:39,630円/USB Edition:42,407円、Studio One 3 Artist ダウンロード版:11,852円、USB Edition:14,630円、Studio One Prime ダウンロード版のみ:無償、Studio One 3 Professional+ Notionダウンロード版のみ:43,334円、Studio One 3 Artist + Notionダウンロード版のみ:18,334円

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問合せ:エムアイセブンジャパン
URL:www.mi7.co.jp

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STEINBERG Cubase 9

一画面表示やサンプラー・トラックを採用しより効率的でクリエイティブな環境に

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1989年にMIDIシーケンス・ソフトとして発売されて以来、オーディオ関連機能も充実させ進化してきたMac/Windows用のDAW。バージョン9からは、あらゆる作業セクションを1つの画面で扱えるようになり、解像度の限られたノート・パソコンでも視認性や操作性が向上しています。サンプラーを標準装備したトラック“サンプラートラック”も出色で、オーディオ・データの演奏や編集がよりスピーディに。以上のアップデートはCubase Pro 9、Cubase Artist 9、Cubase Elements 9の3つのグレードに実装。Pro 9に関しては、MixConsoleでの作業履歴をトラックの編集とは別に記録し呼び出せる“MixConsole History”や、M/Sモードを備えたEQのFrequencyが搭載され、よりクリエイティブな作業が可能に。前者はArtist 9にも実装されています。

[価格] Cubase Pro 9:オープン・プライス(市場予想価格57,000円前後)、Cubase Artist 9:オープン・プライス(市場予想価格32,000円前後)、Cubase Elements 9:オープン・プライス(市場予想価格12,000円前後)

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問合せ:ヤマハ スタインバーグ・コンピューターミュージック・インフォメーションセンター
TEL:ナビダイヤル:0570-016-808(IP電話の場合:053-460-5270)
URL:http://japan.steinberg.net

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