「MACKIE. Thump15BST」製品レビュー:ワイアレス・コントロールが可能なDSP搭載のパワード・スピーカー

MACKIE. Thump15BST

REVIEW by 西川文章 2018年4月5日

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今回レビューするのは、15インチ・ウーファー・ユニットと1.4インチのチタン・ドーム高域コンプレッション・ドライバーを組み合わせた2ウェイ・フルレンジのMACKIE. Thump15BST。DSPを搭載し、Bluetooth接続によるワイアレス・コントロール/ストリーミングなどが可能という次世代のパワード・スピーカーです。

CH1〜2はDI不要で楽器も入力可能
3チャンネル・デジタル・ミキサーを装備

まず外観から見ていきましょう。Thump15BSTはエンクロージャーが角張ったシャープなデザイン。余計なものを削ぎ落としたシンプルさがとても好印象で、横向きにしてフロア・モニターとしても使えます。

次に電源を入れてチェック。リア・パネルに配置された入出力には、XLR/フォーン・コンボ入力端子が2つと、MIX OUTのXLR出力端子が1つというシンプルな装備です。CH1〜2には、上位機種のSRMシリーズで使用されているVitaプリアンプとWide-Zテクノロジーを採用。マイク、楽器、ラインの信号を自動認識し、ハイインピーダンス信号もDI無しで直接接続することができます。さらにThump15BSTは、Bluetooth入力を含めた3チャンネル・デジタル・ミキサーを搭載し、フルカラーのLCDスクリーンとその横にあるノブを使って音量やEQをコントロールすることが可能です。

▲Thump15BSTのリア・パネル。上部にはLCDスクリーンとコントロール・ノブを配置している。その下にはCH1と2の入力(XLR/フォーン・コンボ)とMIX OUT(XLR)を備える

▲Thump15BSTのリア・パネル。上部にはLCDスクリーンとコントロール・ノブを配置している。その下にはCH1と2の入力(XLR/フォーン・コンボ)とMIX OUT(XLR)を備える

それでは今回注目のBluetooth接続を使用したワイアレス・コントロール/ストリーミングを試してみましょう。今回はAPPLE iPhone 7を使用してスピーカーと接続します。まずiOS/Androidアプリ、Mackie Thump Connectをダウンロード。Thump15BSTのリスニング用Bluetooth設定を接続待機状態にして、iPhone 7のBluetooth設定からThump15BSTを選択します。市販のBluetoothスピーカーと全く同じ接続方法ですね。その後アプリを起動すれば、iPhone 7からスピーカーをコントロールできるようになります。

実際にiPhone 7に入っている音楽をストリーミング再生しながら、Mackie Thump Connect上でフェーダーやEQをいろいろ触ってみましたが、スピーカーから出る音は遅れたり飛んだりすることなくスムーズに操作に追従していました。

Bluetooth接続というと、どうしても気になるのは音質面。ストリーミング再生し一聴してみたところ、特に気になることはない十分なサウンドでした。

そこで今度は、有線で接続した場合とBluetooth接続した場合とで音質を比較。結果、Bluetooth接続で使用しても音質的には全く大丈夫だと思います。厳しく言うと、有線で接続した方が低音は締まり、アタック感も良い印象なのですが、通常使用するにはBluetooth接続でも十分なレベルでしょう。

 

音抜けの良い高域と迫力ある低域
環境に合わせて選べるスピーカー・モード

全体的なサウンドの傾向としては、1,300Wという高出力パワー・アンプを搭載しているだけあり低域の存在感は抜群で、とても迫力のあるサウンド。サブウーファーとしてMACKIE. Thump 18Sもラインナップにありますが、それが無くとも十分な低域を体感できました。もちろん高域の音抜けも良く、耳に痛いようなギラつき感も無く、タイトな印象です。特にシンバル類の高音成分は、奇麗に再生されていました。

ほかには、フロント・パネルにあるLEDライトのオン/オフをリモート・コントロールすることができます。これは舞台などの現場では非常に役立つ機能。今まではテープを張って隠していたので手間が省けて便利ですね。

またMackie Thump Connect内にあるSnapshot機能では、スピーカー設定の保存/読み出しができます。こういう機能がきちんとあるのも好印象です。

▲iOS/Androidアプリ、Mackie Thump Connect内にあるSnapshot機能。最大3つまでスピーカー設定の保存/読み出しが可能

▲iOS/Androidアプリ、Mackie Thump Connect内にあるSnapshot機能。最大3つまでスピーカー設定の保存/読み出しが可能

近年、Wi-Fi接続でリモート・コントロールできる製品はたくさんのメーカーから発売されていますが、Bluetooth接続でコントロールする大型スピーカーは珍しいのではないでしょうか? Wi-Fi接続の場合、ルーターが別途必要であったり、接続するにも最低限のネットワークに関する知識が必要だったりと、少し手間がかかるので断念する方もいると思います。しかし、Bluetooth接続の場合は手持ちのタブレット/スマートフォンでペアリングするだけなので、接続はとても簡単で初心者でも分かりやすいですね。“ワイアレス接続=面倒”という印象を持っている方にもお薦めです。また、クラブDJはコンピューターとThump15BSTをBluetooth接続すれば、ワイアレスでプレイすることもできます。

Thump15BSTは、いろいろな使用環境に合わせてサウンドを最適化してくれる“プリセット・スピーカー・モード”を搭載。LIVEモード、SPEECHモードなど全6種類のモードから選択できるので、現場での素早いセッティングが可能になるでしょう。スマートフォンと専用アプリさえあれば誰でも簡単にスピーカーと接続できるので、ちょっとしたパーティからライブ会場まで、幅広く活躍しそうなスピーカーです。


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サウンド&レコーディング・マガジン 2018年4月号より)

MACKIE.

Thump15BST

オープン・プライス(市場予想価格:57,300円前後/1本)
※表示している価格はニュース掲載時点のものです。また税込/税抜についてはメーカーの表示したものに準じて記載しています。

【SPECIFICATIONS】
▪構成:2ウェイ・パワード(バイアンプ) ▪ユニット:15インチ・ウーファー+1.4インチ・チタニウム・ドーム・コンプレッション・ドライバー ▪アンプ出力:1,300W(HF300WクラスAB+LF1,000WクラスD) ▪周波数特性:39Hz〜20kHz(−3dB)、32Hz〜23kHz(−10dB) ▪クロスオーバー周波数:2kHz(−24dB/Oct) ▪最大音圧レベル:127dB SPL ▪指向角:水平90°×垂直60° ▪ウェッジ使用時:仰角45° ▪外形寸法:442(W)×686(H)×356(D)mm ▪重量:15.9kg(1本)

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