「TASCAM Model 24」製品レビュー:MTRやオーディオ・インターフェースとして使えるアナログ・ミキサー

TASCAM Model 24

REVIEW by 吉田裕也(ストロボミュージック) 2018年12月28日

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TASCAMから24trレコーディング・アナログ・ミキサーのModel 24が発表された。ミキサー、レコーダー、オーディオ・インターフェースとして、ライブやリハーサル、レコーディングなどの現場で最大限に活用できるモデルだ。たくさんの機能がこの一台に詰まっているので、全体的に少し駆け足になってしまうが、早速レビューしよう。

SDカードへのマルチトラック録音
ワンノブ・コンプレッサーは自然なかかり方

Model 24は、22chのアナログ・ミキサー(モノラル×12+ステレオ×5系統、マイク入力は16chまで)、24trのマルチトラック録音(22ch入力およびMain Mix L/Rバス)、22tr同時再生、8tr同時のパンチ・イン/アウトが可能となっている。SDカードを用いたマルチトラック録音や、Bluetoothからのオーディオ再生、録音にも対応。さらには、USBオーディオ・インターフェース機能(24ビット/48kHzまで対応)も装備している。

ミキサー部はch1〜19/20にマイク・プリアンプを搭載。自然なコンプレッションがかかるワンノブ・コンプレッサーもモノラル12chのすべてに搭載している。SHURE SM58を接続して声でチェックを行ったところ、プリアンプ・ゲインは自然なマイク乗り。テストのために多少ゲインを上げてみてもマイク乗りが嫌な感じにはならなかった。ちなみにSIG(シグナル)インジケーターが付いているので、ディスプレイに表示されるレベル・メーターと合わせてしっかりとゲイン調整を行え、ゲインを上げ過ぎてしまうことは防げる。ハイインピーダンス入力対応のLine/Inst(BAL)入力端子と、チャンネル・インサート端子をch1&2に装備。全チャンネルにローカット・スイッチを搭載しており、3バンドEQ、モニター2系統、FXバスのAUX3系統などアナログ・ミキサーのスタンダードな構成となっている。フェーダー長は100mmで直感的に操作しやすく、音量の微調整で音楽的なバランスが非常に取りやすくなっていることに好感が持てた。

ステレオ出力にはメイン・アウトに加え、サブアウト、モニター・アウトを装備。Main OutまたはAUX Output Mon 1/2には7バンド・ステレオ・グラフィックEQもインサートできる。16種類のカスタム・プリセット・エフェクトはスタンダードな大小のホール・リバーブからディレイ、コーラスまでエフェクトの効果をかけたい分量を調節するだけですぐに使用可能。

 

▲エフェクト・エディット画面。リバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャーなど16種類のエフェクトが内蔵されている

▲エフェクト・エディット画面。リバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャーなど16種類のエフェクトが内蔵されている

ch21/22のBluetoothオーディオ接続機能もとても簡単で、セッティングにスピードが必要とされる現場でも心強いと感じた。BluetoothボタンとPairingボタンを押すだけで、APPLE MacBookとペアリングが行えた。

 

視認性に富むディスプレイを搭載
ワンタッチで入力ソースを切り替え

SDカードを使用したMTR機能もチェックしてみよう。筆者がMTRを初めて触ったのは中学生のときで、当時ひたすら録音を繰り返して遊んでいたのを思い出した。そんな懐かしさを思い出しながら、普段からDAWで仕事をしているという理由もあるかもしれないが、Model 24は説明書を見ずとも簡単に録音まで進めた。ディスプレイの視認性も良く、レベル・メーターやレコーディング編集で基本となるパンチ・イン/アウトやアンドゥ/リドゥ、ロケート機能などの編集作業も、今どの作業工程なのかなどがディスプレイに表示され、分かりやすく操作できる。DAWと比べるとMTRはできることが限られてしまうが、DAWの操作はハードルが高いと感じる方や、バンドのリハーサル・スタジオでの簡単なプリプロなどにはとても使い勝手が良いだろうと感じた。

 

▲レコーダーとして使用した際の画面。METRはメーター画面表示、RPTはリピート再生、FXは内蔵エフェクトのオン/オフを示している

▲レコーダーとして使用した際の画面。METRはメーター画面表示、RPTはリピート再生、FXは内蔵エフェクトのオン/オフを示している

低レイテンシーでASIO/Core Audioへ対応したUSBオーディオ・インターフェース・エンジンを搭載し、Mac/WindowsのDAWへマルチ録音が可能。ミキシング/再生/録音など用途に応じてワンタッチで入力ソースの選択ができるModeスイッチが搭載されているため、面倒なケーブルのつなぎ直しやレベルの再設定を行うことなく、スムーズな作業が可能だ。筆者はAPPLE MacBookとLogic Proで接続のテストをした。オーディオ・ドライバーや専用のソフトウェアをインストールすることなく、USBケーブルをつなげるだけで認識できた。接続までが簡単なのは制作するにあたってのストレスを軽減し、スムーズに録音作業に移れるので魅力的だ。

マイクやギターなどの楽器からスピーカーまで音の流れを把握するのにアナログ・ミキサーはとても勉強になるので、これから音響オペレートを始める方にはぜひとも一度は触れてもらいたい。また、ライブ・レコーディングを視野に入れているのであれば、本機はMTRでの記録やDAWへの接続も可能な上、後でしっかりと編集もできるので納得のいく作品に仕上げることができるであろうお薦めの一台だ。

 

▲︎リア・パネル。左からUSB端子、ACイン、電源スイッチとなっている

▲︎リア・パネル。左からUSB端子、ACイン、電源スイッチとなっている

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サウンド&レコーディング・マガジン 2019年1月号より)

 

TASCAM

Model 24

145,000円
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪入力端子:マイク入力(XLR)×16、モノラル(TRSフォーン)×12、インサート端子(TRSフォーン)×2、ステレオ(TRSフォーンL/R×4、RCAピン、ステレオ・ミニ) ▪出力端子:メイン・アウト(XLR)、サブアウト(TRSフォーン)、AUXアウト(TRSフォーン)、FXアウト(TRSフォーン)、コントロール・ルーム(TRSフォーン)、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・フォーン) ▪再生ファイル形式:WAV(BWF)44.1/48kHz、16/24ビット ▪録音ファイル形式:WAV(BWF)44.1/48kHz、16/24ビット ▪録音可能トラック数:最大24(22+2ステレオ・ミックス) ▪外形寸法:577(W)×106(H)×529(D)mm ▪重量:10.4kg

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