「BOSE S1 Pro」製品レビュー:3chのミキサーを内蔵したコンパクトなオールインワンPAスピーカー

BOSE S1 Pro

REVIEW by 吉田裕也(ストロボミュージック) 2018年5月2日

撮影:川村容一

撮影:川村容一

BOSEからオールインワン・ポータブルPAスピーカー、S1 Proが新しく発表された。コンパクトで軽量なボディからは想像できない迫力のある音と、煩雑な初期設定などが一切無いシンプルな構成を持つ本製品。実際に使用してS1 Proの魅力を紹介していこう。

入力ソースに合わせた調整が簡単にできる
ToneMatchプロセッシングを搭載

最初に箱から製品を取り出したとき、あまりの軽さに驚いた。重量は6.8kg、外形寸法240(W)×332(H)×282(D)mmととても軽くコンパクトな設計で、片手で軽々と持ち運びができる。6インチ・ウーファーの手前に2.25インチ・ドライバーが縦に3つ並んでいる設計が製品をコンパクトに仕上げつつ、十分な迫力がある音を実現するようだ。入力は3chあり、ch1とch2はマイクや楽器を直接入力できるXLR/フォーン・コンボを採用。スイッチ一つで入力ソースに合わせた補正ができるToneMatchプロセッシングとリバーブも搭載している。ch3はBluetooth接続によるワイアレス音楽再生とステレオ・ミニ入力に対応。また、ライン・アウトも付いているので2台目の接続やほかのPAシステムなどにも出力が可能だ。

▲S1 Proのリア・パネル。ch1とch2にはXLR/フォーン・コンボ入力端子、ToneMatchスイッチ、REVERB、BASS TREBLE、VOLUMEノブをそれぞれ用意。ch3はステレオ・ミニ入力、Bluetoothペアリング・ボタン、VOLUMEノブを備える。そのほか、ライン・アウト(フォーン)、メインテナンス用のMicro USB端子を装備している 撮影:川村容一

▲S1 Proのリア・パネル。ch1とch2にはXLR/フォーン・コンボ入力端子、ToneMatchスイッチ、REVERB、BASS TREBLE、VOLUMEノブをそれぞれ用意。ch3はステレオ・ミニ入力、Bluetoothペアリング・ボタン、VOLUMEノブを備える。そのほか、ライン・アウト(フォーン)、メインテナンス用のMicro USB端子を装備している 撮影:川村容一

S1 Proは使用シーンに合わせて置き方を変えることでカバー・エリアを調整できる。また、35mm径の一般的なスタンドに立てれば、より広いカバー・エリアに音を届けられ、一般的なPAシステムやDJプレイなどでも使用可能だ。置き方を変えたときも音質が変わらないように、センサーやスイッチで感知して自動調整してくれるAuto EQ機能も備わっている。

今回は弊社ライブ・ハウス、原宿ストロボカフェにてテストを行った。まずはch1にSHURE SM58をつないで声を出してチェックする。スピーカーからはBOSEらしい明りょう感のある音質で再生された。ミキサー部のToneMatchプロセッシングには2つのプリセットが用意されており、スイッチをギターのマークに合わせるとローカットされ、マイクのマークに合わせるとローカットに加えボーカルが抜けやすい中域~高域が少し持ち上がる。まずはインプットのソースに合わせてToneMatchを選択してから、BASSとTREBLEツマミで調整していくというのがよいだろう。

次にAPPLE iPhoneでBluetooth接続を試してみた。iPhone側のBluetooth設定画面を開くとすぐにS1 Proが検出され、ワンタップで接続が完了。音源を再生してみると遅延も全く無く、iPhone側でのボリューム調整、次曲選択にもスムーズに反応した。そのまま会場の外側まで出てみたが接続が切れることはなかったので、ワイアレスでのオケ出しやBGM再生も問題無く行えるだろう。

 

机上/床置き/スタンド使用に合わせて
Auto EQが均一な音質に自動補正

こからは、シンガー・ソングライターのキクチリョウタに協力してもらい、実践的なテストをしてみた。まずはch1にマイク、ch2にアコースティック・ギターを入力し、弾き語りで演奏。ToneMatchをch1はマイクのマークに、ch2はギターのマークに設定すると、この時点で既に音のまとまりがほぼ完成され、EQでそれぞれを微調整、ボリュームでバランスを取るだけですぐにライブができる状態になった。ライブ・ハウスの大型スピーカーと比べるとパワー面でどうしても物足りなさを感じてしまうが、しっかりとした音像が得られるので少人数規模のカフェ・ライブ、路上ライブなどでのメイン・システムとしては十分だろう。

▲試聴の様子。今回はシンガー・ソングライターのキクチリョウタに協力してもらった。写真ではS1 Proを傾けて床に設置し、フロア・モニターとして使用している

▲試聴の様子。今回はシンガー・ソングライターのキクチリョウタに協力してもらった。写真ではS1 Proを傾けて床に設置し、フロア・モニターとして使用している

S1 Proのもう一つのポイントは先述したAuto EQ機能だ。路上ライブなどで地面に置いて後ろに傾ける、フロア・モニターとして横に倒して床に設置する、テーブルに置く、といったさまざまな用途でも音質が均一になるように自動で調整してくれる。次のテストではS1 Proをステージ後方のテーブルに置き、モニターも兼ねたメイン・スピーカーとして試してみた。後ろから鳴らしてもカバー・エリアが広いためモニターも難無くでき、客席側から聴いても十分な音量を感じる。さらに路上ライブなどを想定して地面に置き、後ろに傾ける設置方法を試してみた。テーブルから床へと設置を変えたので耳までの距離が遠くなって聴こえに変化があるだろうと思っていたが、テーブルに置いていた状態と変わらない聴こえ方で、Auto EQの性能を実感できた。

S1 ProはメインのPAスピーカーとしてはもちろん、フロア・モニター、楽器用アンプや音楽再生機として、さまざまな用途/場所で活躍できる製品だ。小規模スペースでのライブで特に実力を発揮できると感じた。オプションのリチウム・イオン・バッテリー(10,800円)を付ければ4~6時間のバッテリー駆動が可能となるので、屋外のライブなどでも積極的に使用できるだろう。


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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年5月号より)

BOSE

S1 Pro

78,000円/1台
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪定格出力:60W ▪ユニット構成:2.25インチ・ドライバー×3基+6インチ・ウーファー ▪周波数特性:70Hz〜16kHz(±3dB) ▪最大音圧レベル:103dB(109dB/ピーク) ▪指向特性:100°(水平)×40°(垂直) ▪外形寸法:240(W)×332(H)×282(D)mm ▪重量:6.8kg(本体)

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